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ripe_tern7383
真才は静かに時代を動かす ~呻吟語~
現代語訳
天下と後世に関わる大事を考えるとき、最もしてはならないのは軽率であることだ。
深く思索し、遠い未来まで見通さなければならない。
世間一般の人々の見識というものは、多くの場合、世の中で広く共有されている常識に過ぎない。
それは目先のことに囚われ、浅く狭い。
その次にいるのは、物事の半分ほどまでは見抜ける人。
さらにその次には、豪傑や経験豊かな人物のように、大まかな本質を掴める者がいる。
さらに上には、卓越した識見を持ち、時代を超えて独自の見解を得る人物がいる。
そして最高なのは、周到に構想を巡らせ、配置し、実行しても、その時代には騒がれずとも、後世になっても誰にも覆すことのできない事業を成し遂げる者である。
ここまで到達して、はじめて『精妙』であり、『完全』なのであって、これ以上付け加えるものはない。
これを『大智』といい、『真の才能』というのである。
もし、たまたま思いついた考えや、人から聞きかじった意見に乗じて、自分だけが優れていると思い込み、腕まくりをして天下国家を論じ立てるような者がいれば、それは老成した人物が深く哀れみ、思慮深い人物が恐れるところである。
原文
謀天下後世事、最不可草草。
当深思遠慮。
衆人之識、天下所同也。
浅味而狃於目前。
其次衆人看得一半者。
其次豪傑之士与練達之人得其大槩者。
其次精識之人有曠世独得之見者。
其次経綸描置、当時不動声色、後世不能変易者。
至此則精矣、尽矣無以復加矣。
此之謂大智、此之謂真才。
若偶得之見、借聴之順、翹能自喜、而攘臂直言天下事、此老成者之所哀、而深沈者之所懼也。
