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フランスのスーパーマーケットあれこれ その1・MONOPRIX

我々の日常生活で切っても切り離せない食料品の買い物。マルシェや小売店などは何も買うつもりがなくても見ているだけで楽しい。しかし、一番便利でよく利用するのはやっぱりスーパー。パリでは店舗の数も種類も豊富で、自分も色んなところを利用してきた。そこで、これから何度かに分けてパリのスーパーチェーン店を独断と偏見で紹介したい。

トップバッターはモノプリ(MONOPRIX)。
フランスに行ったことがある人にはもうお馴染みであろう。ここのエコバッグは可愛らしいデザインとその安さでお土産として人気があるし、観光客と思しき日本人の若いお嬢さんたちがお菓子を大量に購入している姿をしばしば見かける。

他のスーパーと比べてどこかシックな雰囲気があり、品揃えも他所ではあまりお目にかからないような高級品・レア商品もカバーしていて、今やすっかりブルジョアなイメージが定着しているが、長い間ディスカウントショップ的な立ち位置だったことはあまり知られていない。

モノプリの創業は1932年と意外と古く、ノルマンディー地方ルーアンの中心部に第1号店を開いた。創業者はあのギャラリー・ラファイエットの創設者の娘婿というから、家族ぐるみでの商売立ち上げである。なんだか「おしん」のスーパーたのくらみたいだが、あんなドラマティックなストーリーが裏にあったのだろうか。多分無いだろう。

私がフランスに住み始めた1990年代の半ばごろのモノプリは、さすがにもうディスカウントショップという様子ではなかったが、そこそこ貧乏臭かった。街の中心部にはまだ小売店が多く残っていて、郊外へ行けば空港かと思うほどの大型スーパーが幅を利かせていたので、主に都市部が主戦場だったモノプリは苦戦を強いられていたのである。

転機が訪れたのが1997年、プランタン系列のスーパーチェーン、プリズュニックの買収である。これで一気に店舗数を増やし、パリのスーパーマーケット界で覇権を握る第一歩を踏み出した。その後、2000年代に入ると次第に都市部のやや経済的に余裕のある客層にターゲットを定め、他店との差別化を図り始める。安価な自社ブランドに加え、モノプリ・グルメという高級ラインを打ち出し、まだそれほど浸透していなかったオーガニック食品のシリーズ(モノプリ・ビオ)をいち早く展開した。こうしたトレンドは後に他のスーパーがこぞって真似をすることになる。

また、この頃から店舗の改装が次々と進み、無機質でただ商品が並んでいる空間から、快適でスタイリッシュな「ショップ」へと変貌を遂げていった。民主化前の東欧共産圏のスーパーかと思うような、フォーブール・サン・ドニ通りのあの店舗が、まるでセレクトショップかと見違えるほど一新されたのには腰を抜かしそうになった。シャンゼリゼ通りという一等地にありながら、中に入るとまるで倉庫のようにむさ苦しかった店内は、贅沢にスペースを取り、品数は多くないが衣料品や小物、土産物だけを扱う店舗に生まれ変わり、食料品売り場はそこから横道に数メートル入り込んだ別の店舗に移転された。

外観だけでなくサービス面でもモノプリは他店よりも優れている点が多い。例えばセルフレジ。モノプリのセルフレジは使いやすく、大抵どれもきちんと作動している。他の店にも設置しているところはあるが、万年故障中か調整中で、近所のカルフール・シティなど三台もあるのに機能しているところを一度も見たことがない。正直言って邪魔である。

モノプリで個人的に気に入っているのが、自社ブランドの商品デザイン。商品名をデカデカと表示するだけのシンプルなものであるが、その字体といいサイズといい、かなり計算されているのでは、と思うし、必ずその商品名にまつわる言葉遊び(オヤジギャグっぽいダジャレもある)や少しとぼけたキャッチコピーがつけられていて面白い。なんだか大物の余裕を感じるではないか。

ということで、記念すべき第一回目はフランスのスーパーマーケット界の女王、モノプリさんを取り上げてみました。次回もお楽しみに!


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