清掃員時代の思い出
私にしては長く続いた仕事、商業施設の清掃員。
今回はそこで出会ったうちで特に思い入れの深いゴミたちを箇条書きで挙げてゆく。
裸の包丁
錆び付いた包丁が空き缶のリサイクルボックスに三本ほど入っていた。やめてくれ。
真新しい寄せ書き
四つ折りにされて可燃ゴミの箱に棄てられていた。退職するレジのパートさん宛てらしく、温かい言葉がたくさん綴られていた。
猫
段ボールを開けると四匹ほどの仔猫が入っていて震えていた。施設管理者に伝えて保健所に連絡をしてもらった。猫を棄てるな。
恋文の切れ端
駐車場にて、恋文らしきものの切れ端。ところどころは解読できず。
ライター
日常的にあらゆる箇所に放置されている。
ライターを自力で捨てる能力のない者は煙草を吸う資格はない。
ポルノビデオのパッケージ
恥ずかしかったのかな。
可燃ゴミの塊
リサイクルボックスにて。たまに可燃ゴミを入れられてしまうことはあるが、基本的に私は、間違えて入れてしまったのね、やれやれ、とそれらを大目にみていた。しかしこの件については特定の日時に特定のものが何週間にも渡って棄てられ続ける、という悪質なパターンだった。
そしてそれは、決まって私が目を離した数十秒のあいだに行われた。
当時無職であった夫に頼み見張りをしてもらい犯人を特定することができたのだが、
なんとその正体はカップルであった。
ふつう、という言葉はあまり使いたくないが、ふつうは、心の通ったふたり組ならば、片方が悪事を行うなら片方がそれを咎めませんか。
残念ながら現場を押さえることはできなかったので、退店際のそのふたりを睨み付け、追いかけ、走り去る彼らの車を睨み付けて、わざと仰々しい仕草でナンバーを記録した。
それが功を奏したのか分からないが、それからはその悪事が行われることはなくなった。
ハンドル
駐車場にて、レゴブロックのハンドル部分のみ。これを地面に乗せれば地球を操縦している気分になれる。
思いつく限りでは、こんなところだろうか。
他にもいろいろな物や者との出会いがあった清掃員時代だが、それについてはまた後日に記すことができればと思う。
