【CoCシナリオ公開】1時間で回せる短編タイマンシナリオ『神の誤タップしたフォルダ』【TRPG】
おはようございます、早坂いのるです。
今回のテーマは、誰もが恐れる**「推しとの写真が消えるバグ」**です。
『神の誤タップしたフォルダ』
「ちょ、ちょっと待って! 君がこれまで積み上げてきたその物語(ログ)さえ、僕(私)にとってはただの容量を食う『キャッシュ』なんだ。……たとえこの一枚が、誰のクラウドにもバックアップされてない、ただのピンボケ写真だったとしても。」
■シナリオ概要
システム: 新クトゥルフ神話TRPG(第7版)
形式: KPCとのタイマン
推定時間: 1時間程度(サクッと遊べる)
推奨技能: 〈目星〉〈図書館〉〈コンピューター〉〈芸術または製作(PCの趣味、あるいは自撮り)〉
舞台: クローズド(文字化けしたアプリのアイコンが浮遊する、青白いデジタル空間)
テーマ: 現代の記憶、ストレージ不足、デジタル・メタフィクション
■あらすじ
KPCとカフェで自撮りをしていたはずが、突然画面に「深刻なエラー」の文字。気がつくと二人は、巨大な回路図が走る「スマホの内部ストレージ」に吸い込まれていた。KPCの姿は低解像度のポリゴン(カクカク)になり、喋る言葉は「あばばばば」と文字化けしている。ここは**「ヨグ=ソトース」**がうっかり指先を滑らせて削除(デリート)しかけた、ゴミ箱の一歩手前。二人は自分たちの「画質(解像度)」を取り戻し、完全消去(フォーマット)される前に現実へログインしなければならない!
■ハンドアウト(HO)
PC:『管理者権限』 君はこの世界の「バグ」を力技で修正するコマンド入力権を持っている。
KPC:『破損データ』 君は現在、絶賛「読み込みエラー」中。放っておくと全身がモザイクになり、最終的には背景(壁紙)に溶けてしまう。
■五章構成:爆速リカバリー・ログアウト
第一章:404:心が見つかりません
一面の青い空(ブルースクリーン)。KPCは自分のカクカクになった腕を見つめ、「僕(私)たち、最初から誰かの指先一つで、消去(消)される運命だったんだね」と、ノイズ混じりの電子音で呟く。
描写: KPCに触れると、指先から「0」と「1」の羅列が零れ落ち、彼の「表情」がテクスチャ化けして一瞬だけ般若の面やクリーチャーの顔に変わる。
判定: 〈目星〉あるいは〈コンピューター〉。自分たちの存在が、たった数メガバイトの「使い捨てデータ」に過ぎないと気づく(SAN 0/1)。
第二章:キャラシの断片(キャッシュ)
周囲に散らばる「一時ファイル(技能やバックストーリー)」を拾い集める。
アクション: 〈図書館〉あるいは〈コンピューター〉。文字化けした「大切な人の名前」や「得意技能」を拾い出し、自分のプロフィールの空欄に強引にコピペする。
結果: 成功すればKPCの画質が上がり、イケメン/美少女に戻る。失敗すれば、PCのバックストーリーが一つ「重複ファイル」として自動削除され、物理的にその記憶が「真っ黒な画像」に置き換わる。
第三章:脚注(フットノート)の利用規約
空間の端に、二人の物語を批評する「運営(神)」のアップデートログが見える。そこには「このキャラクターは古くなったので、次回の更新で削除します」という無慈悲な一文が。
ロールプレイ: 運営(神)への「異議申し立て(お問い合わせ)」を行う。自分たちがただのデータではなく、血の通った(?)探索者であることを叫ぶ。
判定: 〈精神分析〉あるいは〈任意の交渉技能〉。
第四章:確率のアップデート
出口の扉を塞ぐのは、空から降り注ぐ巨大な「更新(アップデート)バー」。それが100%になると、世界は強制的に書き換えられ、二人は「別人」に更新されてしまう!
ギミック: PCは「最大正気度」を3削ることで、その一瞬だけ世界の「通信速度(ラグ)」を発生させ、バーの進行を遅らせることができる。
判定: 更新が完了する前に出口へ駆け込む〈DEX〉あるいは〈幸運〉。
第五章:決断・最後のバックアップ
出口となる「クラウドへのアップロード」。脱出するには、PCのキャラシにある「最も高い技能」か「最も大切なバックストーリー」の一つを、通信容量を確保するための「圧縮(代償)」として永久に捨てなければならない。
真相: 重すぎるデータ(想い)を一部捨てなければ、この狭い回線を通って現実へ戻ることはできない。
クライマックス: 1D100の最終ロール。画面が白く光る中、二人はどんな「最後の一枚(スクショ)」を心に刻むのか。
■結末:分岐する3つのエンディング
Happy End:『同期完了:新しい日々』 (自分の一部を代償に生還。現実に戻った二人のスマホには、あの日撮った「最高の一枚」が保存されている。たとえデータが一部欠けても、二人の絆は上書きされない。)
Normal End:『低速回線の日常』 (生還するが、時折KPCの動きがフリーズ(処理落ち)するようになる。少しだけラグのある会話を楽しめる、不思議な日常がそこにある。)
Bad End:『データの破損:復元不可』 (脱出失敗。二人は完全に「ゴミ箱」へとドラッグされる。次に誰かがスマホを再起動したとき、そこには「空き容量が増えました」という冷たい通知が出るだけである。)
■ストーリーに関するあとがき
今回は「現代的なバグ」をテーマにした、フランクなメタホラーを目指しました。重い決別よりも、「推しの顔がモザイクになる!」という焦燥感を楽しみつつ、最後にはしっかりエモい決断を迫る構成です。SNSでも「KPCがバグったw」とネタにしやすく、1時間でワイワイ遊ぶのに最適です。
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