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いつもの

それからの日々も、
何かが劇的に変わったわけではなかった。

会社に行って、仕事をして、帰る。
それだけの繰り返しだった。

特別つらい出来事があったわけでもないのに、
ふとした瞬間に、気持ちが沈む。

そういうことは一日のうち、何度かある。

失敗して、凹む。
何かを言われて沈む。

それは、これまでもあった。

けれど、何も無くても沈む。

私はなんて馬鹿なんだろう。
頭がおかしいのかもね。
私って、なんのために生きてるの?

そんな言葉が首をもたげる。


まぁ、これがデフォルトだしね。

私はいつものように電車に乗り、
席に座った。

────

本を開く。

電車の中で、何かを読んでいる間、
少しだけ頭の中が静かになる。


会社では、普通に振る舞えていたと思う。
それなりに笑っていたし、会話もしていた。

「めっちゃ面白いですよね」
変な話で同僚と大笑いしてみたり、

仕事帰りになんとなく一緒になった同期と
コーヒーだけで2時間喋り倒したり。


ただ、その"普通”が本当の普通なのかは、
もうよく分からなかった。

私は何事もなかったように日常に戻っていた。


「間違った道じゃなくて良かった」
電話で聞いた母の声。

間違った道って、なんだろう。

じゃあ、今の私はどの道にいるんだろう。


そんなことを考えても、答えは出ないまま、
次の駅に着いてしまう。

気づけばまた、
いつもの本屋の前を通り過ぎていた。

──────────
🫧この形の私

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