CUD v5.1公開のお知らせ|14本の論文を経て、CUDの「第一章」が閉じました
CUD v5.1を公開しました。
今回のタイトルは、
Cosmological Update Dynamics:
The Role of Consciousness in the Structural Reality Update Cycle
です。
今回の論文を書き終えて少し不思議な感覚があります。
一つの章が閉じた。
そんな感じです。
振り返れば、CUDは最初から今の形だったわけではありません。
最初にあったのはとても単純な問いでした。
宇宙は静止しておらず、「更新(Update)」しているのではないか?
そこから始まりました。
v1からv5.1まで
かなり大まかに振り返ると、
CUDはこんなふうに進んできました。
v1
宇宙は「更新する」という発想。
↓
v2
確率場・構造場という考え方を導入。
↓
v3
世界の構造をψ-networkとして捉える。
↓
v4
複数の可能性の中から現実が選ばれる仕組みとして、Reality Selectionを定式化。
↓
そして、
v5.1によってこれまでv1~v5に登場してきた概念を、
Structural Reality Update Cycle
として一つの循環構造にまとめました。
今回の論文で大きかったのは、新しい概念を増やしたことではありません。
むしろ逆で、これまで別々に考えてきたものを、
一つの動く仕組みとしてつなぎ直したことです。
つまりCUDは、
「概念を増やす段階」から「理論を統合する段階」
へ進んだのだと思います。
Structural Reality Update Cycle
今回のv5.1で提示した中心的な構造が、この画像の内容です。

論文では、世界は独立して次々と出現するものとしてではなく、一つの現実化した世界(realized ψ-network)が構造的連続性を保ちながら常に更新され続ける過程として捉えています。
かなり簡略化すると、
今の目の前の世界(Current Reality)
↓
隣接する可能性世界(Adjacent Potential ψ-networks)
↓
目の前世界と隣接する可能性世界が弱く接続(Weak Connection)
↓
構造的つながりを持つ(Structural Integration)
↓
そのつながりが現実化するかの判別が行われる(Reality Selection)
↓
現実を更新(Updated Reality)
↓
更新をOnverse(構造化された世界の履歴)全体へフィードバック(Feedback to Onverse)
↓
そして、次の更新サイクルへ。
という循環です。
今ある現実の周囲には、
構造的に隣接した複数の”可能性”世界(Potential ψ-network)が存在する。
その中で、
現在の現実との構造距離が評価され、
構造的な互換性が生まれ、
構造の弱接続が形成される。
そこから一部の構造が統合され、
現実化臨界性(χ)や歴史的連続性(H)などを通じて未来選択セレクター(ω)が変化する。
そして現実化判別が起こり、世界のつながりが再構成される。
それが、
更新された現実(Updated Reality)
になる。
そして、新しく現実化された構造は、
Onverse内の構造である
構造蓄積(Accumulated Structure) A、
構造場(Structural Field) u、
歴史的連続性(Historical Continuity) H
へ再びフィードバックされます。
すると、
次に接続可能な”可能性”世界(Potential ψ-network)そのものが変わっていく。
そしてまた、
次の現実更新(Reality Update)サイクルが始まる。
つまり、
現実は完成された状態ではなく、更新され続ける構造である。
これが今回の論文で描いた現実更新の循環です。
Consciousnessとは何か?ではなく・・・
そして今回一番大きかったのが、
Consciousness(意識)
の扱いでした。
意識について考え始めると、
すぐに巨大な問いにぶつかります。
そもそも意識とは何なのか?
なぜ意識が存在するのか?
物質から意識は生まれるのか?
でも今回、その問いをいったん横に置きました。
代わりに考えたのが、
Consciousnessは、
Structural Reality Update Cycleの「どこ」で働くのか?
という問いです。
この問いに変えたことでかなり整理できました。
今回の仮説では、
ConsciousnessがReality Selectionを行いません。
Reality Selectionそのものは、
意識が存在しなくてもOnverse全体で起こる普遍的な構造過程として扱います。
では、
意識は何をするのか。
今回のv5.1では、
今目の前の世界(Current Reality)と隣接する"可能性"世界(Adjacent Potential ψ-networks)との間に生まれる構造の弱接続(Weak Structural Connection)を変調する機能
として位置づけました。
つまり、
・意識が未来を直接選ぶわけではない。
・意識は未来の可能性とのつながり方に影響する。
その結果として構造的つながり(Structural Integration)の条件が変化し、その後にそのつながりについての現実化判別(Reality Selection)が起こる。
そう考えました。
ここが今回かなり大きな整理でした。
「意識が現実を作る」
と単純に言ってしまうのではなく、
意識がなくてもReality Selectionは起きる。
その上で、意識には意識なりの機能的位置がある。
この二つを分離できたからです。
なお、
「ではConsciousnessそのものは何なのか?」
という存在論的な問いについては、今回のCUDでは扱わず、哲学的論文シリーズであるOntological Foundation(OF)側のテーマとして残しています。
14本の論文を経て
今回、v5.1をZenodoに公開しました。
ここまでおよそ1年。
CUDで14本、その周辺研究を含め合計17本の論文を書いてきました。
費やした時間を正確に計ったわけではありませんが、
おそらく1500〜2000時間くらい。
仕事をしながら、
自転車に乗りながら、
色々やりながら、
分からなくなって戻ってまた考えて。
ずっとそんなことをやっていました。
(3本進んで2歩下がる チーターか?)
そして今、なんとなく感じていることがあります。
CUDの第一章が、ここで一度閉じたのかもしれない。
もちろん、CUDが完成したという意味ではありません。
逆です。
ここまでが、これから本格的に研究していくための土台だったのだと思っています。
ここから、三つの道へ
ここからは、
大きく三つの方向を進めていこうと思っています。
CUD
これからは論文博士取得を中長期的な目標として、
CUDの数理的な厳密化、
既存物理理論との接続、
そして検証可能な予測の整理を進めていきます。
同時に、世界中の研究者とのネットワークも少しずつ作っていきたいと思っています。
すでに20名弱の各国の研究者にコンタクトを取り始めています。
すぐに何かが起こるとは思っていません。
起こらないかもしれません。
でも、一つずつ外の世界と接続していきます。
11Dimension Unified Theory
CUDで考えてきたことを11DUとも接続していきます。
11DUとは、このNoteの最初のテーマとして扱った、世界を11次元で見るためのフレーム(メガネ)です。
そして11DUでは、
理論として考えるだけではなく、
企業向けのマーケティングAIなど、
実際の社会の中でも使っていきたいと思っており、既にプロトタイプはリリースしております。
もちろん、事業なので収益は必要です。
でも、お金を稼ぐことだけが目的ではありません。
研究を持続可能にすること。それが最大の目的です。
理論で稼いで理論に戻す。そんな循環を作りたいと思っています
そして、
学問は机の上だけではなく、社会の中でも試されるべきだ
という考えもあります。
理論と実践を往復させて育てていきたいと思っています。
Onversology
CUDはもちろんのこと、私たちが観測するUniverseを含む、より広い存在論的領域であるOnverseという考え方を、
研究者だけのものではなく、
できるだけ多くの人に分かりやすく伝えていく活動を引き続き進めていきます。
宇宙に興味がある人。
物理が好きな人。
哲学が好きな人。
AIが好きな人。
人生について考えている人。
子どもから大人まで。
そしてもちろん研究者も。
専門分野や肩書きを越えて、
「世界って何なんだろう?」
という問いを一緒に考えられる場所を作っていきたいです。
ここから共同研究が始まるというようなきっかけが生まれたら楽しいなと思っています。
先ずはその入口として、
Onversology SchoolやOnverse Communityを少しずつ育てています。
さらに将来的には、
研究者も参加できる大学のような研究・教育機関としての
Onversity
の設立も視野に入れています。
「Where Knowledge Reconnects.ー知が再びつながる場所。」
まだまだ遠い構想です。
でも、少なくとも最初の一歩はもう始まっています。
ここがスタート地点
約1年。
17本の論文。
1500〜2000時間。
こうやって数字だけ並べると、ずいぶん進んだようにも見えます。
でも、今の感覚は全然違っていて、
やっとスタート地点に立った。
そんな感じです。
分からないことはむしろ以前より増えました。
数学的に詰めなければならないところもある。
既存理論との接続も必要。
実験や観測にどうつなげるかも考えなければならない。
そして何より、自分だけで考えていても進まない領域に入り始めています。
だから、ここからは外へ出ていこうと思います。
研究者と話す。
異なる分野の人と話す。
批判も受ける。
間違っていたら直す。
分からなければ勉強する。
そしてまた、
ψ-networkを更新する。
それでいいんだと思っています。
というより、
それがOnversologyという学問のスタイルなのだと思います。
完成してから世に出るのではなく、
出しながら更新する。
分からないから研究する。
違う分野だからつなぐ。
そして、
何歳になっても「これって何だろう?」と言い続ける。
永遠の若手(Eternal Beginner)ですから(笑)
最後はOnversologyのこの言葉で終わろうと思います。
・Every ψ-network is the latest version.
世界は常に最新バージョン。
・Every moment is a starting point.
あらゆる瞬間が出発点です。
・Expand your ψ-network.
ネットワークを広げよう。
・Never lose your sense of wonder.
驚きや感動の心を決して忘れずに。
・Let’s do it.
さあ、いこう!
— Eternal Beginner
— 永遠の若手より
CUDの第一章はここで一度閉じます。
そして、第二章の始まりです。
ここまでの足あと
