海の顔

あなたがいつか 私の海を知るなら
それは少し 寂しいことでしょう。

私の海は 深く濃く
群青の底に 暮れてゐる。

けれど夕時の 刻ならば
あなたを此処へ 呼びたくなる。

遠い波間に 陽が揺れて
赤い光が ほどけゆく。

小賢しき想いが ふと過る。
夕日の顔のみ 見せていたいと。

いつかこの海が
あなたの傷に 触れなき日に

そっとこの海を笑っておくれ。

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