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おでかけ:皆春荘・古稀庵ー2人の総理が住んだ小田原の別邸


■基本情報■

皆春荘(かいしゅんそう)
神奈川県小田原市板橋852
入館料:無料
開館時間:11:00〜16:00(入館は15:30まで)
     ※夏季は時間短縮。詳細はホームページで。
休館日:月曜日・火曜日
    ※月・火が祝日の場合、翌平日に休館
駐車場:2台(無料・予約制)/トイレ:あり
公式ホームページ:https://kaishunsou.com/

古稀庵(こきあん)
神奈川県小田原市板橋827
入館料:100円
開館時間:毎週日曜日10:00〜16:00
     ※夏季は時間短縮。詳細はホームページで。
駐車場:なし/トイレ:なし
公式ホームページ:(小田原市観光スポット)https://www.city.odawara.kanagawa.jp/kanko/spot/kokian.html

■小田原の穴場スポット板橋■

小田原の観光スポットといえば、まず第一に小田原城でしょう。
他にも二宮神社、鈴廣かまぼこの里、かまぼこ通り、御幸みゆきの浜、早川漁港、曽我梅林などがあります。

しかし、意外と知られていないのが皆春荘古稀庵
板橋地区の高台の住宅地の中にあります。
下の地図の緑で囲った範囲がかなりの高台になっています。

板橋地区の歴史的建築物。

以前、松永記念館を紹介しました。
皆春荘は駐車場無料ですが、予約制で2台分しかないので、松永記念館の無料駐車場に停めて歩いた方がいいでしょう。
どちらも小田原市の管理なので、松永記念館に駐車して問題ありません。

松永記念館の老欅荘(ろうきょうそう)。夏。

歩く際は、地図に赤線で示した路地を使うと良いでしょう。
地元の人に「たけのこ通り」と呼ばれ、美しい竹が並んでいました。

ところが、この竹が生えている土地を某国の外国人が購入して、すべて伐採してしまい、現在は殺風景な路地となっております。
地元の人たち、怒っています。

■皆春荘の小さな庭園■

皆春荘は第23代内閣総理大臣・清浦奎吾(きようらけいご)の別邸として建築されました。1907年(明治40年)のことですから、もう百年以上前です。

その後、1914年(大正3年)に、第3代、第9代内閣総理大臣・山縣有朋(やまがたありとも)の所有となりました。

皆春荘には山縣有朋のこだわりがつまっています。
たとえば、門の両側にはわざと虫食いだらけの木材を使って、古びれた感じを出しています。

縦に並んだ竹材の上下に虫食いの木材を使用。

また、門をくぐっても玄関以外は見えないような配置になっています。すべてを見せないことによって訪問者の期待値を上げる。
なかなか人間心理を読んだ設計。さすが歴史に名を残す人物です。

皆春荘の門から。階段の上に玄関だけが見える。秋。

玄関と庭園の間あたりが、もっとも紅葉が美しいところです。
ここからは、少しだけ相模湾が見えます。
相模湾に小さく尖ったような岩が見えたら、それは真鶴の三ツ石(みついし)です。

玄関付近の紅葉。竹林も美しい。秋。

階段を上がったら、まずは庭から見るのがいいと思います。
小さなせせらぎは、日曜日にしか水が流れていません
山縣有朋がこのせせらぎのために、わざわざ山縣水道を敷設して水を流すようにしました。つまり湧水ではなく水道です。
現在では市営のため、経費節約で平日は水を流していないのです。
水が流れていなくても、落ち着いた良い庭ですが。

皆春荘の庭。水が流れる日曜日に。秋。
庭の奥の方の、水が出る場所。

■皆春荘の古民家の中へ■

続いて建物へあがりましょう。
玄関にもこだわりが。天井は竹材のさんが木材を支えています。

玄関。さまざまな建築材を観察してみよう。

玄関の正面には「皆春荘」の扁額へんがくが掲げられています。
これは山縣有朋の自筆です。左側に「含雪(がんせつ)」と署名されていますが、これは山縣有朋の文化人としての号です。
庭園を設計したり、短歌を読んだり、風流です。

「皆春荘」の扁額。右下に飾り襖。

山縣有朋は槍の達人でもあり、総理大臣になってからも毎朝槍の稽古を欠かさなかったそうなので、まさに文武両道の人です。人気にんきはありませんでしたが。

公開されているのは、下の図の白線で囲んだ部分のみです。

皆春荘の見取り図。パンフレットを元に作成。

「皆春荘」の扁額の下の飾り襖は角度によって、模様のイチョウが輝いて見えます。金雲母(きんうんも)を塗りこんであるそうです。

飾り襖。白く輝いている部分が金雲母が含まれる部分。

廊下は来客用と家人用に分かれています。
来客用の廊下は畳敷、家人用の廊下は板敷です。

左側が家人用、右側が客人用の廊下。

客人用の廊下を通って座敷へ。主に来客をもてなすための空間です。
庭が見えて心が落ち着きます。
昔は相模湾まで見えたようです。

座敷。庭に面した部分はすべて掃き出し窓。夏。

座敷の端には解説ビデオを流すテレビや資料などが置かれています。
大声での会話や飲食は禁止ですが、座って読書したり、寝転がったりは自由です。でも、ただ座ってボーッと庭を眺めて、心を空にするのが一番しっくり来ます。

続いて離れへ。
一応は8畳ですが、そう感じないくらい狭い空間です。
庭の奥が、額縁の絵のように見えます。脈拍数がおそらく10くらいは下がりました。

離れから見た、庭の奥。水が出ているあたりが見える。秋。

床の間の柱に天然の白樺の木を使ったり、ここにもこだわりが感じられます。

離れの床の間。白樺の天然木の柱。夏。
外側から見た離れ。秋。

中庭には入れませんが、家人用の廊下から見えます。
現在はあまり観光用の手入れはしていない様子。

中庭。水は流れていない。夏。

■坂道を下って古稀庵へ■

皆春荘から古稀庵までは徒歩で5分もかかりません。
古稀庵は日曜日しか開館していません。
さらに夏季は開館時間が短くなります。
受付もなく、係員もいないので入館料の100円を忘れがちです。
料金箱の中に入れましょう。

古稀庵の門。左側に解説板がある。秋。

古稀庵は庭園しか残っていません。
近代的な建物は、管理する会社が建てたもの。山縣有朋が建てたものではないのでご注意を。

庭園はかなり広いです。さらっと一周歩くだけでも15分くらい。
順路は示されています。まずは回廊のようなところを下ります。

回廊付近。秋。

紅葉などもいいのですが、大きく根を張って横に伸びた巨木などもなかなかの迫力。

八方に根を張る巨木。木の種類を確認するのを忘れた。松かな?

紅葉の時期は、木々の葉が本当にバリエーション豊かです。
建物近くの紅葉がもっとも鮮やかだと思われます。

建物近くの紅葉。本当に鮮やか。秋。

順路によって庭園の中心部に導かれます。
滝が流れる音を聞いていると、住宅地の中にいることを忘れてしまいそう。

庭園の中心部。奥の方に滝。
滝。左側に「洗頭」という謎の表示。実際に頭を洗ってはいけない。

こちらは湧水なのかな? どちらにしても日曜日しか入れませんが。
至る所に水が流れています。

飛び石を渡る場所も。

かつては小さな神社もあったようです。
槇ヶ岡神社(まきがおかじんじゃ)。明治天皇を祀っています。
明治天皇の崩御が1912年、山縣有朋が亡くなったのが1922年。
明治天皇崩御からまもなく御祭神として神社を創建したのですね。
明治の元勲の天皇に対する気持ちが偲ばれます。

槇ヶ岡神社の跡。

晴れている秋の日、庭園から空を見上げると、色とりどりの葉が点描の絵画のように見えました。
ああ、もう秋も終わりかあ。

点描のように見える、色とりどりの葉。肉眼の方がずっと良い。秋。

■動画:皆春荘のせせらぎ/古稀庵の滝■


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