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「酸素濃縮装置」がやって来た。

今朝、8時に電話がなった。
見知らぬ番号。
そういえば、今日は酸素の機械を実家に持ってきてくれる予定だった。

飛び起きて電話に出ると、やはり業者さんからの連絡だった。

業者「近くまで来たのであと20分程で到着できます。」

えっ あと20分だと(焦)

両親やケアマネさんには、多分10時頃じゃないかと話してたので、慌てて電話で時間を伝え、私もドタバタ用意する。

私の家から実家までは、車で5分。

なんとか間に合うように行ったつもりが、既に玄関前で待たせてしまった。

家の中に入ると、父も急いで置き場所を確保したらしい。
昨日の夜まで積み上げられた衣類は、押し入れの中にバサバサッと移動されていた。

ここ数日の間で、母の容態が変わり、急に息苦しさを強く訴えだした。
とりあえず、かかりつけ医に相談し、
急遽、酸素濃縮装置を設置する事となった。


ケアマネさんも駆けつけてくれ、ベッドのサイドテーブルとポータブルトイレの手配をしてくれている。

私と父は、この機械の取り扱い説明を受けていたが、業者さんの声があまりにも小さく、耳の遠い父には、全く聞こえていなかった。


一通り説明を受け、いざチューブを装着しようとした瞬間、

母「トイレに行きたい。」

周りに見守られながら、私は手を取り母をトイレに連れて行く。

その間、部屋の中は異様なまでに静かだった。

トイレから出てきた母を、今度は父が迎えに行く。
でも、ベッドには戻らずソファに連れて行く。

私「おいおい、何してんのよ。」

みんなが待ってるのに、父も母も状況把握できていない。

私はまた、母の手を取りベッドまで連れて行く。

途中で止まり息苦しいと訴えてくる。

私「だから今、酸素つけてみようよ。」

静かにうなずく母を連れ、ベッドに座らせると、
業者さんは優しくチューブを鼻と耳にかけてくれ、そのまま帰って行った。

ケアマネさんも一部始終見守ると、同様に帰っていく。
私もついていくように、その場を立ち去った。


夜、いつものように実家を訪れると、息苦しさは随分違うようだった。

ただ動く時は、チューブはつけたままなので、
絡まらないように、延長チューブの管を持ってあげないといけない。

私は、まるで宇宙遊泳でもしているようだと思ったのだが、
父はネコの散歩のようだと言っていた。


昼間——

父「ネコの散歩にいくぞー」
母「ニャー」

そんなやりとりがあったらしい。


ほほえましい光景が目に浮かぶようだった。

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