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戦争と原発と前頭葉

まご「なあ、おばあちゃん」

祖母「ん?」

まご「なんで戦争はなくならんの?」

祖母「うん」

まご「よその国でも歴史は勉強しよんじゃろう?」

祖母「しょうるじゃろうな」

まご「原爆のこと、知らんの?」

祖母「国によって教え方が違うじゃろうし、教えん国もあるじゃろうな」

まご「なんで教えんの?」

祖母「そりゃあその国の都合が悪いからじゃろう」

まご「まあ、都合が悪い国もあらあな」

祖母「そりゃあ色々ある。政策として教えんかったり、それよりも教えんといけんことがいっぱいあったら、教える時間がねえじゃろ」

まご「ふ~ん・・・。でも、知ってほしいわー。あんな悲惨なこと、
二度と起こしたらいけんが、地球上で。この次起こしたら、地球が破滅で。一つの国とか、ある地域だけの問題ちゃうで。
なんでそがーなことがわからんのじゃろう?いじやけるわ」

祖母「勉強ができても肝心な事がわからんバカがぎょうさんおるんじゃ」

まご「確かになあ・・・。
なあ、ばあちゃん。人間は進化して人間になったが。
進化の過程で前頭葉が発達したが。
ほんで人間として発達・発展する中で神様とか倫理とか生み出してきたんじゃと思うんよ。
宗教によっては怒る人もおるけど、私はダーウィン説じゃけえな。
人間同士がより幸せに生き延びるために生み出してきたと思うのに、なんで争いは無くならんのかなあ。宗教のために戦争したりもするが。
なんで人間のそういうところは進化せんのかなあ?」

祖母「あはは、そりゃあ、ゆら、そこが進化するのを待っとる間に
人間は滅びとらあや。考えてみい、恐竜時代に神も仏も無かったろうが。
そこから考えただけでも何億年かかっとんな。
人間の歴史なんぞ大した期間じゃなかろうが。
変わってねえのは弱肉強食だけじゃ」

まご「えー、弱肉強食いうて・・・人間には前頭葉が」

祖母「いやいや。人間は権力やお金や名誉や、そがーなものを奪ったり
守ったりするために争ようんじゃ。おんなじじゃ」

まご「うー・・・ん。
でも、人間には、せっかく前頭葉が発達した動物として乗り越えてほしいわあ」

祖母「ゆらは人に期待しいじゃけえな」

まご「期待しい?」

祖母「善人説の人いうか。ゆらは人を疑うところから入っていかん」

まご「ああ、そうじゃなあ」

祖母「おばあちゃんはそこが好きじゃけど、でもなかなか、世の中そういう人ばあじゃあ無えけえな。ゆらの期待にそえる人間ばあじゃねえんよ」

まご「うん・・・自分でも子供っぽいとはわかっとるんじゃけど、
つい信じて期待してしまうんよ・・・。
ええ歳して恥ずかしいんじゃけどな」


まご「なあ、ばあちゃん。うちな、子供の頃から、どうして大人は戦争を
やめれんのかな?武器を捨てれんのかな?ってよう考ようたんよ。
世界中のみんなで『もうやめましょう。みんなで武器を捨てましょう。
いっせーのーせっ!』で捨てればいいのにって。
ちょっと大きくなったら『ああ、捨てる言うて嘘つく人がおるけえ、
信じられんけえできんのじゃな』ってわかったけど。
ほんで段々国際政治学がどうとか駆け引きがどうとか言うが。
でも結局、物事を難しくしたりこじらせたりしとんのは人間じゃろ?
しかも大人。しかも大体男。違う?」

祖母「あははは。ほうじゃの」

まご「じゃけえ、うちはマイケル・ジャクソンの『もっと子供の声に耳を傾けよう』っていうメッセージに『イエス』やねん。
一番シンプルで大切なことを子供は言ようる」

祖母「ん」

まご「うち、子供の頃、子供は実は哲学者よなって。大人が考えとるより、ずっと色んなことに気づいとるし、考ようるのになーって思うとったけど、高校の時友達に子供時代の話したら『小学生でそんなこと一回も考えたこと無かった』ってビックリされたわ。みんな私より全然頭いーのに、そんなもんやねんな。私は子供ってみんな考えてるもんやって思ってたから、私の方こそびっくりしたわ!」

祖母「おばあちゃんもびっくりしたわ。ゆら、そがんこと考ようたんかな」

まご「そうじゃ。なんで食糧難の国がようならんのかなー、こうしたらええんじゃねーかなーとか、なんで差別が無くならんのかなーとか、
小さい頃からよう考ようたで」

祖母「さすがわしの孫じゃな。賢けえ。笑」

まご「ほうじゃろ?笑 でもまあ、大人といわれる人には『子供っぽい』
って笑われようる、裏でな。
ほんでも思うんよ。私が言うことは確かに理想ばっかりじゃけど、
そういう人間もおらんと、みんなどこが目標か忘れてしまうがって」

祖母「ほー」

まご「くじけそうになるけどな。みんな話は聞いてくれるけど、
同意はしてくれんもん。
困ったように苦笑いしたり、途中で話をはぐらかしたり。
時々胸がへちゃげる」

祖母「ええ、ええ。負けとけ」

まご「負けとってもええ?」

祖母「負けるが勝ちよ。負けときゃあええ」

まご「なあ、おばあちゃん」

祖母「ん?」

まご「アメリカの人に、いや・・・世界の人にかな。
広島の人が、多分長崎の人もじゃけど、アメリカを恨んでねえいうことを
みんなに知ってもらいたいわ」

祖母「ほんまじゃな。未だに周知されとらんもんな」

まご「そうなんよ。うちは笠岡じゃけえよう原爆の日のイベントの放送を
みょうたし、はだしのゲンもよう読みょうたし。
まあ、日本でも温度差があるかも知れんのんじゃけど。
広島の人らがよう言うが。『アメリカを恨んでねえ。戦争がいけんのじゃ』って言うてはるが。
この言葉をアメリカ中の人によう知ってもらって、その上で安心して資料館を見に来て欲しいんじゃ。
誰が見ても辛いで。でもな、二度と原爆を使わん!いう声を増やすためには必要なことやろ?
もちろん、アメリカ以外の、世界各国の人が言うてくれたらええんよ。
でも原爆使った国と使われた国が言うたら、インパクトが違うじゃろ」

祖母「ん」

まご「よその国の人らでな、色んな戦争に参加した人のインタビューを
みょうてもな、まあ、戦争自体を正当化する人もせん人も、そこはまちまちにおるわ。
でもほとんどの人は『でも戦争はしてはいけない』いうて
口を揃えて言うで!戦争は人を変えるって。」

祖母「そうじゃ。人殺しじゃもんな、戦争は。おえん。おえりゃあせん。
殺しとうのうても『殺せ』いうて命令されて、銃を持たされて。
ほんで殺さんかったら自分が相手から殺されるか、上官からリンチ
じゃしな。
戦争中は敵も味方も、みんながどうかしていくんよ。狂っていく。
人間じゃなくなっていくんよ。
人殺し、強姦、強盗、暴力、何でもかんでも。
自分らが生き延びるために何でもやる。どの国も。
協定なんぞあっても実際はありゃあせん。
ほんまに、もう二度と戦争はしちゃあいけん」

まご「うちも見とうない。どの国の戦争も。まして原爆も。
最近『また落としてやる』言うバカが出たらしいわ」

祖母「おおあんごうじゃのう」

まご「おおあんごうじゃ」

祖母「誰なあ、そりゃあ。日本人か?」

まご「それがアメリカ人のユーチューバーらしいわ」

祖母「ユー?・・・なんなあ、そりゃあ?料理の名前かな?」

まご「ああ、いや。そういう仕事の人なんじゃけど。えっと・・・」

祖母「説明はええ。どの国じゃろうが何の仕事をしとろうが、
ええ学校を出とろうが、立派な肩書を持っとろうが、
あんごうはあんごうじゃ!」

まご「ほうじゃな。おばあちゃんは正しい。
さすが私のおばあちゃんじゃ!」

祖母「ほうじゃろうて。あはは。ほんなら、ゆら、また」

まご「うん、また」

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