【世の中の61%ぐらい知っている教育の話】OJTとTWI
🖋 コラム:OJTで成果を出す「教え方の技術」
――ミスを防ぎ、人が育つ職場づくりのために
「教えたはずなのに、なぜか覚えていない」「何度も同じミスを繰り返す」――そんな悩みを抱える職場は少なくありません。
実はその原因、教える側の“教え方”にあるかもしれません。
現場教育(OJT)で成果を出すには、単に「やって見せる」だけでは不十分です。
教えることは、技術です。
そしてその技術は、体系的に学び、実践することで、誰でも身につけることができます。
■「教え方が悪かったのかも?」と気づくことが第一歩
「相手が覚えていないのは、自分が教えなかったからだ」
これは、TWI(Training Within Industry)という教育技法の中で語られる、教える人の基本姿勢です。
教える側が「教えたつもり」になっていても、相手が理解していなければ、それは教えたことになりません。
例えば、以下のような教え方は、よくある失敗例です:
いきなり現場で「やってみて」と言うだけ
手順を飛ばして説明する
理由や注意点を伝えない
相手の理解度を確認しない
これでは、ミスが起きるのも当然です。
■「教え方の4段階」でミスを防ぐ
TWIの「Job Instruction(JI)」では、教え方の4段階が体系化されています
習う準備をさせる
相手が安心して学べる環境を整え、何を学ぶのかを明確にする。作業を説明する
手順を一つずつ、見せながら、言葉でも説明する。重要なポイント(急所)も伝える。やらせてみる
相手に実際にやらせて、間違いがあればすぐに修正。説明させることで理解を深める。教えたあとを見る
定期的に確認し、質問しやすい雰囲気をつくる。徐々に指導を減らして自立を促す。
この流れを守ることで、教え漏れや理解不足によるミスを防ぎ、定着率を高めることができます。
■一般的な事例:新人がミスを繰り返す理由
ある製造業の現場で、新人が部品の取り付けを間違えるミスが続いていました。
原因を探ると、教え方に問題があることが判明しました。
作業手順は口頭のみで説明
急所(安全上の注意点)を伝えていない
作業後の確認がない
そこで、TWIの「教え方の4段階」を導入。
作業を分解し、急所を明確にし、実演と説明をセットにした指導を行った結果、ミスは激減し、習得スピードも向上しました。
■「教える仕組み」をつくることが人材育成の鍵
個人のスキルに頼ったOJTでは、属人化やばらつきが起きやすくなります。
そこで重要なのが、教える仕組み=トレーニング体系の整備です。
どの職種に、どんな能力が必要かを明確にする
教える内容を標準化する(作業分解・急所の整理)
教える人を育てる(インストラクター養成)
教えた後のフォロー体制をつくる
このような仕組みがあれば、誰が教えても一定の品質で育成ができるようになります。
■まとめ:教えることは“技術”であり、“仕組み”である
OJTは、単なる「現場で教えること」ではありません。
それは、人を育てるための戦略的な活動です。
教え方には技術がある
ミスの原因は教え方にあることが多い
教える仕組みが職場の力を底上げする
「教え方を変えるだけで、職場が変わる」
そんな実感を得られるのが、TWIの教え方です。
(おわり)
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