グミグミしている

いつも返り血を浴びたのかというような服を着ている女友達に連れられて、照明も内容も暗すぎる舞台を観させられた僕は、その観劇終わりに、「なにこれ? 出来れば僕は、ハッピーな気持ちにしかなりたくないんだけど」と女友達に文句を言った訳だけど、客席の照明が明るくなった瞬間、僕は女友達が腹部を包丁で刺して自殺していることに気付いた。
なので僕は、「なんだよ」と不満な顔をし、
女友達をそこに置き去りにして、どっかに行った。

どっかに着いたら、飼い主から「犬」と呼ばれている名も無き犬を無理やり愛でさせられて、
「どうだ? 可愛いだろ」とその飼い主から満面の笑みで聞かれる訳だけど、そんなことを聞かれても、そんな感情が一ミリも湧いていない僕は、どう答えればいいのか分からなかった。
なので飼い主は、「なんだよ」と不満な顔をして、「アーーー!」と僕に奇声を浴びせてきた。

ああ、なんだよ。耳に悪い。
犬もおののいてるぞ。
ヤバイなぁ、ヤバイ人だ。
だからそう僕は、グミグミしている。


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