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第一種の過誤と第二種の過誤【DS検定対策】

はじめに

統計学を勉強していると、必ず出てくるのが「第一種の過誤」「第二種の過誤」という言葉です。

今回はこの2つを、仮説検定の流れとともに、なるべくやさしく、そして身近な例で解説していきます。


仮説検定とは何をしているのか?

仮説検定では、まず次のような仮説を立てます。

  • 帰無仮説(H₀):効果はない、差はない

  • 対立仮説(H₁):効果はある、差がある

たとえば「新しい薬が本当に効くか?」を検証するとき、最初は「この薬には効果がない(H₀)」と仮定して検定を始めます。
そのうえで、データから得られた結果をもとに“帰無仮説を棄却する(効果があると判断する)”か、“棄却しない(効果がないとみなす)”かを決めます。

第一種の過誤とは?

正しい仮説を「間違って棄却」してしまうミス

第一種の過誤とは、本当は効果がない(帰無仮説が正しい)のに、データの偶然の偏りを見て「効果がある」と判断してしまうミスのことです。

たとえば、

  • 本当は効かない薬を「効く」と結論づけてしまう

  • 本当は安全な製品を「危険」としてリコールしてしまう

こうした「誤検出」「誤警報」が第一種の過誤です。

第一種の過誤が起こる確率は α(アルファ) と呼ばれ、これが「有意水準(5%など)」として設定されます。
つまり「5%の確率で誤って棄却してしまうことを許容する」という意味です。

第二種の過誤とは?

間違った仮説を「誤って採択」してしまうミス

第二種の過誤は、本当は効果がある(帰無仮説が間違っている)のに、データからうまく検出できず「効果がない」としてしまうミスです。

たとえば、

  • 本当は効く薬を「効かない」と見なしてしまう

  • 本当は危険な製品を「安全」と判断してしまう

こうした「見逃し」が第二種の過誤です。
この確率は β(ベータ) と呼ばれます。
そして「正しく検出できる確率(= 1−β)」は 検出力(power) と呼ばれます。

火災報知器の例

よく使われるたとえが「火災報知器」です。

  • 火事じゃないのにアラームが鳴る → 第一種の過誤(誤報)

  • 火事なのにアラームが鳴らない → 第二種の過誤(見逃し)

どちらも困りますが、どちらをより重く考えるかは状況によって違います。

たとえば安全が最優先の場面では、
「誤報が多くてもいいから、見逃しをなくしたい」
つまり第二種の過誤(見逃し)を小さくする方を重視します。

トレードオフの関係

第一種の過誤(α)と第二種の過誤(β)は、シーソーのようにトレードオフの関係にあります。

  • αを小さく(厳しく)すると、βが大きくなりやすい

  • βを小さくすると、αが大きくなりやすい

つまり「誤検出を防ぐほど、見逃しが増える」し、「見逃しを減らすほど、誤検出が増える」という関係です。

だからこそ、研究や実験では、どちらのリスクをどの程度まで許容するかを慎重に考える必要があります。

まとめ

  • 第一種の過誤:本当は正しい帰無仮説を棄却 → 「誤って差あり」

  • 第二種の過誤:本当は間違った帰無仮説を採択 → 「差を見逃す」

そして、第一種の過誤を減らせば第二種の過誤が増える。
このバランスをどう取るかが、検定設計の鍵になります。


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