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「何も飾らない壁」のつくり方

何もない壁は、本当に「何もしていない壁」でしょうか。
家具も揃えた。
照明にもこだわった。
アートも飾った。
それなのに、なぜか部屋が落ち着かない。
そんなとき、足りないものを探してしまいがちですが、実は逆かもしれません。
必要なのは「飾る場所」ではなく、「飾らない場所」です。
モダンインテリアでは、何を飾るかと同じくらい、どこに何も飾らないかが重要だと思います。
今回は、部屋を整えて見せる「何も飾らない壁」のつくり方を、6つのポイントに分けて考えてみます。


すべての壁を使おうとしない


部屋づくりをしていると、空いている壁が気になります。
ここにはアート。
ここには時計。
この小さな壁にはミラー。
そうやって少しずつ埋めていくと、気づけばほとんどの壁に何かが飾られている。
一つひとつは素敵でも、部屋全体で見ると少し忙しく感じることがあります。
空いている壁は、使い切れていないスペースではありません。
意図して残せば、それも立派なインテリアの一部になります。
まずは「壁がある=何かを飾る」という考え方を一度外してみる。
ここから、何も飾らない壁づくりが始まります。


「見せる壁」と「見せない壁」を決める


次に、部屋の中で主役になる壁を決めます。
たとえば、ソファの後ろにお気に入りのアートを飾る。
そうしたら、その近くの壁はあえて空けておく。
ダイニングに大きなアートがあるなら、その周辺の小さな壁まで埋めない。
つまり、
「見せる壁」と「見せない壁」をつくります。
すべての壁を同じ密度で飾る必要はありません。
むしろ、壁ごとに役割を変えたほうが部屋にメリハリが生まれます。
全部を見せようとすると、結局どこも目立たなくなる。
一つを見せたいなら、別の場所を引く。
これはモダンインテリアを考えるうえで、かなり重要なポイントだと思います。

アートの隣こそ空ける


お気に入りのアートを飾ったのに、なぜか存在感がない。
そんなときは作品を変える前に、その周辺を見てみてください。
時計。
棚。
観葉植物。
別のポスター。
インテリア雑貨。
アートの周囲に情報が集まりすぎていないでしょうか。
アートを目立たせたいからといって、その周りまで飾る必要はありません。
むしろ逆です。
アートの近くに何もない場所をつくることで、作品の輪郭がはっきりします。
美術館で作品と作品の間に十分なスペースが取られているのと同じです。
アートを増やすより、アートの周りから何かを減らす。
今飾っている作品をもっと魅力的に見せる方法は、新しい作品を買うことだけではありません。


「寂しい」と感じても、すぐに埋めない


何もない壁をつくると、多くの場合、一度はこう感じます。
「ちょっと寂しいかも」
ここですぐに何かを飾りたくなります。
でも、少し待ってみてください。
壁だけを見れば寂しく感じても、部屋全体ではちょうどいい可能性があります。
ソファがある。
照明がある。
アートがある。
観葉植物がある。
床にも家具がある。
インテリアは、壁単体で完成させるものではありません。
部屋全体で一つの画面として考えます。
壁の一部分だけを見て「足りない」と判断すると、どんどん物が増えてしまいます。
少し離れたところから部屋全体を見る。
それでも本当に物足りないのか。
ここを判断してから飾っても遅くありません。

空けるなら、大きく空ける


「何も飾らない壁」をつくるときに、もう一つ意識したいことがあります。
それは、中途半端に空けないことです。
小さなポスターが一枚。
なんとなく掛けたカレンダー。
とりあえず置いた収納。
こうしたものが残っていると、「意図的な余白」ではなく「空いてしまった場所」に見えやすくなります。
空けるなら、思い切って空ける。
壁一面を何も使わないくらいでもいいと思います。
白い壁なら、その白さが見えてくる。
グレーの壁なら、面としての存在感が出る。
コンクリート調の壁なら、素材感そのものがインテリアになります。
何も飾らないことで、初めて壁そのものが見えてくるのです。

最後は「足す」より「引く」


部屋をおしゃれにしたいと思うと、どうしても新しいものを探してしまいます。
新しいアート。
新しい照明。
新しい家具。
新しいインテリア雑貨。
もちろん、それも部屋づくりの楽しさです。
ただ、ある程度インテリアが揃ってきたら、考える方向を反対にしてみるのもおすすめです。
「次に何を買うか」ではなく、
「次に何を減らすか」。
アートポスターを一枚外してみる。
棚の上の雑貨を減らしてみる。
壁一面を完全に空けてみる。
すると、今まで目立たなかったお気に入りの家具やアートが、急に存在感を持ち始めることがあります。
洗練された部屋は、単純に物が少ない部屋ではありません。
見せる場所と、見せない場所が整理されている部屋です。

何もない壁も、インテリアの一部です


「何も飾らない」という選択は、何も考えていないこととは違います。
ここにはアートを飾る。
ここには何も飾らない。
その両方を決めて初めて、部屋全体に強弱が生まれます。
余白があるから、家具が映える。
何もない壁があるから、アートが映える。
そして、見せたいものが自然と目に入るようになります。
部屋をもっとおしゃれにしたいと思ったとき、すぐに何かを買う必要はありません。
まずは部屋を見渡して、
「この壁、本当に何か必要かな?」
と考えてみてください。
今日ひとつだけ、「何も飾らない壁」を決めてみてください。そこから部屋全体の見え方が変わるかもしれません。


◼︎ この記事で紹介したアートはこちら




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#572 「何も飾らない壁」のつくり方

Written and images by Yuya Nagatani

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