夫の責任って、本当に生命保険なのか?
「◯◯君、生命保険にはちゃんと入ってる?」と先輩医師から聞かれた。
その先輩によると、生命保険に入ることは、「医師と結婚した妻に対する、夫としての責任」なのだという。
生命保険の代わりに貯金する
私は、生命保険には入っていない。私が死んでも妻や子どもに1円も保険金が払われることはない。
ただ、貯金はある。妻と息子の2人だけなら、切り詰めれば4,5年くらいは働かなくても生活していけそうなお金を貯めてきた。
生命保険の経費が不透明
生命保険会社の社員の給料、保険紹介サービスの社員の給料、それらの会社の広告料や雑費。それらにいくらかかっているのだろうか?それを負担しているのは結局、保険料を払っている加入者だが、それらの経費を負担してでも生命保険に入るほうがよい、とは私には思えなかった。
妻が夫に依存しないのが一番の「安心」
それよりも、何かあった時のためのお金を貯めつつ、妻や息子には、自分の力で生活を維持できる能力を持ってもらうことが、最も不安の少ない生き方なのではないかと思う。妻を経済的に夫に依存させることは、夫が自身の存在価値を確保するためには有効な方法だ。しかし妻が困らないようにするのが目的なら、妻から経済力を奪わないほうが良いのではないかと私は考えている。
保険金2000万円の将来の価値
また別の問題もある。死亡保険金が2000万円の契約を結んだとしたら、その保険金が支払われる未来の時点で、2000万円の価値はインフレで低下している。もしインフレが進み、2000万円が端金(はしたがね)になってしまったとしても、保険会社が支払う金額は2000万円のまま変わらない。つまり、生命保険には「インフレによる実質価値の目減り」という構造的なリスクも存在する。
「俺が担当してもらってる保険会社の人、優秀だから紹介してあげようか」
そういう先輩医師に、私は「えー…、妻と話し合ってみますね」とだけ返答して、その場を去った。
