愛の重さは体重に比例しない。わが家の小さな家族のお話
このnoteの看板娘、ウサギのりらちゃん。ネザーランドドワーフという種類の女の子です。
ネザーランドドワーフとは、オランダの小人という意味だそう。その名の通り、りらちゃんも体重が990gと、とても小さいです。
りらちゃんがわが家に来て、この4月で2年になります。2年も経つのですが、まだ抱っこもできませんし、常に一定の距離を保たれています(涙)
自然界では、ウサギは捕食される動物。警戒心が強く、特に女の子は早くから出産するために、独立心も強いと言われています。
ワンちゃんやニャンコさんを飼っている方からすると、「まったくもって懐いてないね」と言われるような状態。
そんなりらちゃんですが、心は通い合っているし、家族の一員であることは間違いないと思っています。
去年の夏、こんな出来事がありました。母が緊急入院したときのことです。
持病の薬の副作用が原因で、白血球の数値が極端に下がってしまい、それが原因で肺炎をはじめとする、様々な感染症を同時多発テロのように発症。
いくら抗生剤という武器を入れても、白血球という武器の使い手がいなければ、効果を発揮することができない。
さらに、白血球を増やす薬や治療法はなく、自然に回復するのを待つしかない。けれど、82歳の高齢。それまで体力が持つかどうか・・・という状態でした。
毎晩、寝室に上がってくる母に、お楽しみのおやつをもらっていたりらちゃん。突然、そのお楽しみがなくなったことや、私も1日のうちに何度も病院と家を往復してバタバタしていたので、異変は感じていたようです。
けれど、変わらずにのんびり、元気でいてくれました。
日中は、私も気を張っているせいか、てきぱきと立ち振る舞えていたのですが、一日の終わり、りらちゃんと過ごす夜になると、急に不安が押し寄せてくるのです。
このまま母が回復しなかったらどうしよう。まだ、親孝行も十分にできていないのに・・・。
毎夜、りらちゃんに向かって、そんな話をしていました。りらちゃんは、静かに話を聴いてくれているようでした。
入院して1週間以上が過ぎても、白血球の数値は思うように回復していませんでした。
高熱や、肺炎からくる息苦しさや痰、口内炎、脚の腫れ・・・満身創痍だった母。
「もう・・・ダメかもしれない。ごめんね」
それまで、ずっと頑張っていた母ですが、ある日、ついにこんな言葉を発するように・・・。毎日、どれだけ頑張っているのかを見てきただけに、私もこれ以上「頑張って」とは言えませんでした。
もう、覚悟するしかないのかも。
けれど、それを口にしてしまうと、本当にそうなってしまいそうで、怖くてりらちゃんにも話すことができませんでした。
ただただ涙を流す私を、りらちゃんは静かに見ていました。
翌日、恐る恐る病室をのぞくと、昨日とは打って変わって、穏やかな表情の母がいました。
そして、こんな話をし始めたのです。
「今朝、夢を見たの。空を飛んで、そこの窓から家に帰る夢。とっても嬉しかった」
あっ・・・。
その日の早朝5時、りらちゃんのご飯を用意していた時。いつもなら、お腹が空いて待ちきれませんと、お皿の前で待機しているのに、いつもとは異なり、部屋の中をずっと駆け回っていたのです。
その様子を見ていた私が、何気なく言った言葉。
「りらちゃん、空を飛んでいるみたいだね」
そうか・・・。りらちゃんが母を連れて、空を飛んでくれていたんだね。
不思議なことに、その日から母の白血球の数値もグングン回復していきました。
動物には、驚くような特殊能力があると言います。たとえば、微弱なにおいを感知できる犬の臭覚や、暗がりでもよく見える猫の視力。さらには、感情を読み取る能力もあると言われています。
ウサギも、その特徴的な長い耳で、3キロ先の音も聞くことができるのだとか。
家から病院まで2.5キロ。もしかしたら、病室での会話をいつも聴いていたのかもしれないね。
退院してから、そんな話を母としました。
あれから半年以上が経ちました。相変わらず、人間とは一定の距離を保っているりらちゃんですが、その990gの身体から発せられる愛の重さは計り知れない。
りらちゃんに限らず、小さな家族がいらっしゃる方は、きっと何かしら思い当たることがあるのではないでしょうか。
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