助手席で眠れますか
恥ずかしいかな私は高速道路の走行はほとんど夫に任せる。
私がやって良いことがない。夫のやりたくないことは私がやる。適材適所。
「眠っていていいよ」と運転中の夫は助手席の私へ声をかけてくれるので、私もときどきそうしようと思うのだが、眠れない。
その理由、
いざ眠ろうとして目を閉じて意識がぼんやりし始めると、
「いや、待てよひょっとして、現実に運転しているのは本当は私自身のほうで、先ほどまでの一連のやりとりは一切、運転中の私の一瞬の居眠りのなかの夢ではないかしら」
という疑念が過り、瞬時に高速道路で大クラッシュからの大炎上のイメージが脳内に流れ、
ぞわっと総毛立ち目を覚ましてしまうからだ。
そうして自分が運転手では無いことを確認し、ほっと胸を撫でおろす。
睡眠に問題を抱えた過去があると、このように自分の意識に自信が持てなくなることがある。
むかしは下道でも似た感覚になったが、今は高速道路上でだけ。
正直、助手席でさえも高速道路は恐い。
