呼吸が深くなると、なぜ頭がすっきりするのか|アーユルヴェーダが教えるヴァータと脳の仕組み
【はじめに】
画面を長時間見ていると、考えがまとまらない。目の奥がずーんと重くなる。なんとなく息が浅い気がする。
そんなとき、ふと深く息を吐いて、少し間をあけてみると、なんか少しだけ頭が軽くなったことはありませんか?
なぜ呼吸ひとつで、頭がすっきりするのか。アーユルヴェーダにはその理由を説明する考え方があります。
【ヴァータは脳と呼吸の両方を動かしている】
アーユルヴェーダでは、体の働きをいくつかのエネルギーで説明します。その中のひとつ「ヴァータ(風のエネルギー)」は、体の中の「動き」すべてを担っています。神経を流れる情報、筋肉の収縮、そして呼吸の動き。これらはすべてヴァータが司っています。
重要なのは、脳の働きも呼吸もどちらもヴァータに属しているということです。情報を処理する「考える動き」と、肺が広がり縮む「呼吸の動き」は、同じエネルギーのうえに成り立っている。だからこそ、呼吸が変わると脳の状態も変わるのです。
【ヴァータが乱れると、目の奥から重くなる】
長時間デジタル画面を見続けると、ヴァータは過剰になり乱れていきます。次々と入ってくる情報、動かない体、まばたきが減った目。こういった状態がヴァータの「滞り」を生み出します。
私自身も、画面を長時間見続けると目の奥がずーんと重くなる感覚がよくあります。そういうとき、眉頭のあたりを押してみると、じわっと痛いのに押した後は少し楽になる。あの感覚はヴァータの滞りに外から刺激を与え、止まっていた流れが少し動き出したからです。「痛いけど気持ちいい」には、ちゃんと理由があります。体が自分でほぐそうとしているサインでもあります。
【深呼吸がヴァータを整える理由】
ヴァータが乱れたとき、体は自然と深い呼吸をしようとします。これは体がヴァータをリセットしようとしている反応です。
呼吸はヴァータに直接働きかけられる、数少ない手段のひとつ。ゆっくり深く息を吸って吐くと、乱れていたヴァータが整い、神経系が落ち着いていきます。頭がすっきりするのは、ヴァータが静まることで脳の「動き」も整ってくるからです。
目を閉じると目の奥の重さがじわっと抜けていく感覚があるのも、光の刺激が遮断されてヴァータへの負荷がゼロになるためです。深呼吸と目を閉じることを合わせると、さらにヴァータが落ち着きやすくなります。
【オイルマッサージでさらに深くリセットする】
呼吸と休息でヴァータを整えることはできますが、積み重なった滞りには「オイル」が有効です。オイルにはヴァータの性質(乾燥・軽さ・速さ)と真逆の「潤い・重さ・ゆっくり」の性質があり、頭部に浸透させながらマッサージすることで、滞りを深いところからほぐしていきます。
眉頭を指で押しても楽になるのなら、オイルを使ってやさしくほぐしたときの変化はさらに深いはずです。
【おわりに】
深呼吸したら頭が楽になった、目を閉じたら重さが少し抜けた。それはヴァータが少し整ったサインです。
体の自然な反応に気づいて、もう少し丁寧にケアしてあげる。そのきっかけが、この記事になればうれしいです。
ぼーっとしたら、まず深く息を吐いて、少し間をあける。それだけでいいんです。脳も体も、自分で整えようとする力を持っています。
※この記事はアーユルヴェーダの考え方をもとにした一般的な情報提供を目的としています。医療行為や診断・治療に代わるものではありません。症状が続く場合や気になることがある場合は、医療機関への受診をお勧めします。
