「もっと早く知りたかった!」子どもの未来を守る、妊娠前からの栄養と鉄欠乏
こんにちは、栄養カウンセラーのちあきです。
5月に入り、風に乗って元気に泳ぐ鯉のぼりを見かける季節になりましたね。「どうか元気に、健康に育ってほしい」。そんな親の願いが込められた風景を見るたびに、私自身も子どもたちの寝顔を見つめながら、温かい気持ちになります。
子どもの健康を祈って兜や鯉のぼりを飾る。それはとても素敵な日本の文化です。でも、もし本当に子どもの一生の健康を願うなら、「生まれてから」何かをしてあげるのではなく、もっと根本的な、もっともっと「前」の段階からできることがあります。
今回は、そんな「子どもの未来の健康を守るための、一番最初の土台づくり」についてお話しします。
🤰 妊娠の「1年前」から栄養が必要な理由
「妊娠が分かってから、葉酸や鉄分に気をつけるようになりました」 栄養相談でお話ししていると、そんな声をよく聞きます。お腹の赤ちゃんのために一生懸命になるお母さんの姿、本当に素敵ですよね。
でも実は、栄養学の世界では「妊娠する1年前から気をつける必要がある」と言われているんです。
「えっ、1年前から!?いつ妊娠するかなんて分からないのに!」 そう思いますよね。私自身、この事実を初めて学んだ時、「もっと早く知りたかった!」と心から思いました。
なぜ、そんなに前から準備が必要なのでしょうか?
実は今、世界中の医学界で注目されている理論があります。それは、「受精してから2歳の誕生日を迎えるまでの最初の1000日間の環境が、その子の将来の病気のなりやすさを決める」というものです。
もし、お母さんの栄養が足りない状態で妊娠を迎えてしまうと、お腹の赤ちゃんは十分な材料をもらえないまま細胞分裂を繰り返すことになります。その結果、将来の肥満、2型糖尿病、高血圧といった生活習慣病のリスクが高まるだけでなく、発達の課題(自閉症やADHDなど)のリスクにも関わってくるというデータが世界中で報告されているのです。
「妊娠してから葉酸を飲めばいい」では、実は遅いのです。赤ちゃんという新しい命を育むための「土台」は、妊娠するずっと前から、お母さんの体の中に作っておかなければなりません。
🩸 20〜40代女性の65%が陥る「鉄欠乏(隠れ貧血)」の罠
「でも、私は健康診断で貧血って言われたことないし、元気だから大丈夫」 そう思っている方にこそ、知っていただきたい深刻な事実があります。
今の日本の20代〜40代の女性の約65%が「鉄欠乏(隠れ貧血)」だと言われています。
「隠れ貧血」とは、フラフラと倒れてしまうような分かりやすい貧血ではありません。血液中のヘモグロビン(赤血球)は正常でも、体の中の「鉄の貯金箱」であるフェリチン(貯蔵鉄)が空っぽになっている状態のことです。
若い時は、「若さ」というものすごいエネルギーでこの鉄不足を乗り切れてしまいます。自覚症状がないまま、なんとなく「朝起きるのが辛い」「疲れやすい」といった不調を「忙しいから」とやり過ごし、そのまま妊娠を迎えてしまう人がとても多いのです。
しかし、いざ妊娠して赤ちゃんを育てる段階になると、お母さんの体は自分の骨髄などに貯めていたわずかな鉄の貯金まで切り崩して、赤ちゃんに優先的に送ろうとします。もし元々の貯金が空っぽだったら……赤ちゃんに十分な酸素や栄養を届けることができなくなってしまいます。
🌱 「あぁ…」と後悔する前に。今からできる「現在地」の確認
これを聞いて、「私、妊娠中全然栄養足りてなかったかも…」「だからうちの子は…」と不安にさせてしまったらごめんなさい。
私自身も、分子栄養学を学んでこの事実を知った時、「ああ、やっちまった…」と激しく後悔した一人です。自分の鉄不足が、子どもたちのお腹の中での環境にどれほど影響を与えてしまったかと、自分を責めたこともありました。
でも、過去を振り返って自分を責める必要は全くありません。大切なのは、「今」知ることができたということです。
これから妊娠を考えている方はもちろん、そうでない方にとっても、自分の体の本当の状態を知ることは、人生100年時代を元気に生き抜くための大切なお守りになります。どんなライフイベントが起きても、笑顔で乗り越えられる「ピンピンコロリ」の体を作っておくことは、自分への最高のプレゼントです。
ただ、今日このお話を聞いたからといって、「じゃあ明日から鉄のサプリメントを大量に飲もう!」と焦らないでくださいね。むやみにサプリメントを入れるのは、かえって体に負担をかけることもあります。
まずは、血液検査などで「自分の鉄の貯金(フェリチン)はどうなっているかな?」と、現在地を知ることから始めてみませんか。
毎日のごはんから、少しずつ。焦らず「ちりつも」で、自分自身を大切にする体づくりを一緒にしていけたら嬉しいです。
【次回予告】 栄養不足のまま妊娠すると、お腹の赤ちゃんはどうなるの? 次回は、将来の肥満や生活習慣病に関わる「DOHaD(ドーハッド)理論」と、今日からできる食事の工夫についてお話しします!
👉 続きはこちら:【Pod188】妊娠前からの栄養が鍵!子どもの「太りやすい体質」と食事の深い関係
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