偏差値35から1年で現役国立医学部に受かった話|努力より「方法」が全てだった
はっきり言います。私は頭がいい人間ではありませんでした。
地頭がいいとか、記憶力が抜群とか、そういう話ではありません。むしろ逆です。高校2年生の全国模試で偏差値35を叩き出した人間が、1年後に現役で国立医学部に合格した話です。
この記事は、才能の話ではありません。方法の話です。
そもそも、なぜ落ちこぼれたのか
小学校受験をして、私立の一貫校に入りました。
入学式の翌日から、地獄が始まりました。
6時間授業。習熟度別クラス。土曜授業。6歳の子どもが最初に学校から学んだことは、「勉強とはやらされるものだ」ということでした。
その瞬間から、私の中で何かのスイッチが切れました。
やりたくないことを、やりたくない量だけ、やりたくないペースで強制される。それが「勉強」だと刷り込まれた子どもが、自分から勉強するはずがありません。落ちこぼれたのではなく、能動的に降りました。毎日、意図的に勉強しない選択をし続けていました。
そのまま中学、高校と上がりました。一貫校だったので受験はない。つまり危機感を持つタイミングが、一度もなかった。
高校2年生の秋、全国模試の結果が返ってきました。
偏差値35。
不思議と焦りはありませんでした。「そうか、これが私の現在地か」と、どこか他人事のように眺めていた。今思えば、それがいかに危機的な状況だったかを、まったく理解できていなかっただけです。
火がついた瞬間
その頃、母に言われた言葉があります。
「小学校から私立に入れたのに」
責めるような口調ではなく、ため息に近い言葉でした。でもその一言は、静かに、確実に、胸の奥に刺さりました。
そして、担任の先生との進路面談。
私の成績表を見ながら先生はこう言いました。
「こんなんじゃ、何年たっても医学部には入れないぞ」
ため息交じりの、半ば呆れた言葉でした。先生にとっては何気ない一言だったかもしれません。
でも私には、着火剤でした。
「何年たっても」。その言葉が、頭の中でリフレインし続けました。つまりこの先生は、私が医学部に入ることを本気で想定していない。可能性すら見ていない。
その瞬間から、負けず嫌いのエンジンが全開になりました。絶対にやってやる。その一心でした。
なぜ医学部だったのか
ここで疑問を持つ人がいると思います。なぜ文系でも難関大でもなく、「医学部」だったのか。
当時の私が得意だった科目は現代文だけでした。社会は壊滅的。暗記という行為が生理的に受け付けなかった。年号も地名も人の名前も、「なぜ覚えるのか」という疑問が先に立って、頭に入っていかない。
客観的に見れば文系に行けばよかった。でも私はあえて「理系、しかも医学部」を選びました。
これは反骨心だったと思います。得意なことで勝つより、不可能に見えることをやり遂げる方が、自分の証明になる気がしていた。「何年たっても無理」と言われたことを、一年でひっくり返してやるという気持ちが、すべての出発点でした。
一日14時間の勉強が始まった。ただし「質」にこだわった。
面談の夜、スタディサプリに登録しました。
塾には行きませんでした。理由は明確で、自分のペースで、自分が納得するまでやり切りたかったからです。わからないところを人に合わせて先に進むことが、どうしてもできない性格でした。
一日14時間、勉強しました。
ただし、14時間をただ机に向かい続けたわけではありません。ここが重要なポイントです。
勉強は必ず90分単位で行い、10分休憩を挟む。これを一日中繰り返しました。
これは感覚的にやっていたことですが、後から脳科学的な裏付けがあることを知りました。人間の脳が高い集中力を維持できる時間は、90分程度が限界とされています。これはウルトラディアンリズムと呼ばれる生体リズムで、脳と体は約90〜120分周期で高覚醒と低覚醒を繰り返しています。この波に逆らって無理やり集中し続けると、効率が著しく落ちるだけでなく、記憶の定着率まで下がります。
「長く勉強する」ことに意味はありません。「集中している時間を積み上げる」ことに意味があります。ぼーっとしながら3時間机に向かうより、完全に集中した90分の方が、圧倒的に多くのことが頭に入ります。
10分の休憩中は、スマホを見ませんでした。目を閉じるか、軽くストレッチをするか、水を飲むか。脳を完全にオフにする時間として使いました。SNSを見ると脳が情報処理を続けてしまい、休憩になりません。これも意識していたポイントです。
前日の夜に「時間割」を作ることが最大のルールだった
毎朝、「今日何を勉強しようか」と考えながら机に向かっていたら、その時点で集中力の一部がすでに消費されています。
私は前日の夜のうちに、翌日の時間割を必ず作っていました。
作り方はシンプルです。その日の勉強を終えたあと、「今日できたこと・できなかったこと・まだ理解が甘いところ」を5分で振り返る。そして翌日の90分ブロックに、何をやるかを具体的に割り当てる。
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