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忍んでいく話

風が その人の髪に 花びらを運んで
気付かぬままの後ろ姿を 見上げた。

花びらに 手を伸ばそうとして
伸ばしかけたその手を とめた。

その花びらに
その髪に
触れたい。

でも
きっと
触れてしまえば
止められない。


その人の髪にとまる 花びらは
わたしを試すように 揺れる。

その人は まだ 気付かない。

花びらにも

わたしにも。



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