BUNGEI-BU|#シロクマ文芸部
「文芸部長に、俺はなる!!」
「そのセリフ、漫画の読み過ぎだよ。それに、今はまだ同好会だし」
能戸高校の文芸同好会は、現在会員が三人。しかも一人はほとんど幽霊会員だ。部に昇格するには、次の生徒総会までに最低あと二人は増やさないといけない。
「勧誘のチラシ作りだ!」
「なんでお前の夢に協力しないといけないんだ?同好会のままでもいいじゃないか」
「いや、仲間は多ければ多い方が楽しいぞ!たくさん作品が読めるし、創造意欲も湧くだろう?」
「それはそうだけど…ていうか、今の文芸同好会会長は僕だよ?」
「会長はお前やっていいから、部長は俺だ!」
「会長と部長だと会長の方が偉そうだけどな」
「そうなのか?まぁいい。勧誘するぞ!チラシとポスターと…後は、活動していることのアピールで会誌みたいなのを作らないとな」
「会長の僕をさしおいて… でも、確かに仲間は多い方が楽しいしな。よし、頑張ろう!お?」
そんな二人の目の前に、突然、文字がびっしりと綴られた原稿用紙が現れた。幽霊会員の書いた作品だ。たった今聞こえた"会誌を出す"という言葉に惹かれ、短編だが書きつづったものらしい。
「いつの間に、作品を書いたんだ?うっ… これは是非とも会誌に載せないと。僕も書くぞ!」
「あいつ、スゲェなぁ!俺も…書くぞ!」
それまで二人は、実は物語を書いても最後まで書き切ったことがなかった。途中で別の物語が浮かぶと、そちらに意識が向かい、書きかけのまま終わるのが常だった。『面白いものを書きたい』という思いが今作成中のものに投影できず、新しい物語の方へ気が移るのだ。
「あいつの作品、初めて読んだけど、面白いな。友情をテーマに、短くてもちゃんと書きたかったことが描けているというか」
「短編でビシッと描ききる方が良いのかな。俺、文芸部の部長になりたかったくせに、全然書けていないしな。自己満足のかたまりだったよ」
すると、それまでずっと黙っていた幽霊会員が初めてしゃべった。
「じゃあ、私が文芸部長になる!」
「「えっ?!」」
「あなたたち、まず書きなさいよ。『文芸部』をテーマにね。私もさっきの作品で、部活を通じての作品作りの素晴らしさについて書いてみたけれど… それを読んで共感してくれる人がいなきゃ、何も始まらないでしょ?ポスターとかチラシの前に、書くのよ!」
「「はい!」」
能戸高校文芸同好会が新天地を迎えるのか、それとも大後悔時代を迎えるのか…
それは誰にもわからない。
[約1000字]
なんか訳のわからない話になりました。
