今日もヘンな広告が来た 〜株主募集編〜
スマホを見ていたら、広告が来た。
「投資で節税もできる、エンジェル税制対象案件」
「海洋ごみ to 未来の資源」
「再生素材ベンチャーが株主募集」
読んだ。
海のごみが、資源に変わるらしかった。
良い話だと思った。
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写真には、
ペットボトル、砕かれたプラスチック、
白い粒、糸巻き、青いタオルが並んでいた。
ごみから始まって、
タオルで終わる流れが、
一枚の写真の中に、
きれいに収まっていた。
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「連携累計20社以上」
「大手モビリティメーカーも試作品に採用」
そう書いてあった。
企業のロゴを見に行くと、
ANA、湖池屋、Goldwin、対馬市、竹富町、宗像市、
と並んでいた。
湖池屋という文字を見て、
少し親しみが湧いた。
ポテトチップスの会社が、
海のプラスチックとどう繋がるのか、
おじさんはすぐには分からなかったが、
何かしらの理由があるのだろうと思った。
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「株主優待」という文字もあった。
30株以上保有の方に、
サステナブルなタオルとTシャツを提供、とあった。
株主優待、というものを、
おじさんは知っていた。
ただ、その優待が、
海から生まれたタオルである、
というのは初めてだった。
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詳細ページに進むと、
数字が並んでいた。
募集終了まで、8日。
集まっている金額、11,900,000円。
目標募集額、6,000,000円。
上限応募額、30,000,000円。
目標達成率、198%。
198%、という達成率を見て、
すでにたくさんの人が、
このタオルの未来に、
賛同しているのだと分かった。
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株主のところまで進んで、
少し止まった。
これは、
証券会社で買う、
いつもの株とは違うようだった。
未上場の会社の株を、
クラウドファンディングの形で買う、
という仕組みらしかった。
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売れる場所がどこにも書かれていなかった。
会社が将来、
上場するか、
どこかに買われるかしない限り、
このお金は、
そのまま海の底に沈んでいるのと、
似たような状態になるようだった。
海洋ごみを資源に変える会社に、
自分のお金を投じることの、
その先の形が、
まだはっきり見えなかった。
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配当のことは、
どこにも書かれていなかった。
代わりに、
タオルとTシャツのことが、
丁寧に書かれていた。
20株から29株で、タオル1枚。
30株から50株で、タオルとTシャツ。
100株以上で、タオル2枚とTシャツ2枚。
株数が増えるごとに、
洗面所のタオルの枚数も、
一緒に増えていくようだった。
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エンジェル税制対象、
という言葉もあった。
節税になる、という話は、
魅力的に聞こえた。
ただ、
節税というのは、
そもそも投じたお金が、
戻ってくることが前提の話のような気がした。
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今日もスマホに、おじさんへの広告が来た。
海のごみは、
たしかに資源になるかもしれなかった。
ただ、
おじさんのお金が、
資源になって戻ってくるかどうかは、
また別の話のようだった。
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*今日も広告は来る。おじさんは観察する。*
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