焦った女、声を殺す。
マッチングアプリで出会った年下の沖縄男子。彼の部屋は構造上、声を殺さなければならなかった。叱られながら進む昼下がりと、予想外の浴室。年下のマッチングアプリ体験談。
待ち合わせ場所に彼がやってきた。
少し不安げで、幼さを感じる表情だ。
それはチャットのやりとりにも表れていた。
私は彼を可愛らしいそう思った。
沖縄出身の彼はBEGINを思わせる、
どこかクラシカルな顔立ちだ。
そしてどこかスパイシーな体臭だった。
彼のことは指揮者と呼ぼう。
彼は歩いてやってきた。
近いのかと思ったら、徒歩13分だった。
遠くはないが、微妙な距離だ。
お互い初対面でトーク力に自信のない場合は、
待ち合わせ場所は
慎重に選んだ方がいいのかもしれない。
ぽつぽつと話し途切れていく会話。
気まずさが肩に乗ってくる。
時間は主観で長さが変動する。
そのことを改めて思う時間だった。
彼の家に着いた。独特な甘い匂いのする部屋だ。
今日は週末の昼下がり、ご近所の方々がゆっくり休まれているそうだ。この建物は構造上響きやすく、クラシックのコンサートの観客のように声を殺さなければならない。
困った。私は非常に声が出やすいたちだ。
何とか我慢しながら進んでいく。
気を抜くと声が漏れてしまう。
そうすると指揮者は私に注意をする。
叱られながら行為を進めるという
なんとも珍妙な光景だ。
そうして少しずつ進んでいく。
彼はジーパンを脱いだ。
それは顔に似合わず大きく長さもあった。
私は観客よろしく、目の前の出来事に心動いても静かにしないといけない。厳粛な雰囲気だ。
口で奉仕する。奥までは無理だが、
やりがいのある大きさだ。一方でする意味があるのかというぐらいにもう仕上がった固さでもある。
この行為を嫌がる男性は少ない。
なんとなく私もやっておくと安心する。
予想通りの展開。私の中に入ってくるのがスムーズにいかないのだ。
むしろ私の内壁が押し返しているようにも感じる。
彼はいささか強引に進んできた。
思わず私は手で口を押さえる。なんとか入った。
彼は満足げだった。
何かささやいているがよく聞こえない。
私はとりあえず微笑んでおいた。
指揮者の動きが速くなる。
声を押さえていても制御できない音はある。
少しの呼吸音と、
軋みが部屋の中で鳴り響いていた。
男性の言う「いっぱい出た」は、平時を知らない女性側にはピンとこないものだが、指揮者の言うそれは確かに納得せざるを得ないものだ。
そのゴム製の袋から溢れそうだった。
あまり間を置かず二回目がやってきた。
「次はすぐいかないから。」との宣言通りだった。
いろいろな体位を試していく。
指揮者は覆いかぶさる形が好きらしい。
テクニックというよりかは、
若さゆえのエネルギッシュさを感じる動きだ。
反対に私はどんどん冷静になっていく。
声を出さないという制約のせいで、
自分を解放できないのかもしれない。
あと一歩快感に飲み込まれない
そんな状態が続いていた。
その様子は彼に私の余裕を感じさせたらしく、
私は大人の女性に見えたそうだ。
指揮者は夜から予定があるらしい。
その前にひと眠りしたいようだった。
出会いの緊張と二回のエネルギー消費の脱力感で眠気にあらがえなかったのだ。もう私は帰ろうかと思ったのだが、私を抱き枕にしたいらしい。
彼は瞬く間に、眠りに落ちていった。
特にやることがない私は、頭は動かさずに部屋を見渡す。視界には見慣れない商品名の段ボール達がいた。大半がお菓子のようだった、
どんな味がするのだろう。
こんなところにも沖縄情緒を感じる。
彼が持ってきたのか、親の愛か…
そんなことを考えていたら、
結構時間が経っていたらしい。
目覚ましが鳴る。
鳴るとともに指揮者が起きる。
この家に適応した人間の動きだった。
私たちは一緒にシャワーを浴びた。いつもの浴室が私がいることで、非日常になってしまったようだ。指揮者のそれはまた立ち上がり始めたのだ。
速やかに終わらせるため、
私に見られながら自分の手で処理をしている。
「あー、かけていい?」と聞かれた。
私は了承した。
もうあまり出ないだろうし、
すぐに流せる場所だからだ。
それは軽い衝撃だった。予想外のアンコールだ。
三回目とはとても思えない。
やはり飛び出すような勢いはない。
しかし、締め忘れた蛇口のように
だらだらと流れ私の太ももを汚していく。
私は彼を侮っていた。
帰り道、送ってくれた指揮者は最初に会った時より、
随分と晴れやかな顔をしていた。
お姉さまと交流したかった彼の願望は
一応叶ったとみていいのだろうか。
少し大人になった表情の彼を見て、
私たちは別れた。
彼の急速な成長に、私は焦った。
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▼ 焦った女、マッチングアプリを貪る。— はじめに
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