音楽エッセイ|カラフルな混沌の開会式|星野源『Mad Hope』
私は、スパイダーソリティアのハードモードをやりながら音楽を聴くのが好きだ。
気をつけないと5時間没頭することもある。
基本クリア出来ないし、しても達成感は無い。
でも、ゲームに集中していると、フラットに音が入ってくる感じがする。
どうやら、マインドフルネスに近い状態になるらしい。
ある日、星野源のアルバム『Gen』を聴きながらスパイダーソリティアをしていたら、この曲が耳に飛び込んできた。
星野源『Mad Hope(feat. Louis Cole, Sam Gendel, Sam Wilkes)』
行進してるような雰囲気が気になって音楽に集中してみたら、脳内でイメージが爆発した!
白に近いグレーの床の大きなスタジアム。
曲に合わせて行進しているのは、赤いジャケットの式典服を着たオリンピック選手。
その周りを華やかにダンサーが踊っている。
カラフルでワクワクする感じだ。
構図は、テレビでオリンピックの開会式を見る時みたいに、基本は斜め上から見下ろす感じ。
時々、ダンサーがアップになる。
0:31でサックスのソロに入ると、キレッキレのストリート系ダンサーたちが自分のダンスをアピールしていく。
エネルギーに溢れて挑戦的な【動】
1:30で音が静かになると、会場は暗くなってスポットライトが当たる。
ソロのコンテンポラリー。
しなやかで優雅だけど情熱的な【静】
ドラムの音で会場はまた明るくなって、華やかな世界に戻る。
今度は色々なジャンルのダンサーたちが自分たちの魅力をアピールして踊る。
バレリーナ、新体操、日本舞踊、名前を知らないジャンルの踊りなどがごちゃ混ぜになってるのに、自由で一体感がある。
鼓笛隊の大きな旗が舞い上がって、会場のボルテージが上がっていく。
行進の先頭の国旗が揺れて、カラフルな紙吹雪も降ってる。
最後は花火でフィニッシュ。
こんなオリンピックの開会式みたいなイメージが、一気に脳内に広がって高揚感と多幸感にワクワクが止まらなくなった。
この日からこの曲にどハマりして聴きまくった。
この曲の何が凄いって、イントロやギターソロまで要らないと言われてしまう時代に、ボーカルが少なく歌詞の内容も不思議だ。
なのにどんどん惹き込まれていく。
サックスとギターが気持ちよく歌ってて、高揚感を残して終わる。
構成とか専門的なことはわからないけど、タイトルどおり『混沌と希望』が表現されてた。
なんて、最高な曲なんだ!!
ここまで書いてハッとした。
私、まだピヤホンを使ってない!!
スマホのスピーカーか、全体的にバランスの良い80点のお散歩用のイヤホンで聴いて満足していた。
普段音楽を深堀りする時は、ピエール中野監修のイヤホン、通常ピヤホンで解像度をあげている。
ピヤホンを使わずにこんなに鮮明なイメージを脳に叩き込んでくるなんて凄い!!
これは私にしか分からない感覚の違いだけど、大袈裟にいえば顕微鏡を使わずに髪の毛のキューティクルを見るくらいの凄さだ。
改めて、ピヤホンを使ってみた。
ドラムが若干上寄りで弾けるから、鼓膜から脳をノックされてるみたい。
更にその少し上でサックスが歌う。
ボーカルより主張が強くて、全てのスポットライトを独り占めする。
サックスからバトンタッチされたギターは、中心から全体に広がって自分色に染めていく。
ドラムの残響と共に1:30の【静】のパート。
ウィスパーボイスが全てを包み込んで、このまま【静】に支配されるかと思いきや、1:41のシンセサイザーが【静】と【動】を繋いだ。
この音の繋がりに気づいた瞬間、ブワッと鳥肌がたった。
この後は、ずっとゾクゾクが止まらない。
そして、星野源のボーカルが戻ってきた時、興奮が最高潮を迎える。
ふたつのボーカルも、ドラムも、サックスも、カラフルな混沌の渦となって鼓膜から身体中を駆け巡って行く。
本当に鳥肌が止まらない!!
難しい事は分からないけど、とにかくこの曲はとんでもなく素晴らしい。
全身がそう言ってる。
オリンピックの開会式というイメージは、この華やかで混沌とした音の世界に圧倒された脳が見せた、歓喜の景色だったのかもしれない。
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🎧✨
