育休パパ #10|それでも育休を取ってよかった。迷っていた自分に、今ならこう言う。

もし、育休を取るかどうか迷っていた頃の自分に、今の自分が声をかけられるとしたら、たぶんこんなふうに言う。


「大丈夫。取ってよかったよ」と。


正直に言えば、育休を取ったからといって、

毎日が穏やかで、心に余裕があって、人生が一気に好転した、なんてことはなかった。


むしろ、思っていたより大変だったし、思い通りにいかないことの方がずっと多かった。


上の子の赤ちゃん返り。

うまくいかない寝かしつけ。

自分の時間なんて、ほとんどない毎日。


「これでよかったのかな」と思う瞬間は、正直、何度もあった。


それでも今、「取らなければよかった」とは、一度も思っていない。


育休を通して得たものは、目に見える成果じゃない。


家事が完璧にできるようになったわけでも、育児のプロになったわけでもない。


ただ、子どもを見る目が、確実に変わった。自分の子どもだけでなく、毎日向き合っているクラスの児童に対しても。


できるのにやらない姿。

やろうとして途中で止まる姿。

甘えと自立を行ったり来たりする姿。


それを、「怠けている」「甘えている」で切り捨てるのではなく、「今はその途中なんだ」と思えるようになった。


この感覚は、育休を取らなければ、たぶん持てなかったと思う。


仕事に戻った今も、毎日は相変わらず忙しい。


時間に追われて、余裕をなくして、つい強い言葉をかけてしまう日もある。


それでも、育休中に見たあの時間が、自分の中で一度ブレーキをかけてくれる。


「今、何を優先する?」

「この子は、何に困っている?」


そう立ち止まれるようになったことは、自分にとって大きな変化だった。


育休は、特別な決断じゃなかったと思っている。


家族が増えて、生活が変わって、向き合うべきものが変わった。


ただ、それだけのことだった。


同僚に迷惑をかけるかもしれない。

仕事が回らなくなるかもしれない。

評価に影響するかもしれない。


不安になるのは、当たり前だと思う。


でも、不安があるから取らない、のではなく、不安がある中でどう選ぶか。


育休は、その問いと向き合う時間だった。


もし今、育休を取るかどうか迷っている人がいるなら、無理に背中を押すつもりはない。


取らない選択にも、その人なりの理由があっていい。


ただ一つ言えるのは、育休を取った自分は、取らなかった自分よりも、

少しだけ世界が広がったということ。


家庭を見る目も、

仕事を見る目も、

子どもを見る目も。


この連載は、そんな自分の記録でした。


完璧じゃないし、答えも出ていない。


でも、迷いながら考え続けている今の自分は、悪くないと思っています。


この先も、家庭と仕事の間で、きっと揺れ続けると思う。


それでも、あの育休の時間が、自分の軸になっていることは、もう疑っていない。


ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。


この先、もう少し踏み込んだ話も、どこかでちゃんと書きたいと思っています。

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