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負けたくないです

私のままでいい。

そう言われて、
少し元気を取り戻したような気がした。

けれど、現実に戻ると
いつもの地獄が私を待っている。

いつの間にか、戻ってしまう。

このままだと、私は駄目になる気がする。

そう思った。

────

ある夜。

泊まりに行ったヤマダさんの家で、
私は涙を流しながら言った。

「悔しいんです。
モチノさんの思惑通りに潰されていくのが。
なんで私、こんなに弱いんでしょう」

するとヤマダさんは言った。

「みのりさん、弱いかなぁ。
私はそうは思わへんけどな」

ヤマダさんは続けた。

「こんなに大変やのに、仕事休んでないやん。
毎日会社に行ってる。
一人暮らしで、自分のこともしてる。
挨拶もして、朝一番に来て、机拭いて。

弱い人は、こんなことできへんで。
みのりさんは強いと思う。」

仕事に行くのは、お金のためだった。
それだけだった。

けれど、今まで
そんなふうに言ってくれた人はいなかった。


……私、弱くないのかな。
そうなれたらいいな、

誰かに勝ちたい、とかじゃない。

生まれ変わりたい。
強い、私に。


「私、負けたくないです」

私は、ヤマダさんに向かって言った。

それは、"宣言”と言うよりも
"言い聞かせ”に近かった。

それだけでも、少しだけ違っていた。

──────────
🫧この形の私

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