アニメ「春夏秋冬代行者 春の舞」感想 ―この重苦しさを知っている―
冬の代行者の顔が好きだ。どうしようもなく。
(⇧spoon.2Diはいつも最高表紙をありがとう)
だけど、話が重苦しくて見続けられなかった。
とてもじゃないけど、一話一話をゆっくりと受け止めることはできなかった。二話まで見て、中断した。
だけど、Xのこのイラストを見て衝撃を受けた。やはりとてつもなく、冬の代行者が好きだと思った。狼星様のことが。
君は俺の春だ……おかえり、雛菊#春夏秋冬代行者 @sdurorhr pic.twitter.com/6csVVcfPTG
— TVアニメ「春夏秋冬代行者 春の舞」公式🌸【土曜24:00~放送&配信中】 (@4seasons_anime) June 27, 2026
(⇧noteに貼るとまさかの狼星様のお顔が見えないという悲劇…!一番大切なところが見えない!!Xに飛んで見てください!)
だって、見てよ、この表情を。
この祈りにも似た狂おしいほどに恋慕する横顔を。
雛菊の愛らしい表情もとてもいい。好きな人を見る恋する瞳に染まる頬…。
この超絶麗しいイラストを見てしまったら、そしてこの言葉を知ってしまったら、もう止められなかった。やはりどうしても見たかった。
どうしようもなく好きな顔の男が、愛する人と再会する光景をこの目で見たくなった。
こちらのイラストは原作小説「春夏秋冬代行者 春の舞」下巻の挿絵を、最終話に向けてスオウ先生が着色してくださいました。
— 春夏秋冬代行者【公式】 (@syunkasyuutou04) June 27, 2026
お忙しい中、いつも本作に愛情を注いでくださるスオウ先生に感謝です🌸❄ありがとうございます。
花梨の花言葉は「唯一の恋」です。#春夏秋冬代行者https://t.co/jef6Mtvr3G
しかも花言葉が「唯一の恋」!!!くぅ!オタクはこういうのに弱い!
ちょうど最終話まで放送し終わり、ABEMAで全話無料放送をしていたので、これ幸いと倍速で一気見した。
倍速じゃないとこの残酷な物語を私は見ることができなかった。速めているから、その重苦しさが少しだけ薄まって、そして速く過ぎる。それが私には有難かった。
だって、次から次へと悲劇が起こり、みんな言いようのない重苦しいものを抱えてる。重く捉えるしかないこの残酷な運命に巻き込まれ、悲惨とも言える現実に翻弄され、一人の力ではとても変えられない世界や世間や組織などに縛られる。
それでも、その中で生まれる強固な絆と深く重い愛の物語が綴られていく。
正直、見進めるのが辛かった。悲しくて、痛くて、やるせなくて。
春と冬だけでも相当重量のある過去の話でお腹いっぱいだったのに、ここに来て秋をさらうとか正気か?!と胸糞悪すぎて驚いた。
たとえそれが過去を乗り越えるためのものだとしても…つらすぎる。
だけど、共同戦線はさすがに高まった。
夏のことも、え…それは、いいこと…なのか?秋の能力を考えると、それは禁忌ではなくなるのか?と、この世界の倫理観が分からなくなった。
敵にも敵の事情があり、かといってそれが許されることでもなく。
すべてを見終わった後、あのXのイラストがすべてだと思った。あのイラストに行き着くまでの物語だったと。
そして、すべての人に幸あらんことを。
不思議なもので、こんなに重苦しい話を見終わった後に浮かんでくるのは、希望だった。
無事に見届けることができて本当に良かった。
以下、各話の好きな台詞と簡単な感想。
なずな、誇れ。
今はさみしくとも、お前は世界に愛されているぞ。(さくら)
なずなが春を知っていたことも、なずなという自分を必要としてくれている存在に雛菊が出会い、様々なことが報われて無事に春が来たことが本当に奇跡のよう。
実際に、この日本に四季があることで私たちにこれほどの情緒が生まれ、地球の大気などのおかげで私たちが今こうして地球で生きていられることも、何よりの奇跡。
私たちは、世界に愛されている。
雛菊・・・お前はどこにでもいるな。
俺が恋焦がれるから、どこにでも現れる。(狼星)
今の自分なら救える人たちを自らの手で救い出し、作り出した氷の花の美しさが圧巻。雛菊様をいつも恋焦がれている狼星様が好き。
たとえもう、何もかも変えられないとしても
好きでいることを許してほしかった。
大好き・・・だから。(瑠璃)
私にも大好きな姉がいて、瑠璃の言っていることが痛いほど分かる。
本当に会えなくなること、世界にはあります。
だから後悔しないように、好きな人には優しくしてほしいです。(雛菊)
お姉ちゃんといつまでもいたいの…!
そばにいてよ、さみしいよ…あやめ。
どうして変わっちゃうの?
今まではあたしだけのお姉ちゃんだったのに!(瑠璃)
実際に経験をしているからこそ言える、雛菊の言葉の重み。
最後の瑠璃の言葉に共感しかなくて、一緒に泣いた。
あなたの人生だから
生きるのはあなたにしか出来ないのよ。(紅梅)
自分の人生は、自分にしか生きられない。
自分が勝手にわるもの作ってるだけ。
誰かをわるものにするとくるしいよ。(雛菊)
そう言える雛菊は本当に強いなと思う。
わたくしのこと、いちびょうも忘れないでね。(撫子)
わざわざ面会したいだなんて、俺のエゴでしかない。
それでも、会いたい。(狼星)
撫子のあまりの純粋無垢さが、この後の惨劇を思うと悲痛。
そして、狼星様の雛菊への純粋な想いが好き。
もし、人生の中で一度だけ誰かを救ってやれるなら
雛菊・・・俺はお前を守りたい。(狼星)
雛菊の痛みが自分の苦しみになったと言えるほどの、かけがえのない存在に出会ってしまった狼星様が好き。
雛菊に会う前に凍蝶と話してる時、感情が狼星様の髪の毛の触覚に現れていたのが、可愛くて好き。
好きだ。
戻って来たと分かった時は、地に足がつかなかった。
夏離宮で襲撃に遭ったと聞けば、生きた心地がしなかった。
各地から10年ぶりの春の知らせが届けば、胸が躍った。
雛菊に会いたい。そう思った。
この気持ちは嘘じゃない。(狼星)
雛菊が変わったと知っていても変わらず、さくらに雛菊のことをまだ好きかと問われて間髪入れずに「好きだ」と言える狼星様が好き。
こんなにがんばって捜してくれてる。
秋の代行者様にとって、何よりの希望になります。
従者は、代行者の光です。(雛菊)
もし二人に何かあれば、この春の里が氷漬けになることだろう。(狼星)
竜胆が撫子への忠誠や愛着に自覚していなかったところが、なんだかすごく人間味があって、とても好き。人の感情ってそんなに簡単に割り切れるものではないし、自分のことは案外自分が一番気づいてない場合もある。
共同戦線をすることを春の里に報告しに行った際、「俺たちの邪魔はするな」と忠告した、氷の柱に囲まれて振り向く狼星様の姿が美しくて好き。
惚れた女と友を救いたい。(狼星)
惚れた女…女って言うんですね…、狼星様…好き。
俺は〝俺の春〟を助けに行かねばならない。
たとえ死ぬとしてもだ。
幾千幾万と氷の花を作ってきたんだ。
いつかもう一度、花をあげるために。(狼星)
瑠璃が狼星様のこと「ジメジメブリザードマン」って呼ぶの好き。脈ありだと思うなってカラッと言うのも最高。
10年操を立てるみたいに他の女の子と仲良くしてなかった狼星様のこともっと好き。
わたくしはどんなりんどうでも、ぜったいに
ぜったいにすきよ。
ずっとかわらず、だいすきよ、りんどう。(撫子)
再会した時のあのイチョウが舞う演出が美しすぎて、イチョウの花束を贈っていた竜胆にも、撫子の純粋無垢でまっすぐな愛の言葉にも感動した。
さくらが凍蝶と電話で話した時に、あんなに憎んでいたはずなのに、声を聞くだけでその感情が一瞬で吹き飛んで安堵を感じてるのが、たまらなく良かった。愛と憎悪は紙一重。
もう、自分を差し出したりしない。
もう、前の雛菊じゃない。(雛菊)
俺が誰だか、忘れたのか?
戻ってきてくれて、ありがとう。
生きていてくれて、ありがとう。
君に会いたかった、ずっと。
君は俺の春だ。
おかえり、雛菊。(狼星)
ちょっとかっこよすぎませんか?窓からバイクで突撃してくるとか…。爆弾解除するのも最高にかっこいいんですが!!
狼星様が無事に雛菊に言いたかった言葉を伝えて、雛菊が欲しかった言葉を知らずに与えて、その光景を見届けられてとても嬉しかった。
ただ、今の雛菊が言う「あの子」って、誰のこと?心が壊れてそう思ってるってこと?そういうところの読解力がなくて分からない。
以下は、アニメを見て感じた、私の個人的な話。
私はこの重苦しさを知っている。この感情を味わったことがある。
絶望、と一言で言い表せられないほどの、計り知れない暗く重く苦しい感情が渦巻いている。
どうにかしたい、でもできない。どうしたらいい?どうすればいい?どうすれば…。
大切だと思えば思うほど、その存在が自分にとって大事であればあるほど、その重苦しさは増していくような気がする。
私にも姉がいる。双子ではないが。
だから、夏の代行者の二人の話は余計に泣けた。
私も姉のことが大好きで、姉と一緒に寝るのが大好きで、姉と一緒にいることが好きだった。
4つ離れているから、唯一小学校だけ同じ学校に通えたのが嬉しかった。
だから、姉が結婚したのは悲しかった。さみしかった。
姉の結婚後も、姉と一緒にいたくて、姉の趣味に付き合って興味もない舞台を一緒に観に行ったりした。
姉が出産の為に里帰りして、昔みたいにまた一緒に住めて、一緒に新生児のお世話をした期間はとても幸せだった。
ここまで書いて、自分がシスコンなのだとようやく気がついた。
だから、痛いほど分かるの。瑠璃の気持ちが。一緒になって泣いた。
だけど、そんな姉との関係も変わった。
姉が甥っ子に対してひどい言葉を言っているのを見て、傷ついた。
私の家族は仲良くない。両親は毒親だし、両親の親もおそらく毒親だ。そんな家庭の問題に終始悩まされてきた。
私の重苦しさは、この家族の重苦しさ。
大好きなのに、一緒にいると自分が傷つく。嫌いになりたくないのに、嫌悪をしてしまう。
だから、離れた。先に両親と、そして今は姉とも。
でも、このアニメ「春夏秋冬代行者 春の舞」を見て思ったのは、家族のことだった。家族のことを思い出して、重ねて、涙した。
自分の中にある、家族への愛に降参するしかないのかもしれないと思った。
拒否して避けるのではなく、まずは自分の中にある想いに気づき認めていけばいいのかなって。
姉と仲直りしたい。勝手に嫌って拒否して遠ざけてごめんと謝りたい。
本当は大好きなの。ずっと一緒にいたかったの。ただ、さみしかった。
ずっと嫌ってたら苦しいから、どうにか一歩前に進みたいと思った。
そう思えたのは、このアニメを見たおかげだから、本当に見られて良かった。
原作も読みたくて試し読みしたけど、耐えられるかが心配。
