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呼吸不全はSpO₂だけで判断しない|ABG(動脈血ガス)で酸素化と換気を見分ける

呼吸不全・SpO₂・ABG(動脈血ガス)・PaO₂・PaCO₂。国試で差がつくのは、「酸素が足りない(酸素化不全)」のか「二酸化炭素が溜まっている(換気不全)」のかを、根拠つきで言えるかどうかです。
正解は“知識の量”より、判断の軸を持てるかで決まります。今日はそこを作ります。

(しんどい時期に、呼吸の分野って地味に刺さるんよね。でも、ここが分かると一気に解きやすくなるよ)


試験キーワード

定義

呼吸不全:体が必要とするガス交換(酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する)がうまくいかず、身体に支障が出る状態。
国試では基本的に、

  • 酸素化(O₂が入る)=PaO₂やSpO₂

  • 換気(CO₂が出る)=PaCO₂
    の2軸で判断します。

関連語

SpO₂(経皮的酸素飽和度)、ABG(動脈血ガス)、PaO₂(動脈血酸素分圧)、PaCO₂(動脈血二酸化炭素分圧)、pH、呼吸性アシドーシス(CO₂が溜まり酸性に傾く)、酸素療法、COPD(慢性閉塞性肺疾患)

混同しやすい言葉

  • SpO₂とPaO₂:どっちも酸素っぽいけど別物

  • 呼吸数が多い=換気できている:浅い速い呼吸だと、むしろ換気不全になり得る

  • 酸素投与=全部OK:酸素化は助けるが、換気不全(CO₂貯留)の評価は別で必要

※数値の“正常範囲”は教科書・施設で差があります。不確かな場合もあるため、ここでは国試でよく使われる一般的なイメージで説明します。


得点直結の要点

要点①:まず「酸素化」と「換気」を分けるだけで解きやすくなる

呼吸の問題は、最初の1手が大事です。
「今、困ってるのはO₂?CO₂?」と自分に聞いてください。

  • 酸素化(O₂)を見る:SpO₂、PaO₂、チアノーゼ、呼吸困難

  • 換気(CO₂)を見る:PaCO₂、眠気・傾眠、頭痛、意識低下、呼吸の浅さ

この分け方ができると、国試の選択肢が“急にシンプル”になります。


要点②:SpO₂は便利だけど「換気」は見えない(ここが引っかけ)

SpO₂はざっくり言うと、血液がどれだけ酸素を持っているかの目安
でも、CO₂を出せているか(換気)は別問題です。

たとえば、SpO₂がそこそこでも、

  • 呼吸が浅い

  • 眠そうで反応が鈍い

  • PaCO₂が高い
    なら、換気不全を疑います。

国試はここを狙ってきます。「SpO₂がいいから安心」を切らせる問題が出ます。


要点③:ABG(動脈血ガス)は“3点セット”だけ拾えば戦える

ABGは全部を完璧に読むより、まずこれでOK。

  1. PaO₂:低い → 酸素化不全

  2. PaCO₂:高い → 換気不全(CO₂貯留)

  3. pH:酸性寄り → CO₂が溜まって呼吸性アシドーシスを疑いやすい

これだけで、国試の多くは「どっちの不全か」「何を優先するか」に繋がります。


要点④:国試で覚える“呼吸不全の型”はざっくり2つで十分

  • Ⅰ型(低酸素型):酸素化がダメ(PaO₂低下が中心)

  • Ⅱ型(高二酸化炭素型):換気がダメ(PaCO₂上昇が中心)

細かい定義や数値は教科書で差がありますが、国試ではたいてい「PaO₂とPaCO₂、どっちが崩れてる?」で判断させます。


要点⑤:看護の優先はABC(気道→呼吸→循環)でブレない

迷ったらABCで“安全側”に寄せてOK。

  • A(気道):痰で詰まりそう?舌根沈下?まず気道確保・吸引の要否

  • B(呼吸):呼吸数、努力呼吸、SpO₂、チアノーゼ、意識

  • C(循環):脈、血圧、冷汗、末梢冷感

看護として選ばれやすいのは、体位調整(上体挙上)/酸素投与の準備・開始/観察強化と報告など「今すぐ安全に直結する」行動です。


国試での出題のされ方

パターン①:SpO₂と呼吸状態から「優先する観察・対応」を選ぶ

「SpO₂が○%」「呼吸数○回」「会話できない」→ まず何する?何を見る?

パターン②:ABG(PaO₂/PaCO₂/pH)で「酸素化不全か換気不全か」を見分ける

ABGが出たらチャンス。どっちが崩れてるかで選択肢が切れます。

パターン③:COPDなど背景あり+酸素療法で「評価しながら調整」を選ばせる

「酸素は必要。でも過量投与に配慮して評価・調整」みたいな思考を問われやすいです。
※緊急時に酸素を“ためらう”選択肢は基本選びにくい(国試の作りとして)。


よくある勘違い

  1. 「SpO₂が正常なら安心」
    → 安心材料ではあるけど、換気(CO₂)までは分からない。眠気・呼吸の浅さ・PaCO₂も見る。

  2. 「呼吸数が多い=換気できてる」
    → 浅い速い呼吸だと、実は換気が足りないことがある。呼吸数だけでなく“深さ”と“努力呼吸”をセットで。

  3. 「COPDに酸素は禁忌」
    → そんな単純ではありません。一般的に、必要な酸素は入れつつ、状態を評価して調整する考え方が安全です(ここは断定しすぎ注意)。


直前期の覚え方

問題文から“根拠ワードを1つ拾う”練習をしてみてください。

  • 「チアノーゼ」「SpO₂低下」→ 酸素化(O₂)の問題

  • 「眠い」「ぼーっとする」「反応が鈍い」→ 換気(CO₂)の問題

  • 「浅い速い呼吸」「会話できない」→ 呼吸仕事量増大=危険サイン

根拠ワードが拾えたら、選択肢は“自然に”減ります。


臨床でどう役立つ?

この考え方が身につくと、「なんか息苦しそう」を酸素化か換気かに分けて言語化できます。早めに報告・介入につながり、患者さんの安全に直結します。国試のためだけじゃなく、現場で守れる力になります。


予想問題

A) 〇×問題

① 問い:

SpO₂が正常範囲であれば、換気(CO₂排出)も十分であると判断できる。
答え:×
解説: SpO₂は主に酸素化の指標で、PaCO₂(換気)を直接示しません。SpO₂が保たれていても換気不全が進む可能性はあります。
ひっかけ: 「数値が良い=全部OK」と思い込ませる。

② 問い:

PaCO₂が高い場合、換気不全によりCO₂が体内に貯留している可能性を考える。
答え:〇
解説: 一般的にPaCO₂上昇は換気不全の代表的所見です。眠気や意識低下などの所見と合わせて判断します。
ひっかけ: 呼吸数だけ見て安心してしまう。

③ 問い:

呼吸不全の評価では、呼吸数だけでなく呼吸の深さ(努力呼吸)と意識レベルの観察が重要である。
答え:〇
解説: 浅い呼吸は換気不全につながり得ます。意識の変化は低酸素やCO₂貯留のサインになりやすいです。
ひっかけ: SpO₂だけに視点が偏る。


B) 選択肢形式

第1問

問題: 換気不全(CO₂貯留)を最も強く疑う根拠として適切なのはどれか。
選択肢:
A. SpO₂ 96%
B. PaCO₂の上昇
C. 皮膚乾燥
D. 体温36.6℃
正答:B
解説:

  • B(正答の根拠): PaCO₂上昇は換気不全の代表的サイン。

  • A:SpO₂は酸素化の目安で換気は分かりにくい。

  • C:脱水など別の問題の可能性で、換気不全の根拠としては弱い。

  • D:呼吸不全の直接根拠になりにくい。
    ひっかけ: 「SpO₂が良い=呼吸はOK」に誘導。

第2問

問題: SpO₂が“そこそこ”の患者で、呼吸状態悪化を疑うとき優先して確認したいのはどれか。
選択肢:
A. 便の性状
B. 意識レベル(眠気・反応)
C. 視力
D. 味覚
正答:B
解説:

  • B(正答の根拠): 低酸素やCO₂貯留は意識変化として出ることがあり、急変サインになりやすい。

  • A/C/D:呼吸状態悪化の評価として優先度が低い。
    ひっかけ: “全身を見る”を広げすぎて、急変の核心(意識・呼吸)を落とす。


C) 状況設定

状況:
70歳男性。肺炎で入院中。夕方から息苦しさが増強。呼吸数28回/分で浅く速い。会話は途切れがち。SpO₂ 92%(室内気)。冷汗あり。看護師が訪室した。

問い: 最優先の対応として適切なのはどれか。
正答: 上体挙上などで体位を整え、呼吸状態を評価しながら酸素投与を準備・開始し、速やかに報告する。
解説:
この場面は“今すぐ呼吸が苦しい”が主問題。SpO₂が92%でも、呼吸数増加・会話困難・冷汗は危険サインです。
優先順位は、

  1. 体位調整(上体挙上)で呼吸を楽にする

  2. 酸素化の補助(酸素投与)を開始/準備

  3. 呼吸数・努力呼吸・意識・チアノーゼなどを再評価

  4. 医師へ迅速に報告し指示を受ける
    が安全です。
    ひっかけ: 「SpO₂が90台だから様子見」を選ばせにくる。数値+症状(会話困難・冷汗・浅い速い呼吸)を根拠に動く。


30秒復習

  • 呼吸は「酸素化(SpO₂/PaO₂)」と「換気(PaCO₂)」を分ける

  • SpO₂が良くても換気不全(CO₂貯留)はあり得る

  • ABGはまずPaO₂・PaCO₂・pHの3点で判断

  • 迷ったらABC(気道→呼吸→循環)で優先順位

  • 根拠ワード(眠い/浅い/会話困難)を拾うと解ける


呼吸って、数字も用語も多くて、途中で嫌になりやすい分野です。でも今日の「酸素化と換気を分ける」だけで、あなたは確実に一段上がりました。しんどいのは当たり前。ここから先は、理解があなたを助けます。夢に向かって、一緒に進もう。


ここまで読んだあなた、えらい。ほんまに。
呼吸の問題って、頑張って読んでも「結局どれ選べばいいん?」って心が折れやすい。でも大丈夫。あなたが折れやすいのは、弱いからじゃなくて、ちゃんと向き合ってるからです。

コメント欄は、勉強の場所でもあるけど、同時に息継ぎの場所でもあります。
「SpO₂とPaO₂の違いがまだモヤる」みたいな疑問はもちろん、
不安、愚痴、しんどさ、焦り、泣きたさ、やる気が出ない日…そういう“気持ち”も、ここに置いていっていい。
あなたが今感じてることは、あなただけのものじゃないから。

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これからも国試を“得点できる理解”に変える記事を出していくので、フォローもぜひ。
そして、もしベテラン看護師さんや教員・指導者の方が見ていたら、補足コメントも大歓迎です。一緒に、受験生の味方になりたい。

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