取り込まれなかった洗濯物 🔥3
その違和感は、とても小さかった。
でも、見過ごせなかった。
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義祖母は、几帳面な人だった。
背筋が伸びていて、家事もきっちりこなす。
タオルはまるでアイロンをかけたかのように
ぴっちりと積み上げられていた。
それはまるで白いタワーのようで、
古く薄いものでも、完璧に四角く整っていた。
「このくらいたためないと、嫁に行けないよ」
それが義祖母の口癖だった。
私たちや母がたたむ洗濯物は、義祖母から見てさぞかし滑稽に、汚く映ったのだろう。
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義祖母は、よく言えば裏表のない人だった。
思ったことをそのまま口にする。
口は悪かったが、根に持つタイプではなかった。
男勝りな性格で、話も面白かった。
菓子パンを買ってきてくれたり、
私たちが好きなご飯を作ってくれたりもした。
だから私は疑いもなく、義祖母に可愛がられていると思っていた。
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ある日、義祖母が家族の洗濯物をたたんでいた。 「雑で汚い」
ぶつぶつ呟きながら、母がたたんだ洗濯物を
すべてたたみ直す。
いつもの光景だった。
義祖母の横には今から畳む洗濯物の山が
積み上げられている。
「おばあちゃん、カバンを部屋に置いたら手伝うよ」
私はそう声をかけた。
手伝わないといけない気がした。
小走りにカバンを持って部屋に向かう。
途中の物干し場の横を通り過ぎると、目の端に白いものがひらりと映った。
ふと顔を上げ、右側に視線を送る。
はた、と足が止まった。残っている洗濯物──。
母のTシャツ、スカート、下着。
そして、私のブラウス、下着。
他の家族の洗濯物はひとつもない。 残されているのは、二人分だけ。
触っても乾いており、湿ってはいない。 それでも、取り込まれていなかった。
母と私の洗濯物が、はたはたと夕方の風に音を立てる。その音が、やけに冷たく、大きく響いた。
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あの出来事は、偶然だったのか。 悪意だったのか。
それともただの無神経だったのか──子どもだった私は、判断できなかった。
けれど、その光景は、静かに告げていた。 「お前たちは、家族じゃない」
私の胸の奥は凍りつき、全身の力が抜けたような
感覚になった。
私は足早に残った近づき、ハンガーからもぎ取った。
自分の心は、こんなに苦しくて悲しい。
だから、お母さんもきっと、もっと苦しいに違いない。
絶対に、この光景を見せたくない。
まず自分の部屋に駆け込み、残った洗濯物をねじ込んだ。
そして、母の洗濯物は丁寧にたたんで、
タンスにしまった。
ぽたん──
一筋の涙が手の甲に落ちた。
胸が押し潰されそうで、息も詰まる。
涙を拭い、鼻をすする。
息を吸って、大きく吐いた。
「おばあちゃん、お待たせ!」
笑顔の顔を作ると、私は義祖母の元へ向かった。
あの白いタワー、
風に揺れる洗濯物、
そして冷たく響く風の音──。
そのすべてが、今も私の胸の奥に、
深く、静かに刻まれている。
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🫧この形の私

