【SS】牙あるものは角なし|#ミリしら解説(約1300字)
ミリしら、それは『1ミリもしらない言葉』を言う
No.01 蛇の道は蛇
No.02 蛇は一寸にして人を呑む
No.03 藪をつついて蛇を出す
No.04 吠える犬は噛みつかぬ
No.05 羊の番に狼
No.06 兎の罠に狐がかかる
No.07 女の髪の毛には大象もつながる
No.08 虎は千里行って千里帰る
No.09 猫に鰹節
No.10 大山鳴動して鼠一匹
No.11 鼠が塩をなめる
No.12 一斑を見て全豹を知る
No.13 鶯鳴かせたこともある
No.14 闇夜に烏、雪に鷺
No.15 蝙蝠も鳥の内
No.16 雀の酒盛り
No.17 鷹は死すとも穂をつまず
No.18 亀の年を鶴が羨む
No.19 鰯のたとえに鯨
No.20 猫に鰹の番
No.21 一匹の鯨に七浦賑わう
No.22 蟻集まって樹を揺るがす
No.23 蛙の面に水
No.24 蟹は甲羅に似せて穴を掘る
No.25 牙あるものは角なし
神様が十二支を決めて六番目の年、つまり龍が初仕事を行なう年のことだった。
龍は十二支の中でも唯一、神のような存在で他の動物とは異なっていた。身体の大きさも、身体能力も…空を飛べたり水中を潜れるなど、他の動物より明らかに優れていた。天候を操れるのも他には見られない能力であろう。
そんな龍であるから、実に神のように世の中の願い等を次々と叶えるのであった。
「さすが龍、龍様だ」
「あの牙は全てのものを震え上がらせる力がある」
「見事な角は神々しく風格がある」
「トラも立派な牙があるし良い仕事をしてくれるが…」
「ウシやヒツジの角は、どちらかと言うとかわいい感じだしな」
「両方持っている龍は、やはり違う」
ほぼ全てのものたちは「天は二物を与えずだな」という風に龍を褒め称えたが、「それは違う!」と違を唱えるものがいた。
それは他ならぬ龍と、あとはキョンという動物であった。
キョンの雄はシカのような角を持ち、斜めに真っ直ぐ鋭い牙が口からはみ出ている動物である。
キョンは直情型で、十二支を選ぶ選考会の日も「めんどくせぇし、俺は参加しねぇ!」とすっぽかしていた。また、誰かの面倒をみるというのにも向いていないと自覚していた。「俺は俺の好きなように生きる。とても他のものの面倒までは見きれねぇ」わがままに思われがちだが、意外と謙虚なのである。
龍は、牙と角を持つキョンの存在を知っていたし、そんなキョンの心中も…慮っていた。
そこで龍は宣言した。
「『牙あるものは角なし』と言って我を讃えているようだが、牙や角が両方あってもなくとも、皆それぞれに良いところがある。誰かの長所が他のものに無いからといって、そのものが劣っているなどということはないのだ」
それからは、牙や角等の外見にとらわれず、内面や行動で評価するようになったのは言うまでもない。
このような古事から『牙あるものは角なし』とは、外見で判断してはならない…という戒めの意味を持つ。 [類似諺]人は見かけによらぬもの
《使用例》
「サトルって、マジ最高!イケメンで頭もいいなんて♡」
「辞めときな。牙あるものは角なしのクズ男らしいよ」
これは 3mmくらい知っている諺でした。
(内容でちょっとかすっているかも)
なので(多分)本来の意味とは違う物語を
作ってみました。
