あの日彼の輪郭を滲ませた私の涙みたいな雨は、雄弁な沈黙だった。
noteで、完全にディテール破綻している小説を見つけてしまった。
竹中直人の「笑いながら怒る人」くらい支離滅裂だった。
あっちはシュールな笑いで成立してるんだろうけど、こっちは全然してない。
おい人間ども。
AIに頼り過ぎです。
もうあなたの涙を雨に重ねるな。夜の街灯に彼の輪郭を滲ませるな。そして雄弁な沈黙で語るな。
私が見たAI小説も、ぱっと見は「っぽい」んです。
二人の沈黙を冷たい風が吹き抜けていったり、輪郭が溶けたり滲んだりしつつも、全体はなんかそれっぽい、美しい描写なんですよ。
でも、細部をよくよくシュミレートすると「ん?どういうこと?」てなる。状況が見えない。
雰囲気だけ伝えると、こんな感じ。
サンプル
役所の窓口で、ペンを置いたとき。
私たちの夫婦生活は、静かに終わった。
「これで、本当に終わりだね」
彼がそう言った声は、不思議なくらい穏やかだった。
(※これは私がAIに書かせたサンプルです。)
(※しかも「AIっぽい文章書いて」って伝えただけなのに、その前の会話から勝手に私の意図を汲み取って、忖度して書いてきたものです)
離婚届を出しにいって、役所の窓口でペンを置くのってどういう状況ですか?ていう。
普通は、書類の記入なんてもう済ませてて、役所では提出したらおしまいです(私はそうだった)。
何度も繰り返しになりますが、私はAI推進派です。
AIにどっぷり依存。
なんでもかんでもAI任せ。
でも、ですよ。
「AIの利用は晒せ。でも、AI臭は隠せ。」
っていうのが、私のポリシーです。
自分の言葉に置き換えろ。もしくは、ギリ、自分の言葉として通用する部分のみ流用しろ。
AI臭と人間臭は紙一重。
実際、「AI臭=手垢まみれの人間の言葉」みたいなところあるから。
だって私なんて、中学生の読書感想文の頃から誰かの輪郭滲ませてばっかいたからね。「輪郭滲む」は、便利ワード。
雨だって、借り物の言葉としてじゃなく、本当にそれが自分の体験と重なったのなら、涙でも汗でも鼻水でも鼻血でも、何にでも重ねちゃえばいいのだ。
AI臭のことでもうひとつ付け加えておくと、私は文中で「* *文字* * 」を見つけちゃうと、もう、以降は二度と読まない。
「**」←これ、AI臭の極みじゃないですか。さすがにそこは処理してよ。萎える。
でね、思ったんですよ。
今までは人間がAIに添削してもらうばかりだったけど、次はこっち側がやってやろうじゃないか、と。
スリムだけが取り柄の、おまえのやせ細ったガリガリの文章に、人間様が血と汗と筋肉と贅肉もたっぷり乗っけてやろうじゃないか、と。
で、AIにゼロから文章を書かせてみることにした。
テーマはそうだな、「学生時代に印象に残った先生」で。
AIの回答。
タイトル「消し跡」
高一のとき、国語を教えてくれた佐藤先生のことをよく思い出す。
背が高くて、黒縁の眼鏡。声は低いのに、どこか頼りなげだった。
授業のとき、先生はいつもチョークを強く握りすぎる。
黒板に線を引くたびにポキッと折れて、指先が白く汚れる。
それを気にせず、先生は話を続ける。
「言葉は、誰かを傷つけもするし、救いもする」
ある日そう言ったとき、クラスの空気がふっと静かになった。
思春期の私たちには、妙に重く響いた。
卒業式のあと、廊下で偶然すれ違った。
「元気でな」
それだけ言って、先生は書類の束を抱えて職員室に戻っていった。
あのとき黒板に残っていた文字は、もうすぐ消されるはずだった。
でも消し跡みたいに、いまも私の中に残っている。
真っ当なん出してくんなよ。
「言葉は、誰かを傷つけもするし、救いもする」
めちゃくちゃ丁度いいやないか。
えー?なんていうかもっとこう、先生は「未来を信じろ」みたいな浮ついたこと言ってドヤッて、そしたら生徒は心の水平線に水面がふぁっさー泡立つみたいなん期待してたんですけどー。シンプルー。
なんということでしょう。
人間の方が、AIよりもずっとAI構文だったのです。
私はAIに謝罪した。
ごめんなさい、悪いのは人間でした。
人間側のセンスの問題でした。
私たちが論じるべきは、「AIの限界について」じゃない。
AIを使う人間の姿勢や依存の仕方なんだ――
そう反省しながら、もういちど「消し跡」を読み返す。
うっす(薄)!
いやこれ、「っぽい」だけでやっぱり激薄やないか。
具体的に、どんな言葉で誰を傷つけたり救ったりしたのよ。
「あのとき黒板に残っていた文字は、もうすぐ消されるはずだった。
でも消し跡みたいに、いまも私の中に残っている。」
これもちゃんと見ると、どういうこと?何言ってるのか、絶妙によくわからない。
黒板に線を引くたびにポキッと折れなくても、チョーク持った時点で指先は白く汚れてるだろうし…
これは…
気にしだしたら、ほぼ全文気になる。
気になって、黙り込んでしまう。
* * 雄弁な沈黙 * *をしてしまう。
(雄弁な沈黙はかっこいいな。いつか使いたい。意味不明でも雰囲気で押し切りたい。)
私はAIに謝罪を撤回した。
矛盾と非礼だらけの私を、AIは、「うわーーー🤣🤣」って泣き笑いで許してくれた。
さあ、人間のみなさん。
あなたならこのAI作文を、どう添削しますか?
(人間がやるとは言ったけど、私がやるとは一言も言ってません。後は任せた。)
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