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「すごいね」って言われるのが、うれしかった

炊き立てのご飯の湯気が、ふわっと立ち上る。

その向こうで、祖母が笑っている。

「たくさん食べてね」
そう言って、お茶碗を差し出してくれた。

────

煮物や煮魚、おひたし、酢の物。

祖母のご飯は、私にとって“特別”だった。

畑で採れた野菜は新鮮で、毎日食卓に並んだ。
豪華ではないけれど、幸せな味がした。

ビワ、金柑、柿。
季節の果物も並んだ。


祖母はとても料理が上手だった。
「たくさん食べてね」
そう言って、炊き立てのご飯を
差し出してくれる。

お茶碗は、私のお気に入り。
子供用のピンクの私専用。
お箸も子供用の赤い箸だ。

祖母は、倉庫の奥から私のためにその食器を出して、用意してくれた。

「これは、あなたのお母さんが
小さい時に使ってたんだよ」

「えっ?おかあさんの?」

そのお茶碗とお箸は、私の一番の宝物になった。
いつもお母さんと一緒にいる気がした。

――

食卓には、納豆がよく登場した。

「うわぁ、納豆だぁ。くさーい」

私は、思わず鼻をつまむ。
祖母は、笑って言った。
「体にいいんだよ」

「みのりさん、見てごらん。ほら」
祖父は私の前で納豆を一口ぱくりと食べる。

「じいちゃんは、これを食べたら
たくさん畑仕事ができるんだよ」

「じいちゃんみたいになれるかなぁ」

私は、なんでもできる祖父に憧れていた。
「なれるよ、じいちゃんよりすごい
みのりさんになると思うぞ」

祖父にそう言われて、私は息を止めた。

一生懸命食べた。

「わぁ、すごいすごい。
みのりさんは、すごい子だなぁ」
2人は手を叩いて喜んだ。

頭をなでられるやさしい手。
私の心の中はいつも、柔らかかった。

──────────
🫧この形の私

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