【2026.04.05】“伝えたつもり”が一番怖いと思った日〜プロジェクトマネジメント研修〜
#プロジェクトマネジメント研修とは?
昨年度、私はプロジェクトマネジメント研修を受けた。
「仕事を計画通りに進め、成果を出す力」を学ぶ研修だ。
別に役職がついているわけでもなければ、何かのチームリーダーになった訳でもない。何の為の研修なのか?受ける目的は?そもそもこの大人数の社員の中から、どうして自分が選ばれたのか?普段の業務で手一杯なのに、研修とか受けてる暇なんてないのに!と初めは思っていた。
#講師が初っ端からおもしろかったから、真面目に聞こうと思った。
講師の初めの自己紹介と挨拶でその研修が面白いものになるか?はたまたつまらないものになるか、大体わかるものだと思っている。
今回の講師はどうだったか?それはアタリだった。それを確信した発言がこちら。↓
「え〜私、今日はプロジェクトマネジメント研修の講師なんてやらせてもらっているのですが、早速、計画・段取りに苦戦しております!今朝地域の保護者グループLINEで、”今年の夏祭り、段取り良くやりましょう。ではまず〜”とある保護者の方から発信されたのですが、まぁ計画性のセンスもない!ちょっと、午前の研修が終わってお昼の休憩時間になったら、あっちのマネジメントしなければならなくなりました」
と言って、会場が笑い声に包まれた。
それからダラけていた私の背中が一瞬でピシッと真っ直ぐになった。
#タングラム (Tangram)〜シルエットパズル〜
研修の中で、二人一組でやるゲームが行われた。
5〜7のピース(大小の三角形、四角形、平行四辺形)があって、相手の指示に従って、ある形を目指してパズルを組み立てていくゲーム。
「え、めっちゃ簡単そう」と思ったし、「なんでこんな簡単そうなのやるの?」とさえ思った。
まさか、こんなにイライラ・モヤモヤするゲームだったとは・・・。
では、実際のやり取りを見てみよう。
【前提】
私:指示する人(見本あり)
相手:作る人(見本なし)
私:「まず、大きい三角形を1つ、下に置いて」
相手:「OK、置いたよ」
私:「底辺が下でいいです」
相手:「うん、それで置いてる」
▶ 少しズレ始める(まだ気づかない)
私:「その右上に四角形を置いて」
相手:「四角形、置いたよ」
私:「いいね、そのまま進めよう」
私:ピッタリくっつくイメージ
相手:少し離して置いている
👉 ズレてるけど、お互い気づいてない
▶ ズレ拡大(でも順調だと思ってる)
私:「次に、小さい三角形を四角形の左に置いて」
相手:「OK、左に置いた」
私:「うん、いい感じ」
👉
私:「四角形の辺に沿って左」
相手:「四角形の左側エリアに適当に」
👉 “左”の定義がズレてる
▶ さらにズレる(でも褒めて進む)
私:「次は平行四辺形を下に入れて」
相手:「入れた」
私:「いいね、順調」
👉
私:ぴったり隙間を埋める想定
相手:なんとなく下に置いた
👉 構造が崩れ始めている
▶ 違和感が出始める(でも止まらない)
相手:「なんかスペース余ってきたけど大丈夫?」
私:「最後に埋まると思うから大丈夫」
👉 ここが分岐点(でも進めてしまう)
▶ 終盤(崩壊)
私:「最後にもう1つ大きい三角形を右に」
相手:「置いたよ」
私:「…あれ?」
相手:「あれ?」
▶ 完成(チグハグ発覚)
私:「全然違う形になってる…」
相手:「え、さっきまで順調って言ってたよね?」
私:「途中からちょっと違和感あったけど…」
相手:「言ってくれないと分からないよ」
こんな感じで、お互いが思ってたことが全然違っていたこと。あと、順調だと思って、少し違和感を感じつつもそのまま進めてしまったことで、最後は完全に違うものができてしまったという結果となった。
#認識のズレの正体が発覚。そして私がこのゲームで得たこと。
私がこのゲームで学んだことは
・まず初めから相手と同じ目線に立つこと。(同じ目線に立つ様に配慮すること)
・途中、同じ目線に立っているか?認識のズレが生じてないか?必ずフィードバックを行うこと。
では、どういう風にすれば良かったか?
▶ スタート(順調)
私:「まず、大きい三角形を1つ、底辺を下にして置いてください」
相手:「置いたよ」
私:「OKです。一度確認させてください。どんな向きになってますか?」
相手:「底辺が下で、頂点が上を向いてる」
私:「はい、それで合ってます」
👉 最初から“言語で同期”
▶ 少し進む(ここで止める)
私:「その右上に四角形を置いてください」
相手:「置いたよ」
私:「確認ですが、三角形と四角形は接してますか?」
相手:「いや、少し離れてる」
私:「そこはぴったり接するようにしてください」
相手:「あ、なるほど。直した」
👉 ズレを早期修正
▶ 中盤(基準を明確にする)
私:「次に、小さい三角形を四角形の左に置いてください」
相手:「置いた」
私:「“左”ってどの基準で置きました?」
相手:「自分から見て左」
私:「今回は“最初に置いた大きい三角形を基準”にしてください」
相手:「あ、じゃあ違うかも。直すね」
👉 基準のズレを修正
▶ 中盤②(違和感を拾う)
私:「次に平行四辺形を下に入れてください」
相手:「入れたけど、ちょっと隙間ある」
私:「どこに隙間がありますか?」
相手:「三角形との間に少し」
私:「そこは隙間なく埋まる形になります」
相手:「あ、向きが違うか。回転させるね」
👉 “違和感”をスルーしない
▶ 終盤前(全体確認)
私:「一度全体の形を説明してもらっていいですか?」
相手:「大きい三角形が下にあって、その右上に四角形、その左に小さい三角形、下に平行四辺形」
私:「はい、配置は合ってます。向きもOKです」
👉 構造の言語化=ズレ防止
▶ 完成
私:「最後にもう1つ大きい三角形を右に置いてください」
相手:「置いた」
私:「はい、完成です。イメージ通りです」
こんな感じ。
こういう風にすれば、ゴールまで無事に辿り着くことができるのだ。こんな簡単なゲームだったが、それ以来、相手の認識を確認することを意識するようになった。
「今、同じものを見ているか?」と一度立ち止まるだけで、無駄なやり直しが減るのだ。
正直、これを知らなかった頃の自分に一番教えたい。
