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【CoCシナリオ公開】1時間で回せる短編タイマンシナリオ『あるいは神の書き殴った公式設定資料集』【TRPG】

おはようございます、早坂いのるです。
今回は、**「推し活×メタフィクション」**。二人の関係性が「公式設定」として固定されそうになる恐怖(?)を描きます。


『あるいは神の書き殴った公式設定資料集』

「待って、勝手に決めないで! 僕(私)が君を好きな理由は、そんな一行の『バックストーリー』で説明できるような薄っぺらいものじゃないんだ。……ねぇ、神様の書いた『正解』なんて、二人で破り捨てちゃおうよ。」

■シナリオ概要

  • システム: 新クトゥルフ神話TRPG(第7版)

  • 形式: KPCとのタイマン

  • 推定時間: 1時間〜1.5時間

  • 推奨技能: 〈目星〉〈図書館〉〈心理学〉〈芸術または製作(PCの趣味、または思い出の品)〉

  • 舞台: クローズド(無数の「キャラ設定」が浮遊する、真っ赤な展示室)

  • テーマ: キャラクター解釈、公式と二次創作、メタフィクション

■あらすじ

目が覚めると、そこは巨大な「設定資料」が壁一面に貼り出された奇妙なギャラリーだった。 そこには、君たちがこれまでのセッションで交わした言葉や、心に秘めた想いが、第三者の手による「公式解説」として無機質に分析・固定されている。 さらに、KPCの頭上には「この後、PCを裏切って絶望させる」という、書き換え不能な「今後の展開(プロット)」が印字されていた。 ここは**「ニャルラトホテプ」**が、お気に入りの玩具(探索者)たちを型にはめて楽しむための編集室。 君たちは自分たちの「解釈(こころ)」を守り抜き、押し付けられたプロットを破壊して、自由な白紙へと逃げ出さなければならない。

■ハンドアウト(HO)

  • PC:『納得いかない主人公』 君は、自分の感情が「設定」で決められることを拒絶している。他人の書いたテキストを物理的に「黒塗り」にする力がある。

  • KPC:『固定されるヒロイン/相棒』 君は、強力な「公式設定」に縛られ始めている。設定に従うほど身体が硬直し、自分の意志で動けなくなっていく。


■五章構成:解釈抗争・メタバトル

第一章:図録の中の二人

ギャラリーの展示物を見る。そこには、二人が出会った時の心情が「実はこの時、PCはKPCを利用するつもりだった」など、身に覚えのない「真実」として展示されている。

  • 判定: 〈心理学〉。自分の記憶と「展示された設定」の乖離に、自己の境界線が揺らぐ(SAN 1/1D4)。

  • RP: 「こんなの嘘だ!」と叫ぶKPCの瞳が、少しずつ感情のない「ガラス玉」に変わっていく。

第二章:キャラシ・リライト

周囲の壁に、君たちの「キャラクターシート」が巨大なポスターとして貼られている。そこへ「神の赤ペン」が入り、勝手にバックストーリーが書き換えられていく。

  • アクション: 〈芸術/製作〉あるいは〈図書館〉。赤ペンを奪い取るか、あるいは自分の血(POW)をインクにして、本来の想いを上書きする。

  • 結果: 成功すればKPCの硬直が解ける。失敗すれば、KPCの口から「台本通りの愛の告白」あるいは「台本通りの決別」が自動再生される。

第三章:脚注(フットノート)の反逆

展示室の隅に、ボツになった「没プロット案」が捨てられているのを見つける。そこには、二人がもっと幸せになれたはずの「あり得たかもしれない未来」が記されている。

  • 判定: 〈目星〉。没案の中から、今の窮地を脱する「便利な設定(ご都合主義)」を一つだけ現実のものとして取り出す。

第四章:解釈違いのダイスロール

出口の扉を塞ぐのは、巨大な「完」のスタンプ。それが押されれば、二人の関係は「公式」として確定し、二度と変化できなくなる。

  • ギミック: PCは「幸運」を20削ることで、ダイスの出目に関わらず「クリティカル(最高の解釈)」を発生させることができる。

  • ロールプレイ: 「僕たちの関係を、他人に定義されてたまるか!」と、スタンプを突き破る決意を語る。

第五章:決断・未完のサイン

出口の扉は、自分たちの「一番大切な思い出」を、設定資料集から物理的に引きちぎって「栞」にすることで開く。

  • クライマックス: 1D100ロール。PCとKPCがこれまでに積み上げてきた「思い出の数」だけ成功率が上昇する。真っ赤なギャラリーを燃やし尽くし、二人は「未完」のまま現実へ駆け出す。


■結末:分岐する3つのエンディング

  • Happy End:『解釈は自由だ!』 (設定資料を焼き捨てて生還。現実に戻ると、二人の手元には「自分たちで書いた」新しい交換日記が。世界が何を言おうと、二人の物語は二人のものだ。)

  • Normal End:『二次創作の余白』 (生還するが、時々KPCの言動が「設定」に引っ張られ、不自然にカッコよくなったり可愛くなったりする。違和感を笑い飛ばしながら、新しい日々を始める。)

  • Bad End:『公式アーカイブ入り』 (脱出失敗。二人は美しい装丁の「設定資料集」の中に閉じ込められる。次に誰かがその本を開いたとき、そこには「完璧に管理された二人の悲劇」が、永久不変の美しさで描かれている。)


■ストーリーに関するあとがき

今回は「オタク心」をくすぐるメタフィクションをテーマにしました。「公式設定」という抗えない力に、PLの「解釈」という名の意志で立ち向かう、エモーショナルで熱いシナリオです。SNSでも「公式と解釈違いを起こした」というパワーワードで盛り上がりやすく、カジュアルかつドラマチックに遊べます。

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