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デジタル画面より、紙をめくる小さな贅沢

実は私、孫たちのためにオリジナル絵本を作っています。

……と言うと聞こえはいいのですが、もちろんド素人。
出版社で出版、なんて大それたことは考えていません。

デジタルでデータを残して、必要な分だけ紙の本にする。
そんなささやかな計画です。

最初は「孫のため」と思っていたのに、気づけばこれはもう完全に自己満足。
手編みのセーターやキルトをプレゼントするのと、同じような感覚です。

むしろ、作っている時間そのものが一番楽しいのかもしれません。

……とはいえ、その前に。
まずは最近の絵本事情を知ろうと、図書館や大型書店をぐるぐる回る日々。

結果どうなったかというと——

実力の差に軽く打ちのめされ、
気づけば感動した絵本を買いあさる始末。

完全に、ミイラ取りがミイラになりました。

でもそのおかげで、ひとつ発見がありました。
素敵な絵本って、大人が読んでもちゃんと心があたたかくなるんですね。


表情で遊ぶ、という贅沢

赤ちゃんは、とにかく「顔」が大好きです。
とくに表情の変化。

子どもたちも、そして孫たちも、絵本デビューは
松谷みよ子さんの『いない いない ばあ』でした。

「いない いない〜」とためて、ページをめくって「ばあ」。

まだ1歳になる前だったでしょうか。
機嫌がいいと、声をあげて笑う。

絵本を通して、大人と子どもが一緒に笑う。
あの瞬間は、何度経験してもいいものです。

思い出の詰まったボロボロの絵本

やがて自分でページをめくるようになります。
当然、うまくいかずに破れます。

気づけばあちこちセロテープだらけ。
最後はボロボロ。

でも、捨てられないんですよね。

思い出が、びっしり貼りついているから。

お気に入りだった「いない ない ばあ」

「まずい顔」が大好きな3歳

今、3歳になったばかりの孫は
柴田ケイコさんの『パンどろぼう』に夢中です。

なかでもお気に入りは、あの「まずい」の顔。

鏡の前で同じ表情をしてみたりして、
それを見ているこちらが、また笑ってしまう。

そんな時間が、たまらなく愛おしいのです。

デジタルとどう付き合うか

もちろん今の子どもたちは、
動画やアプリからあふれる情報を、スポンジのように吸収しています。

タブレット操作もお手のもの。
タップもスワイプも、親の真似であっという間に覚えてしまう。

子どもは親の真似をする

料理中など、ちょっと目を離せないときには本当に助かります。

ただ一方で、「デジタル中毒」を心配する声もあります。

でも思い返せば、私の子ども時代にも似たような話がありました。
その対象は——マンガ。

「想像力がなくなる」と大人に言われ、こっそり隠れて読んでいたものです。

結局のところ、昔も今も同じ。
何事も、ほどほどがちょうどいいのかもしれません。

時間を決めて、距離に気をつけて。
それくらいでいいのでは、と思っています。

ちなみに、孫たちが我が家に来るとき、キッズ用タブレットは持ってこないようです。

記憶に残るのは、紙の手触り

手作りの絵本を始めてから、
ふと昔の記憶がよみがえりました。

いわさきちひろの挿絵の『おやゆびひめ』。
フェルト人形で作られた挿絵の『こびとのくつや』。

何十年も前なのに、不思議なほど鮮明です。

紙のページを指でめくる感触。
次のページが開く、あの小さなワクワク。

それは、画面をスワイプするときの感触とは
やっぱり少し違います。

音が出なくてもいい。
むしろそのほうがいい。

親子で言葉を交わしながら読む時間が、そこにあるから。

小さな子どもがいると、
思い通りの生活なんて、まず無理です。

部屋が散らかっていてもいい。
洗濯物が途中でもいい。

ほんの数分でいいから、
絵本を一緒に開いてみる。

その時間が、少しだけ心にゆとりをつくってくれるかもしれません。

ページをめくる、その小さな動作の中に。

身体を寄せて過ごす絵本タイム

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