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久保不在、板倉も不透明。それでも日本は戦える ブラジル戦の前に今こそ読みたい一冊

日本代表の次の相手は、ブラジル。

一度負ければ終わるラウンド32。

世界最多5度の優勝を誇るサッカー王国と、ワールドカップの舞台で激突する。

これ以上ないカードだ。

だが、日本は万全ではない。

久保建英は膝の問題で出場できない。

遠藤航は負傷によって大会を離れ、代表引退を表明した。

三笘薫と南野拓実も、この大会にはいない。

さらに板倉滉はスウェーデン戦で前半のうちに交代しており、ブラジル戦へ向けた状態は不透明だ。

名前を並べるだけで、胸がざわつく。

よりによってブラジル戦で、このメンバーがいないのか。

そう思うのは当然だ。

それでも、日本はグループステージを無敗で突破した。

オランダに2度追いつき、2-2。

チュニジアには4-0。

スウェーデンとは1-1で引き分け、2位でノックアウトステージへ進んだ。

主力が欠けても、日本は崩れなかった。

むしろ、この状況だからこそ見えてきたものがある。

森保ジャパンの本当の強さだ。

そして、その強さを読み解くために、今こそ手に取ってほしい本がある。

『サッカー日本代表はなぜ強いのか』

この本が扱っているのは、スター選手の能力だけではない。

森保ジャパンの設計図。

26人の役割。

3バックと可変システム。

ボールを奪ったあとのトランジション。

誰かが欠けても戦い方を組み替えられる、日本代表の総合力だ。

大会前に書いた一冊が、いま現実のピッチで答え合わせを始めている。


第1章 主力不在が本の価値を高めた

久保がいる。

三笘がいる。

遠藤がいる。

その状態で日本代表の強さを語れば、説明は簡単だ。

世界で活躍する選手が増えたから、日本は強くなった。

確かに、それも間違いではない。

だが、それだけなら主力が欠けた瞬間に、チームは機能しなくなる。

実際の日本は違った。

久保を欠いたチュニジア戦で4得点。

遠藤がいない中盤でも、オランダやスウェーデンと渡り合った。

誰か一人の天才が、すべてを解決したわけではない。

複数の選手が役割を分け合い、チームの機能を保った。

本書で繰り返し書いたのが、「総合力で勝つ」という考え方だ。

その言葉が、これほどはっきりと見える大会になるとは思わなかった。

主力が欠けているから弱い。

そう決めつけるのは簡単だ。

だが、欠けた場所をどのように埋めるのか。

そこに、チームの本当の強さが出る。


第2章 久保の代わりは一人ではない

久保建英が出場できない影響は大きい。

狭い場所で前を向く。

相手を引きつける。

ドリブルで一人を外す。

最後のパスを通す。

久保は、一つのプレーで守備の配置を動かせる選手だ。

同じことをできる選手を探しても、簡単には見つからない。

だから日本は、久保の代役を一人に求めない。

鎌田大地が相手の中盤と最終ラインの間でボールを受ける。

堂安律が右サイドから中央へ入り、攻撃のスイッチを入れる。

伊東純也が外側を走り、守備を横へ広げる。

上田綺世が前線でボールを収める。

前田大然が相手の背後へ飛び出す。

一人で久保になるのではない。

五人で、久保不在の攻撃をつくる。

これが森保ジャパンの考え方だ。

個人の能力をそのままコピーするのではなく、役割を分けてチーム全体で補う。

ブラジル戦では、誰が久保の代わりになるかではなく、誰と誰が組み合わさって前進するかを見てほしい。

そこに、日本の設計図が現れる。


第3章 遠藤不在の中盤をどう回すか

これまで日本の中盤を語るとき、最初に名前が出るのは遠藤航だった。

相手の攻撃を止める。

こぼれ球を拾う。

味方が前へ出た後ろを埋める。

苦しい時間に、守備の基準点になる。

だが、その遠藤はもうピッチにいない。

日本は中盤の形をつくり直さなければならなかった。

中心になるのは、佐野海舟と田中碧だ。

佐野がボールを奪う。

田中が前へ運ぶ。

鎌田が相手の守備の間で受ける。

役割を分散させることで、遠藤一人へ集まっていた仕事をチームで引き受ける。

特にブラジル戦で重要になるのが、ボールを奪う場所だ。

自陣のゴール前で奪っても、相手ゴールまでは遠い。

だが、中盤で奪えれば、ブラジルの守備が整う前に攻められる。

この攻守の切り替えを、トランジションという。

日本の勝ち筋は、長い時間ボールを持つことだけではない。

奪った瞬間の数秒で、相手の背後へ出ることにある。

佐野がどこでボールを奪うのか。

田中が最初のパスをどこへ出すのか。

その瞬間を見れば、日本のカウンターがなぜ速いのかが分かる。


第4章 板倉が万全でなくても守れるか

守備では、板倉滉の状態が気になる。

スウェーデン戦では先発したものの、前半39分に交代した。

板倉の強みは、相手との一対一だけではない。

最終ラインを上げ下げする。

後方からパスを入れる。

味方へ声をかけ、守備の位置をそろえる。

日本の守備と攻撃の両方を支える選手だ。

だからこそ、出場できるかどうかは大きい。

ただ、ここでも問われるのは一人の穴を誰か一人が埋めるのかではない。

富安健洋。

伊藤洋輝。

瀬古歩夢。

谷口彰悟。

菅原由勢。

誰をどこに置き、3バックと4バックをどう使い分けるのか。

森保監督の組み合わせが鍵になる。

3バックは中央に守備者を3人置き、ゴール前を固めやすい。

4バックは横幅を守りやすく、サイドの選手へ対応しやすい。

ブラジルにはヴィニシウスのスピードがある。

中央だけを固めても、サイドから突破される。

外側へ寄りすぎれば、今度は中央が空く。

誰が出るか以上に、どの距離で守るか。

最終ラインと中盤が離れず、中央のスペースを消せるか。

そこを見れば、日本の守備が機能しているか分かる。


第5章 ブラジルの怖さは個人技だけではない

ブラジルと聞けば、華麗なドリブルや美しいパスを思い浮かべる。

もちろん、個人能力は世界最高クラスだ。

ヴィニシウスはスピードに乗れば、一人で守備を崩せる。

マテウス・クーニャは中央でボールを収め、ゴール前へ入る。

ネイマールもピッチへ戻ってきた。

だが、現在のブラジルの怖さは攻撃だけではない。

前線の選手が相手の最終ラインへ圧力をかける。

パスコースを消す。

ミスが出た瞬間、一気にゴールへ向かう。

19歳のラヤンも、スコットランド戦では前線守備から先制点を生み出した。

日本が後方から丁寧につなごうとすれば、ブラジルはその最初のパスを狙ってくる。

少しのコントロールミス。

横パスのずれ。

判断の遅れ。

その一つが失点につながる。

だから日本は、つなぐだけではいけない。

危険なら前線へ長いボールを送る。

上田に当てる。

前田を走らせる。

相手のプレスを一度飛び越える。

きれいにつなぐことより、ゴールへ近づくこと。

ブラジル戦では、その割り切りも必要になる。


第6章 守っている時間にも狙いはある

ブラジル戦では、日本が長く押し込まれる時間もあるだろう。

ボールを持たれる。

サイドへ振られる。

ゴール前まで下げられる。

その時間だけを見て、「日本は何もできていない」と思わないでほしい。

守備ブロックを組み、中央を閉じている。

相手を外側へ誘導している。

クロスを入れさせても、ゴール前で跳ね返す準備をしている。

そして、奪った瞬間に前へ走る選手がいる。

守ることは、耐えるだけではない。

次の攻撃を始める準備でもある。

日本がどこへブラジルを追い込んでいるのか。

佐野や田中が、どこで奪おうとしているのか。

堂安や前田が、いつ前へ走り始めるのか。

そこまで見えると、守備の時間にも熱が宿る。

ボールを持っていない日本にも、狙いはある。



第7章 前田大然の一歩が勝負を変える

スウェーデン戦で、日本のゴールを決めたのは前田大然だった。

堂安が上田とのワンツーで中央へ入り、斜めのパスを送る。

前田が守備の背後へ抜け、冷静に流し込んだ。

この得点に、日本のブラジル戦での勝ち筋が詰まっている。

前田は足が速い。

だが、本当の武器は走るタイミングだ。

相手がボールを見る。

最終ラインが少し前へ出る。

その瞬間に背後へ飛び出す。

ブラジルも攻撃するときは、多くの選手が前へ出る。

その後ろには、必ずスペースが生まれる。

日本がボールを奪った瞬間、前田がそこへ走れるか。

堂安や鎌田が迷わずパスを出せるか。

ブラジルを90分間押し込む必要はない。

一度のボール奪取。

一本の縦パス。

一回の抜け出し。

その一撃で、試合を動かせばいい。



第8章 日本はブラジルに勝ったことがある

2025年10月。

日本はブラジルに3-2で勝利した。

前半を0-2で折り返しながら、後半に3得点。

日本がブラジルを倒した、歴史的な一戦だった。

もちろん、親善試合とワールドカップのノックアウトステージは違う。

緊張感も違う。

相手の集中力も違う。

一度負ければ終わる試合では、ブラジルも簡単には隙を見せない。

だから、過去に勝ったから今回も勝てるとは言えない。

それでも、意味はある。

日本はブラジルを前に、最初から白旗を上げるチームではない。

失点しても戻せる。

相手のミスを得点へ変えられる。

最後まで戦えば、勝利へ届く可能性がある。

森保監督が語った通り、日本はもう押しつぶされるだけの相手ではない。

ブラジルを尊敬する。

だが、恐れすぎない。

その距離感が大切だ。



第9章 この大会が本の答え合わせになった

『サッカー日本代表はなぜ強いのか』は、選手名鑑ではない。

久保がいるから強い。

三笘がいるから強い。

遠藤がいるから強い。

それだけを説明する本ではない。

26人をどのように組み合わせるのか。

誰かが欠けたとき、戦い方をどう変えるのか。

3バックと4バックをどう使うのか。

守備ブロックをどこにつくるのか。

奪ったあと、どこへボールを運ぶのか。

森保ジャパンの設計図を、初心者でも試合中に追える形で整理した観戦ガイドだ。

そして今、その設計図が最も厳しい形で試されている。

久保はいない。

遠藤もいない。

三笘もいない。

板倉も万全か分からない。

それでも、日本は無敗でグループステージを突破した。

本書の中心にある「個ではなく総合力」という考え方を、選手たちが現実の大会で証明している。

だから、この本は大会前よりも今のほうが面白い。

書かれている戦術を、目の前のブラジル戦で確認できるからだ。



第10章 今こそ読んでほしい

ブラジル戦は、結果だけを追っても面白い。

ヴィニシウスを止められるのか。

日本は先制できるのか。

鈴木彩艶がビッグセーブを見せるのか。

それだけでも、十分に熱くなれる。

だが、日本が何を狙っているのか分かれば、この試合はもっと面白くなる。

なぜ3バックなのか。

なぜ前田が走るのか。

なぜ佐野がその位置にいるのか。

なぜ鎌田がボールを受けに下がったのか。

なぜ、守っているのに日本は慌てていないのか。

一つひとつのプレーに意味が見えてくる。

ブラジル戦は、森保ジャパンの設計図が世界最高峰を相手に通用するのかを試す90分だ。

主力がそろっている日本ではない。

欠けた状態でも戦える日本が、王国へ挑む。

これほど、本書のテーマに合う試合はない。

『サッカー日本代表はなぜ強いのか』

森保ジャパン26人の役割。

戦術の仕組み。

ベスト8へ進むための勝ち筋。

日本代表の歴史が動くかもしれない今だからこそ、読んでほしい一冊です。

▼本書はこちら
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観るだけのサッカーから、理解して語れるサッカーへ。

キックオフの前に、日本の「強さの設計図」をのぞいてみてください。

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