なぜ伝統的な革靴は、究極の歩行支援デバイスなのか——バイオメカニクスから読み解くスニーカーでは到達できない「歩行の真実」VO.1
【導入:観察者の視点】
「その一歩は、関節を守っているか。それとも、脳を眠らせているか。」
私は長年、数万人規模の「歩行」をミリ単位で分析し続けてきました。路面を叩く音、踵が接地する瞬間のわずかな骨の揺らぎ、そしてそれが膝や腰へどう連動していくか。
いわば、人間の動きを「バイオメカニクス(生体力学)」の視点から解剖し続けてきました。
昨今、世の中は「柔らかいクッションこそが正義」という風潮にあります。
しかし、歩行の深淵からの結論は違います。100年以上形を変えていない伝統的な革靴には、現代の化学素材が逆立ちしても敵わない「歩行の知恵」が凝縮されています。
今回は、精密機械としての革靴の真実を語りましょう。
【第1章】効率を最大化する「ロッカーファンクション」と推進力
私たちがこれほど重い体重を、何キロメートルも軽々と運べるのはなぜか。
それは足に「ロッカーファンクション(Rocker Function)」という、ロッキングチェアのような転がる仕組みが備わっているからです。
• ヒールロッカー(第1のテコ)
踵を支点にした転がり。
• アンクルロッカー(第2のテコ)
足首を支点にした、前への倒れ込み。
• フォアフットロッカー(第3のテコ)
指の付け根を支点にした、最後の蹴り出し。
この効率良く体重を移動させるためのシステム、ロッカーファンクションが、病気や怪我などで機能しなくなると、わずか数百メートルの歩行ですら疲労感を感じることになるのです。
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本マガジンは、単なる靴磨きの教本ではありません。歩行という身体動作を「バイオメカニクス(生体力学)」の視点から紐解き、革靴が身体に与える影…

lilhoochie&co:The Archive
lilhoochie&coがこれまでに積み上げてきた、全ての有料知見をこのマガジンに集約しました。 自らの足と頭を使い、泥臭く掘り起こした…
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