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無機質なビジネス街に隠れた「シビレ」の衝撃。小伝馬町の片隅で味わう『二杯目のビール。』

小伝馬町。
発音しようとすると、どうにも口がもたもたする町、kodemmacho。どうやら私は、この手の発音が苦手のようです。

​かつては江戸の物流を担う心臓部であり、吉田松陰らが収監された牢屋敷があった歴史の地。日本最大の繊維問屋街としての顔も持つそうです。しかし、日本史の知識を驚くほど持ち合わせていない私にとっては、この街にこれといった強い輪郭はなく、ただビルが立ち並ぶビジネス街、という印象しかありません。

​そんな無機質な街を歩いていると、ふと窓越しに煌めくビールタンクの列が目に飛び込んできました。訪れた時間のせいもあるのか、中は少し薄暗く、正直ちょっと入りにくい雰囲気です。

『2杯目のビール。』が入る
COMMISSARYというオフィス街のフードコート
奥にビールタンクが見えます

それでもビールへの探求心には抗えず、思い切って入り口を抜けると、そこはビアパブというより開放的なフードコートでした。

​あとで知ったのですが、ここはカフェやドーナツ、ピザなどの店舗が並ぶ「COMMISSARY」というオシャレな複合施設。ブルワリーは、その一番奥の一角にあります。カウンターの下には「2HAI ME NO BEER」の文字。

『2杯目のビール。』です。

​店名の由来は、「一杯目で喉を潤したあと、二杯目以降もずっと美味しい、ちょっと違う面白いビールを飲んでもらいたい」という素敵なコンセプトからきているそうです。マスターは常連さんと楽しそうにお話し中で声をかける隙がなかったので、ネットで調べた情報ですが。

​カウンターのメニューでひと際目を引いたのが、こちらでした。

🍺 山椒エール
[Japanese Pepper & Yuzu citrus]
​ABV : 5.0% / IBU : 15
​山椒の突き抜ける香りと「シビレ」が特徴。
ほんのり柚子を感じる爽快なビール。
(お店の紹介文より)

さっそくマグサイズをオーダー。出てきたのは、涼やかなクリアカラーが美しい一杯です。見ているだけでいい気分になりますが、グラスを傾けてさらに驚きました。

​エールの爽やかさを山椒が切り裂き、舌の上で心地よい「シビレ」が踊ります。それは和の山椒というより、むしろ四川料理の「麻(マー)」。花椒に近いヒリヒリとした本格的な刺激。ビールでここまでシビレを感じさせることができるのかと、なんとも不思議な余韻を残します。

​面白い。

​刺激と感激が同時にやってくる、まさに看板に偽りなしの「ちょっと違う」一杯でした。

​ちなみに、私の相棒であるポテトサラダは残念ながらメニューにありませんでした。フードは軽いおつまみ系が中心で、しっかり食べたい場合はフードコート内の他のお店で調達するスタイルのようです。ポテサラがないのは少し惜しいけれど、この突き抜けたビールだけでも充分に満たされます。

​雨が降り出しそうな夕暮れ時。
今回はこのシビれる一杯だけで退散することにしました。しかし、メニューにはほかにも気になるオリジナルビールがずらり。

​……これは間違いなく、また来ちゃいますね。


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