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幼稚園の切ない思い出

私の通っていた幼稚園は、地元の神社のお祭りの時に年長さんがお稚児さんの格好で参加していました。
お化粧と衣装の着付けが大変なので、保護者の付き添いが出来る子が対象です。

私の母は看護師で夜勤も有り、付き添いが難しいのはわかってました。
でも5歳児ですから、参加希望を先生に聞かれた時に手を挙げてしまえば何とかなると思ったんです。

帰宅して母に告げると
「夜勤明けだから無理だよ。断りの連絡するね」で終わりました。

保護者に確認せずに園児に手を挙げさせて
『家庭の事情でダメになるのは可哀そうだ』
と幼稚園側も対応の不味さを感じた様子でした。

お祭り当日は全員が提灯を持って行列に参加します。
お化粧して衣装を着ている子を見ると、心がチクッとしたのは確かだけど
お祭りの雰囲気でその気持ちも薄まり、笑顔で行列に参加しました。

あっという間に行列が終わり、一人一人に紙袋に入ったお菓子が手渡されます。
最後尾にいた私に先生が
「○○ちゃん、今日頑張ったからこれね」
とわざわざ言って渡してくれました。
その時は『さほど頑張ったつもりはないし、皆と同じ事しただけなのにな』
と違和感。

同じクラスの子と一緒に帰宅し、私のうちで袋を開けると
駄菓子がいくつか入っていました。

それから2~3日経った幼稚園で、気の強い女の子にいきなり
「○○ちゃんは先生にえこひいきされてる!」と言われたんです。
訳も分からず
「そんな事はないと」
ただ否定するだけで精一杯。
「△△ちゃん(お祭りの日に一緒に帰った子)が○○ちゃんの袋にだけ
 かっぱえびせんが入ってたって言ってた。私のにも入ってなかった」
△△ちゃんは私の家では袋を開けていませんでした。
帰宅して1個足りない事に気づいて、別の子はどうか確認したんだと思います。
事実なので何も言えなくなりました。
気の強い子も言って満足したのか、それ以降は何もなかったのが不幸中の幸いというか・・・

聞いた瞬間に「今日頑張ったからこれね」の謎が解けました。
お稚児さんの格好したかったのに、駄々こねずに大人しく我慢したから
ご褒美にかっぱえびせんをおまけしてくれたんです。

他の子と一緒に開けるの想像して欲しかったな。
それか、母親に真意を伝えておくとか。
かっぱえびせんではなく、先生の直接の言葉で気持ちを伝えてくれたら
嬉しかったのにな。

この話、親にも言わないままです。
大人になってからも棘が残ってて、友達に話した事はあります。
彼女は頷きながら真剣に聞いてくれました。
話した後に
「凄いね!幼稚園児なのに点と点を繋いで真相に気づいて、先生の気持ちも
 推し量れるなんて!」
と予想外の反応。想定外でしたが、
『褒められた!私って子供の頃の方が賢かった?』
と思ったりして、友達の反応で気持ちが軽くなりました。
ちゃんと聞いてもらえるっていいですね。





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