【音楽】「Mama Said」Lenny Kravitz
これは迷ったんですよね。個人的には「Mama Said」の方が名盤だと思うのですが、日本で火が付いたのが「Are You Gonna Go My Way」で、私も先に聴いたのは「Are You Gonna Go My Way」でした。当時はCDウォークマンがあったので、CDショップで買って、耳鼻科の待合室で初めて聴いたのですが、イントロのリフのかっこよさに5秒でやられた記憶があります。で、その翌日に「他のも聴きたい!」って買いに行ったのが「Mama Said」でした。彼を知った翌日、私は「It Ain’t Over Til It's Over」を知ったんですが、今でもこの曲が彼の最高傑作だと思ってたりします。ゴリゴリのロックなリフで知ったのに、私の心に一番ヒットしたのはこっちの優しい曲だった訳で。
LIVE参戦
「Are You Gonna Go My Way」のリリース後のLIVEに行きました。MV観た事ある人は分かると思うけど、LIVEでも上から降りてくるUFOみたいな照明(イメージ湧かない人はこれを観るべし)が再現されていたんですよね。盛り上がりはやばかったんですが、2時間のLIVEの中盤で意味不明なギターソロを延々と弾きまくるコーナーがあって、それがやたらと長くて、あんまりいいLIVEじゃなかったなぁと思ったりしています。
ロック好きな友人と一緒に行ったんですが、同じTシャツ買っていたんで、街中でそいつと遭遇すると服装被りになってたりしました。
アルバムの背景
このアルバムは、実は割と「女々しい」(というとポリコレ的にフェミニストさんが怒りそうなワードチョイスですが)アルバムなんですよね。パートナーのリサ・ボネットとの別居、破局という私生活の出来事を背景に制作されたアルバムなんです。失恋や愛情、喪失感をテーマにした曲が多く、ソウル、ロック、ファンク、サイケを高い完成度で融合させてはいるものの「ちょっと寂しさ溢れている」作品な雰囲気があるのは、そういう事かな。特に「It Ain't Over 'Til It's Over」「Stand by My Woman」「More Than Anything in This World」は、リサ・ボネットへの思いを反映した楽曲だそうな。
でも、ロックファンが喜ぶであろう要素もありまして「Always On The Run」はGuns’N Rosesのスラッシュが参加です。実はレニーとスラッシュは同じ高校に通っていたそうです。そんな事あるんかw
感想
音楽的には、60〜70年代のソウルやロックへの深い敬意がめちゃめちゃ感じられます。でも、これ単なる懐古趣味ではなく、それらを90年代のサウンドとして再構築している点が「Mama Said」のすごさです。ヴィンテージ感はあるのに古臭くない。この絶妙なバランスは、今聴いてもマジでまったく色褪せていないっす。
そして何より驚かされるのは、アルバムを通してほとんどの楽器をレニー自身が演奏していること。歌って、ギター弾いて、ベース弾いて、ドラム叩いて、プロデュースまでこなす姿は「DIYにもほどがある」と言いたくなるレベル。
「Mama Said」は、失恋をテーマにしたアルバムでありながら、悲しみだけで終わる作品ではありません。傷つきながらも愛を信じ続ける人間の強さ、音楽の楽しさ、そして人生はまだ続いていくという希望が詰まっています。なんつーか、こういうのが「昇華」ってやつだと思ったんですよね。んで、ちゃんと失恋から立ち直ってヴァネッサちゃんとよろしくやってたりもした訳で。裏山。
もしレニー・クラヴィッツを初めて聴くなら、このアルバムから始めるのがおすすめです。「Are You Gonna Go My Way」でも「CIRCLE」でも「5」でもなく、やっぱこれなんですよ。「完全に終わりにならないうちは、まだ終わりじゃない」という安西先生にも通じるマインド。まあ、これは好きな女性にすがりつく感じなんですけどね。聴き終えた頃には「失恋って、こんなに格好良く表現できるものなのか」と感心しつつ、「いや、自分は普通に美味しいものを食べて立ち直ろう」と現実的な結論に落ち着くはずです。それが凡人。ビバ凡人。
