知らないところで精一杯生きてた 〜 「すいか」と兄の話
今年もドラマ「すいか」を見る季節になりました。
現在、8話の途中。
終わるのがもったいなくて、ちょっと足踏みしています。
ドラマ中、宝石のようなセリフの数々なのですが、
今年、新たに心に刺さり、ぶわぁっと涙があふれたセリフがありました。
数年前に亡くなったお姉ちゃんの、自分の知らない一面を知った、ともさかりえさんのセリフ。
「お姉ちゃん、生きてたんだ。
私たちの知らないところで、死ぬ前に精一杯生きてたんだ…」
そのセリフが、4年前に駆け足で天国へ行ってしまった兄のことと重なって、こみあげてしまった。
兄は職場で倒れ、意識が戻らないまま、4日後に亡くなった。
物静かな穏やかな人で、お盆やお正月に一緒にお酒を飲んでも、一緒に飲めるようになった大学生の息子の飲みっぷりとか、私たちのくだらない話を聞いてニコニコしていることが多かった。
単身赴任先で教頭をしていて、「職場でちゃんとコミュニケーション取ったり、しきったりしているのか?」なんて、ちょっと心配していたこともあった。
そんな兄の知らなかった一面を、亡くなったあと、たくさん知ることになった。
地元を離れ、その土地の生活を精一杯楽しんでいたこと。
スマホには、最後に見た桜や学校から見える山の写真。
コロナ禍の中でも、行きつけの居酒屋を見つけて、地元の方々と楽しい時間を過ごしていたこと。
学校でも張り切って仕事をしていたこと。
中でも印象的だったのは、単身赴任先での飲み仲間の方々が、兄の訃報を知り、遠く離れた実家まで駆けつけてくださったこと。
「先生!先生!」と泣いてくださる姿に、本当に驚いた。
居酒屋やスナックで、大人のやんちゃそうな皆さんのお話を聞いていたそうで、
兄があんなにも今できることを全力でやって、公私ともに人生を楽しんでいたことを、亡くなってから知った。
スマホにはそのみなさんが、兄の最後の誕生日をお祝いしてくれてる写真も…。三角帽子かぶって楽しそう。
私にはできないな…
単身赴任先で誕生日を祝ってもらえるほどの関係作れるかな…
そんな話を聞いて、「なんで一緒に街に飲みに行かなかったんだろう」と、すごく悔しくなった。いろいろ話して、いろいろ知りたかった。
今も、ただ単身赴任しているだけで、そのうち帰ってくるような気がしていて、
兄のことを思わない日はない。
(毎晩のビールは写真に乾杯するので)
亡くなった人に、「ほんとに、いないの〜?!」って、何度も言いたくなりませんか?
でも、何十回目かの「すいか」鑑賞で
「私たちの知らないところで、死ぬ前に精一杯生きてたんだ」
というセリフが、急に心に響き、
ちょっと救われるような気がした。
生きてる者の、勝手な気持ちの整理のつけ方かもしれないけど…
ちょっとだけ、前を見て進める気分に。
そういえば「すいか」って、いつも「死」に関する話も出てきて、今を精一杯生きる人たちに、優しく、そっと寄り添って描かれている。
あと2話。
しっかり噛みしめて、最後まで見届けようと思います。
今日のぽつり
「立ち止まったところに、思い出が追いついてきて、ふと力をもらった気がした」
