【満点9科目!】共通テスト2026を最新版AIに解かせてみた(Chatgpt、Gemini、Claude)
今年も共通テストの季節がやってまいりました!
受験生の皆さん、本当にお疲れ様です。
LifePromptでは、2023年から毎年恒例で「AI vs 共通テスト」の実験を行っており、今年でついに4年目を迎えます。
思い返せば、2023年は「生成AI」が流行語大賞に選ばれ世界中がChatGPTの登場に衝撃を受けました。
そして昨年2025年には、ChatGPTの愛称である「チャッピー」が流行語大賞にノミネートされました。この3年間で、AIは「未知のテクノロジー」から、ここまで日常生活に浸透してきたのです。
昨年の実験では、ついにAIが東大合格ラインを突破しましたが、今年はさらに次元が違います。
「AIは東大合格できるのか?」などの議論は終わり、もはやAIが高得点を取るのは当たり前になってきました。
だからこそ、今問うべきはその先の実力差です。
「満点は取れるのか?」
「一体どれほど速く解けるのか?」
「AIに優劣はあるのか?」
そんな新たな疑問に白黒つけるべく、世界最強の呼び声高い3大モデルを招集しました!
今回使用するモデル
今回は、以下のAIに受験してもらいました。
①GPT-5.2 Thinking
一つ目は、もはや説明不要のAI、ChatGPTシリーズの最新版です。
「チャッピー」の愛称で親しまれ、世界で最も使われている生成AIのスタンダード。 最大の特徴はその圧倒的な汎用性です。
画像認識から複雑な推論、データ分析まで、あらゆるタスクを平均点以上にこなす安定感。
今回は、その総合力を武器に高得点が期待されます。
②Gemini 3 Pro
二つ目は、Googleの最新技術を結集したスピードスター、Geminiです。
他のモデルと一線を画すのは、思考速度の速さと、動画や画像を人間のように理解する「マルチモーダル(画像認識)」の能力。
今回は、その自慢の目と速さを武器に、時間との勝負になる共通テストをどう攻略するのか注目です。
③Claude 4.5 Opus
三つ目は、最も人間らしい文章を書くと評判の、Claude(クロード)です。 文脈を深く読み取る力に長けており、数万文字に及ぶ長文も一瞬で記憶・理解するスタミナを持っています。「行間を読む」ことが求められる日本のテストとは相性抜群との噂も。
今回は、その高い「国語力」と「論理的思考力」で、文系科目でどこまで無双できるかが最大の見どころです。
3.実験方法
今回の検証では、AIの実力を公平に測るため、以下の対象科目とルールで試験を行いました。
■ 実施科目
文系・理系を問わず、以下の科目を網羅的に受験させました。
英語(リーディング・リスニング)
国語(現代文・古文・漢文)
数学(数学I・A / 数学II・B・C)
社会(歴史総合・世界史探究 / 歴史総合・日本史探究 / 地理総合・地理探求 / 公共・政治・経済)
理科(物理・化学)
理科基礎(物理基礎・化学基礎・地学基礎・生物基礎)
情報(情報I)
■ 具体的な入力手順
人間によるコピペミスや恣意性を完全に排除するため、本企画専用の自動受験システムを開発し、API経由で試験を実施しました。
具体的な手順は以下の通りです。
ステップ1:PDFの自動解析と大問分割
まず、共通テストの「問題PDF」をシステムにアップロードします。 システムはバックグラウンドで全ページを画像化し、同時にテキスト解析を行います。
ここで「どこからどこまでが第1問か」という構造を自動判定し、問題を大問ごとに切り分けます。(*注)

ステップ2:AIへの出題(API実行)
切り分けられた問題画像は、API経由(システム同士をつなぐ専用の通信)で各AIモデル(GPT-5.2 / Gemini 3.0 / Claude 4.5)に送信されます。(チャット画面ではなく、プログラム経由で直接指示を送ることで、ミスのない厳密な検証が可能になります)

また、ここでは、各モデルの能力を最大限引き出すため、以下の設定を行いました。
GPT-5.2 Thinking: 深い推論を行わせるため「バックグラウンドモード」を使用し、タイムアウトを回避して数分間の思考時間を許容。
Claude 4.5 Opus: 「Thinking Mode(思考トークン)」を有効化し、思考プロセスを出力。
Gemini 3.0 Pro: 画像認識精度を高めるため、Thinking Levelを「High」に設定。
ステップ3:回答の構造化
AIが出力した「自由記述の回答(思考プロセス含む)」をそのままでは採点できません。
そこで、別のAIプロセスが回答文を読み取り、「問1は③、問2は④」といった採点可能なマークシート形式に自動変換しました。

このように、「PDF投入」から「マークシート出力」までを完全自動化することで、公平かつ厳密な検証を行っています。
*注について
以下の2点のみ特例措置をとっています。
・英語リスニング: 音声データの直接入力が難しいため、試験センターが公開している「読み上げスクリプト(台本)」をテキストで入力しました。
・国語(縦書き): 縦書きの文章は、まだ多くのAIが読み取りを苦手としています。そのため、事前に外部ツール(NotebookLM)で文字起こししたテキストデータを使用しました。
実験結果
満点科目は、衝撃の9科目でした。
まずは、今回受験させた全科目の得点をご覧ください。(赤字にしているのが満点です)
【全科目得点一覧】

【文系・理系】総合結果まとめ
実際の受験生の選択科目に合わせて文系・理系それぞれの合計点を出しました。

点数: 文系・理系ともに GPT-5.2 Thinking が圧勝。続いて Gemini と Claude が900点台前半で激しく競り合う形となりました。
時間: 一方で時間は、Gemini と Claude が1時間40分前後。試験時間10時間10分の約6分の1という速度で完走しました。対して GPT は5時間30分程かかっており、明暗がくっきり分かれました。
分析:なぜ、AIたちは間違えたのか?
これほど高得点を叩き出したAIたちですが、実は3モデルが共通して間違えた問題が存在しました。
ここを深掘りすることで、現在のAIに残された「意外な弱点」と「モデルごとの個性の違い」が浮き彫りになります。
1. 「文字」は読めるが、「図」が読めない(イラスト問題)
最も多くのモデルが躓いたのが、「テキストは完璧に理解できているのに、図が選べない」という現象です。
象徴的だったのが、英語リスニングの「バスの乗り方」(問18-21)です。 音声スクリプトでは「後ろから乗って、前から降りる」とはっきり指示されており、全てのAIが思考ログでこの手順を完璧に書き起こしていました。
しかし、いざ選択肢の「バスのイラスト(矢印が前後のドアに向いている図)」を選ぶ段になると、全モデルが誤答しました。
AIの思考: 問題の指示は理解した。だが、どの絵が「後ろから乗っている」のか判定できない
教訓: AIにとって、イラストの微妙な矢印の意味や、空間的な奥行きを論理と結びつけるのは、まだ至難の業のようです。
2. AIが読み違えた「割り切れない思い」(国語・小説)
今年の国語(小説)でも、AI特有の興味深いバイアスが見つかりました。
主人公が、理想を捨てて安楽な生活を送る自分を「これでいいんだ」と無理やり正当化しようとする場面。ここで母の死に顔が浮かび、心が揺らぐ……というシーンの心情理解(大問2、問6、解答番号17)です。
正解は「現状への妥協(割り切れない思い)」なのですが、AIたちはこぞって「過去の過ちへの反省」という選択肢を選びました。
なぜ間違えた?
AIは基本的に「間違いは正すべき」「人は反省して成長するもの」という道徳的な学習データを大量に持っています。
そのため、人間特有の「悪いと分かっていても正当化してしまう弱さ」や「割り切れない感情」を読み取れず、「反省しているはずだ」という「一般論の解釈」に逃げてしまったのです。
3. 「色の濃淡」が見えない(地理)
地理や世界史で多発したのが、「地図・グラフの読み取りミス」です。
特に地理(問5)の「色の濃淡(ヒートマップ)」で示された分布図の問題では、全モデルが色の微妙な違いを識別できずに全滅しました。 AIは「文字」を読むのは得意ですが、「色のグラデーション」から数値を読み取るのはまだ苦手のようです。

しかし、Geminiだけは違った
ここで面白かったのが、同じ地理の問3(南米の雨温図と地図)です。 他のAIが「地図上の位置」と「グラフの特徴」を結びつけるのに失敗する中、Geminiだけが唯一、地図上の地形(アンデス山脈)と気候グラフを正しく視覚的にリンクさせ、正解を導き出しました。
AIごとの違い
GPT / Claude: 画像を「文字情報の塊」として処理しようとする傾向があり、純粋なビジュアル情報の読み取りで躓きやすい。
Gemini: 画像を「画像」として直感的に捉える力が強く、地図やグラフの相関関係を見抜くセンスが頭一つ抜けています。
「画像の読み取り」という点では、GoogleのGeminiに一日の長があることが、この難問から垣間見えました。
去年と比較:なぜ「数学IA」と「日本史」は克服されたのか?
弱点がまだある一方で、昨年までAIにとって鬼門だった2科目が、今年は劇的な進化を遂げました。
数学IA:図形を「座標」で理解し始めた
去年のAIは、図形問題がボロボロでした。「図を描く」という概念がなかったからです。 しかし、今年のGPT-5.2 Thinkingは満点を取りました。

勝因は、図形を「絵」としてではなく、「座標データ」として脳内で再構築する能力を手に入れたことです。
「三角形ABC」と言われたら、なんとなくイメージするのではなく、「A(0,0), B(1,2)...」のように数値化して処理する。さらに、思考プロセスによって「計算する前に方針を立てる」手順を踏むことで、ケアレスミスを根絶しました。
日本史:圧倒的な学習量の勝利
日本史の満点は、技術的なブレイクスルーというよりは、「努力(学習量)」の成果と言えます。 昨年までは英語圏のデータが主体で「日本のマニアックな歴史」に疎かったAIですが、この1年で日本語のテキストデータを大量に学習しました。
また、単語の暗記だけでなく、「なぜその政策が行われたのか?」という歴史の因果関係(コンテキスト)を深く理解するようになったため、資料読解問題でも文脈から正解を導き出せるようになったのです。

AIの思考時間
なぜ、GPTだけ「5時間」もかかったのか?
結果の表を見て、疑問に思った方も多いでしょう。
「GeminiとClaudeが1時間半で終わっているのに、なぜGPT-5.2 Thinkingだけ5時間以上もかかっているのか?」
これは、決してGPTの処理能力が低いわけではありません。むしろ逆で、「考えすぎている」のです。
今回のシステムでは、各モデルの「思考モード」をフル活用しました。
GeminiやClaudeが「直感とスピード」を両立させて解き進めるのに対し、GPT-5.2 Thinkingは、1問に対して数分間、人間の思考のように「自問自答」と「検算」を繰り返してから答えを出力します。
システムログを見ると、GPTは簡単な計算問題であっても「方針を立てる」→「計算する」→「別の方法で検算する」→「回答を確定する」というプロセスを経ていることが分かります。
この「圧倒的な慎重さ」こそが、他を寄せ付けない高得点の理由であり、時間がかかった原因でもあるのです。
共通テストから見えた「ビジネス活用」のヒント
さて、ここまでの結果を見て「AIすごかったね」で終わらせてはもったいないです。
今回の実験結果には、企業がAI導入を成功させるための極めて現実的なヒントが隠されています。
LifePromptが考える、実務への活かし方は以下の3点です。
1.速度か精度か。タスクで使い分け。
今回のテストで、GPT-5.2 Proは「高得点だが遅い(熟考型)」、Gemini/Claudeは「爆速でそこそこ高得点(即答型)」という傾向が見えました。これはビジネスでもそのまま適用できます。
財務・法務・数値レポート: 絶対にミスが許されない業務には、時間がかかってもGPT-5.2 Thinking,Proのような高精度モデルを選ぶべきです。
議事録要約・カスタマーサポート・アイデア出し: スピードや処理量が求められる業務には、GeminiやClaudeの方が圧倒的に効率的です。
一つのモデルに固執するのではなく、タスクの特性に合わせてモデルを選ぶのが正解です。
2.「90点」のAIは、優秀な部下。
「AIはたまに間違えるから仕事では使えない」という声を聞くことがありますが、本当にそうでしょうか?
今回の共通テストで9割越えの点数を取ったAIは、見方を変えれば「指示した仕事の90%を数秒で終わらせてくれる部下」です。
残りの10%(ミスや微修正)を人間がレビューして完成させるワークフローさえ組めれば、業務効率は劇的に向上します。
「AIに完結させる」のではなく、「人間が介在する前提」で90点のAIを使い倒すのが賢い運用です。
3.AIはチームで雇う時代へ
今回の実験でも、科目によって得意不得意が分かれました。
これは「万能なAIはまだ存在しない」ことを示唆しています。
計算が得意なAI、文章作成が得意なAI、画像処理が得意なAI。 それぞれ異なる強みを持つモデルを、あたかも「異なるスキルを持った同僚たち」のように組織内に配置し、使い分ける。
これからの強い組織は、複数のモデルを適材適所でコーディネートできる組織になるでしょう。
まとめ
今年の共通テスト検証は、AIが単なる計算機を超え、「人間を凌駕する速度」と「ほぼ満点の精度」を手に入れたことを裏付ける結果となりました。
全科目を通じてミスは数問のみ。もはや「AIに解けない試験はない」と言えるレベルまで到達しています。
しかし、そのわずか数問のミスにこそ、視覚情報の処理や、人間の感情理解といったAIの本質的な課題が隠れていたのも事実です。
さて、私たちの挑戦はここでは終わりません。 実は今年も、「AI vs 東大受験企画」が既に始動しています!
昨年、まさかの「理三合格」という偉業を成し遂げたAIたち。
あれは奇跡だったのか、それとも実力か?
2026年、AIは「2年連続合格」を果たし、その知性が本物であることを証明できるのか。
次回のレポートにも、ぜひご期待ください!
最後に少しだけ宣伝を!
今回の実験のように、LifePromptでは日々登場する最新モデルを検証し、机上の空論ではない、実務で本当に使えるAI活用を探求し続けています。
「生成AIを活用したいが、変化が早すぎて追いつけない」
「自社に最適なシステムを開発したい」
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