『新高円寺、陽当たりのいいアパート』 #わたしと東京 ※J-WAVE「MY STORY TOKYO」で朗読していただきました!
東京は、
就職で上京して、
自分で稼いだお金で初めて暮らした街。
思い入れも深い。
そんな中で、
わたしの東京を一つだけ選ぶなら、
新高円寺の陽当たりのいい、狭いアパート。
狭くても、
ここにたくさんのことが詰まっていた。
新高円寺駅から乗る丸の内線も好きだった。
地下鉄だけれど、
四ツ谷辺りで地上にでて、
桜や紅葉の外の景色に、
季節を感じた。
新高円寺駅から、
アパートまでは徒歩10分かからないくらいだった
かな。
走れば5分。
いつも会社に遅刻ギリギリで、よく走っていた。
もう随分前に亡くなった祖父に、
私と妹が新高円寺に住んでいる話をすると、
祖父は戦後仕事の関係で高円寺にいたことを、
嬉しそうに話してくれた。
高円寺の南の方だから…、新高円寺の方だね、と。
その会話が好きだったことを、
今でも覚えている。
そしてあの陽当たりのいい、
でも狭いこじんまりとしたアパートで、
後に結婚する夫と暮らした。
その当時の両親が知ったら卒倒していそうだ
けれど(笑)、
彼が転がり込んできたようなものだった。
狭いアパートで2人。
(本当はいけないことだったけれど…。)
布団も1人用で寝てたな。
社内恋愛だったから、
いつも、いつも、一緒だった。
楽しかったな。
(そして若かったな笑。)
その後何度か引越し、
引っ越しのたびに、
住まいは広くなった。
(新高円寺が狭すぎた笑。)
でも、夫とよく言う。
『もし何かあれば、あのアパートに帰ろう。』と。
お金もなくて、
あったのはお互いの存在だけ。
でもすごく楽しかった。
今はそれなりの生活をしているけれど、
なにかあれば、
あの頃のように過ごそうという思いは、
お互いの気持ちをあたたかくしてくれる。
日当たりがよくて、
狭くて、
でも楽しくて、
全てが詰まったあのアパートに。
※今は息子がいて、
なかなか2人の時間もとれないけれど、
奇跡的に2人の時間が取れた時は、
新高円寺デートを今でもしている。
新高円寺、
私の好きな街。
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