アポロ計画エピソード集1 - 11、12、13号
"Houston, Tranquility Base here. The Eagle has landed."
「ヒューストン、こちら静かの海基地。鷲は舞い降りた」
"That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind."
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、
人類にとっては偉大な飛躍だ」
※ 鷲=月着陸船「イーグル」
Neil Alden Armstrong (August 5, 1930 – August 25, 2012)
(質問者=私)
アポロ11号の3人の飛行士達に関する地球を出発してから戻って来る
までの興味深いエピソード、おもしろいエピソードをできるだけ
たくさん紹介して!
1969年のアポロ11号ミッションでは、ニール・アームストロング、
バズ・オルドリン、マイケル・コリンズの3人が、地球出発から帰還まで
の間に教科書には載らない人間味あふれる面白いエピソードを数多く
残しています。
往路から復路、そして帰国後の隔離生活まで、時系列でその興味深い
舞台裏を紹介します。
🚀 往路(月へ向かう道中):宇宙での小さな笑い話
・月って何色?問題
・月へ向かう退屈な旅の途中、3人は無線で「月が何色に見えるか」
で盛り上がりました。
コリンズが「僕にはどう見ても灰色に見える」と言うと、
他のみんなから「ロマンがない!」と突っ込まれるなど、
お茶目な会話で緊張をほぐしていました。
・「宇宙酔い」を隠したかったオルドリン
・宇宙船が地球の重力を離れた直後、オルドリンは少し宇宙酔いを
してしまいました。
しかし「人類初の月面着陸」という大役を前に、体調不良でミッション
から外されることを恐れた彼は、この事実を医師や管制室に必死に
隠し通そうとしました。
🌕 月面到着時:歴史的瞬間の裏にあったドタバタ
・「一人の人間にとっては…」名言の真実
・アームストロングが発した「これは一人の人間にとっては小さな一歩
だが、人類にとっては大きな飛躍だ」というあまりにも有名な名言。
実は本人は「一人の人間(for a man)」と言うべきところを、緊張の
あまり「a」を言い忘れて「人間(for man)」と言ってしまいました。
そのため、英文としては少し不自然な文法になってしまいましたが、
人類の偉大な言葉としてそのまま歴史に残りました。
・月面での「最初の排泄」を誇るオルドリン
・アームストロングに「人類初、月に降り立った男」の栄誉を譲った
オルドリン。
しかし彼は後年、「月に降りて最初に宇宙服の中でオシッコをしたのは
僕だ!」と、ユーモアを交えて自慢の種にしていました。
・月面での秘密の聖餐式
・オルドリンは、月面着陸船のハッチを開けて外に出る直前、
密かに用意していたパンとワインでキリスト教の「聖餐(せいさん)」
を行いました。宗教的な配慮から当時は生中継されず、
アームストロングが隣で静かにそれを見守っていました。
🛠️ 月からの離陸時:まさかの大ピンチをボールペンが救う
・破壊された点火スイッチ
・月面での任務を終え、いざ地球に帰ろうと着陸船に戻った二人ですが、
狭い船内で宇宙服のバックパックがぶつかり、エンジンを始動させる
ための回路ブレーカー(スイッチ)のつまみが折れてしまうという
大トラブルが発生しました。
・フェルトペンが命の恩人に
・スイッチが押せなければ月面から永遠に帰れません。
焦る二人でしたが、オルドリンがポケットから1本の文房具(フェルト
ペン)を取り出し、その先端を折れたスイッチの穴に差し込んで
押し込むことで、見事にエンジンが点火しました。
この時命を救ったペンは、現在も記念品として大切に保管されて
います。
🛰️ 月周回軌道:世界一孤独、だけど快適だったコリンズ
・「世界史上最も孤独な男」の至福の時間
・仲間二人が月面にいる間、1人だけで司令船に残り月を周回していた
マイケル・コリンズ。
月の裏側に入ると地球との通信が完全に途絶えるため、メディアからは
「世界一孤独な男」と同情されました。
・しかし実際のコリンズは、「うるさい二人がいなくなって、
船内は広いし、お気に入りの音楽を聴きながら温かいコーヒーを飲めて
最高にリラックスできたよ」と、その贅沢な一人時間を大いに楽しんで
いました。
🛬 帰還後:税関と隔離施設のユーモア
・月からの荷物を「税関」に申告
・無事に地球(太平洋)に着水し、ハワイに凱旋した3人を待っていた
のは、なんとアメリカ政府の公式な「税関手続き」でした。
彼らは大真面目に「出発地:月」「持ち込み品:月の石と砂の
サンプル」と書かれた税関申告書を提出させられました。
・隔離施設での誕生日パーティー
・未知の宇宙ウイルス感染を防ぐため、帰還後の3人は約3週間、厳重な
隔離トレーラーの中で過ごしました。
その最中にアームストロングが誕生日を迎えたため、施設の外にいる
スタッフたちが窓ガラス越しにハッピーバースデーを歌い、
ガラス越しにケーキを見せるという、シュールで温かいお祝いが
行われました。
壮大な宇宙の歴史の裏には、人間味あふれる臨機応変なユーモアや
ハプニングがたくさん詰まっていたのですね。
(質問者=私)
12号もお願い!
🚀 アポロ12号(1969年11月打上げ)は、真面目な11号とは打って変わり、「お祭り男」で大の仲良し3人組(ピート・コンラッド、リチャード・
ゴードン、アラン・ビーン)が集まった、史上最も陽気でハプニング満載のミッションでした。
地球出発から帰還までの、笑いと冷や汗のエピソードを時系列で
紹介します!
⚡ 出発直後:いきなりの落雷と「謎のスイッチ」事件
・ロケットにカミナリが2回直撃!
・あいにくの悪天候の中、強引に打ち上げられたアポロ12号。
上昇中に本物の雷がロケットに2連続で直撃しました。
船内の計器はすべて消灯し、データは文字化け、
警告音が鳴り響く大パニックに陥りました。
・新人アラン・ビーンの「神対応」
・管制室も諦めかけたその時、24歳の天才管制官ジョン・アーロンが
「SCE(制御装置)のスイッチをAux(補助)に切り替えろ」と指示。
船長も司令船長も「何それ?」と困惑する中、新人のビーンだけが
訓練を完璧に覚えており、その地味なスイッチをパチリ。
一瞬でシステムが復活し、大惨事を免れました。
🌕 月面到着:11号への「身長コンプレックス」の意返し
・人類第3歩目の第一声が「笑い声」
・アームストロングの「小さな一歩」に対抗して、船長のピート・
コンラッドが月面に降り立った時の第一声は、「イッピー(やった
ぜ!)!ニールには小さかったかもしれないけど、僕にとっては
大きな一歩だ!」という大爆笑でした。
・実はコンラッドは小柄(165cm)なことを自虐しており、
事前にジャーナリストと「NASAにセリフを強制されていない証明
として、これを言ったら500ドル賭ける」という賭けをして
見事勝ち取りました。
📸 月面での任務:ドタバタ機材トラブル
・月面TVカメラを1秒で壊す
・世界中に月面のカラー映像を届けるはずでしたが、ビーンがカメラを
設置する際、誤ってレンズを太陽に直接向けてしまい、センサーが
焼き切れてわずか数秒で生中継が終了。
世界中のテレビが真っ暗になり、管制室からめちゃくちゃ怒られ
ました。
・月の石より「タイマー」が大事?
・無人探査機「サーベイヤー3号」の部品を回収する際、コンラッドは
カメラのセルフタイマーを使い、ビーンと2人でツーショット写真を
撮ろうと画策しました。しかし、月の砂の中にタイマーを落として
しまい、2人で制限時間ギリギリまで砂を掘り返して探すという、
本末転倒なドタバタ劇を繰り広げました(結局見つからず断念)。
👙 船内でのサプライズ:プレイボーイ誌の誘惑
・宇宙服の手首に「バニーガール」
・バックアップクルー(控えの飛行士たち)が仕掛けた最高級のいたずら
です。月面活動中、コンラッドとビーンがチェックリスト(手首に
巻いた説明書)をめくると、なんと『PLAYBOY』誌のヌードモデルの
写真がこっそり挟まれていました。
・静まり返った月面の無線に、2人が「おい、これを見ろよ!」
「うわ、最高だな!」とニヤニヤ笑う声がばっちり記録されています。
🛬 帰還時:最後までハプニング
・カメラが頭に直撃して気絶
・地球への帰還時、太平洋に着水した衝撃で、船内に固定されていた
重い16mmカメラが外れ、アラン・ビーンの頭に直撃。
ビーンは一時的に気を失い、頭から血を流す怪我を負いました。
幸い軽傷で済みましたが、せっかく生還した直後に仲間から笑われる
ハプニングとなりました。
まるで修学旅行のようなノリでありながら、全員がプロフェッショナルと
して完璧に任務をこなしたアポロ12号。
彼らの絆の深さが伝わるエピソードばかりです。
次は、あの有名な「輝かしい失敗」と言われたアポロ13号の
奇跡の生還劇や、月面でゴルフをした14号など、
どのアポロ計画に進みましょうか?
ご希望の号数を教えてください!
(質問者=私)
まず13号!
🚀 アポロ13号(1970年4月打上げ)は、月面着陸こそ叶わなかった
ものの、絶望的な状況から3人の飛行士(ジム・ラヴェル、ジャック・
スワイガート、フレッド・ヘイズ)が奇跡の生還を果たし、
「輝かしい失敗」と称される伝説のミッションです。
極限状態の裏にあった、驚きとおもしろいエピソードを
時系列で紹介します!
🃏 出発前:麻疹(はしか)パニックと「代打」の悲劇
・直前のメンバー交代劇
・打上げのわずか7日前、控えの飛行士が「麻疹(はしか)」を発症。
本番メンバーの中で、ジャック・マッティングリーだけが抗体を持って
いなかったため、NASAは無情にも彼をチームから外しました。
・「代打」スワイガートのやらかし
・急遽ピンチヒッターに指名されたのが、プレイボーイとして有名だった
ジャック・スワイガートです。
バタバタで宇宙船に乗り込んだ彼は、宇宙に行ってから「大変だ!
確定申告(タックス・リターン)の書類を出すのを忘れた!」
と大騒ぎ。地上との無線を通じて、宇宙から異例の「提出期限の
延長申請」を行いました。
💥 爆発発生:「あの名言」の真実と、まさかのカンペ
・「ヒューストン、問題が発生した」
・地球から約32万キロ離れた場所で、機械船の酸素タンクが爆発。
この時スワイガートが発し、映画でも有名になった名言が
「Houston, we've had a problem(ヒューストン、問題が発生した)」
です。
・実は最初、スワイガートが少し緊張した声でこれを報告した際、
地上の管制官はよく聞き取れず、「もう一度言ってくれ」と聞き
返しました。
そこで船長のラヴェルが冷静に「OK、ヒューストン、こちらでも
問題が発生したようだ」と言い直しました。
・消された「着陸用のカンペ」
・爆発により、3人は急遽「月面着陸船」を避難シェルターとして使う
ことになりました。
着陸船に移動したヘイズは、計器の横に貼ってあった「月面着陸の
手順」が書かれたチェックリストをすべて剥ぎ取り、代わりに
「地球へ生還するための即席の手順」をペンで書き殴り、
それを頼りに命がけの操作を行いました。
🥶 帰路(極限状態):寒さと尿と「自作フィルター」
・宇宙で「おしっこ」が禁止に?
・電力を節約するため、船内の暖房はすべてオフになり、
温度は氷点下(約3度)まで冷え込みました。
さらに、宇宙船の軌道がズレるのを防ぐため、なんと地上から
「宇宙へのおしっこの放出(排泄物の投棄)を禁止する」
という命令が下りました。3人は寒さに震えながら、
すべての尿をプラスチック袋に貯めて船内に保管せざるを得ず、
精神的にも肉体的にも限界を迎えました。
・四角いペグを丸い穴に入れる
・船内の二酸化炭素濃度が上昇し、このままでは窒息死するという
大ピンチ。司令船の「四角いフィルター」を着陸船の「丸い穴」
に繋ぐ必要がありました。
・地上のスタッフは、船内にあるもの(プラスチック袋、宇宙服の
パーツ、段ボール、粘着テープ)だけを使ってフィルターを自作する
方法を考案。無線で手順を聞いた飛行士たちは、見事に「即席フィル
ター」を完成させて命を繋ぎました。
🛬 帰還後:NASAへ送られた「40万ドルの請求書」
・「宇宙船のレッカー代」を請求
・無事に地球へ生還した後、アポロ宇宙船を製造したグラマン社の
社員たちが、冗談でNASAに対して1枚の「請求書(領収書)」
を送りつけました。
・そこには「着陸船による司令船の牽引(レッカー)代:
最初の1マイル=4ドル、追加1マイルごと=1ドル(総額約40万ドル:
当時の日本円で約1.4億円)」「バッテリーの充電代」
「宿泊費(ゲスト2名分、暖房なし)」などがユーモアたっぷりに
書かれており、張り詰めていたNASAのスタッフたちを大爆笑させ
ました(もちろん、NASAはこれを支払っていません)。
まさに人間の知恵とユーモアが絶望に勝った、映画以上のドラマですね。
次は、月面でゴルフショットを放った14号、あるいは初めて月面車
(バギー)でドライブを楽しんだ15号など、どちらに進みましょうか?
気になる号数を教えてください!
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
【この質疑の後の後日の感想・補足】
・11号打ち上げ時のカウントダウン
https://www.youtube.com/watch?v=UExTN3_UOIY
・サターンVロケット打ち上げ時のド迫力光景(音声盛り盛り版)
https://www.youtube.com/watch?v=CcXap3qet3g
・13号事故発生時の実際の音声
https://www.youtube.com/watch?v=eco_xvkEQlg
055:55:19 Okay, Houston, we've had a problem here.
055:55:28 This is Houston. Say again, please.
055:55:35 Houston, we've had a problem. We've had a MAIN B BUS
UNDERVOLT.
055:55:42 Roger. MAIN B UNDERVOLT.
055:55:58 Okay, stand by, 13. We're looking at it.
・都内や各地の大型書店でたまにやってる洋書のワゴンセールで、
この本を見かけたらぜひ手に取ってみてください!
子供向けの本だけど、大人が読んでもとても楽しい。
How We Got to the Moon (John Rocco・Crown Books for Young Readers)
https://www.amazon.co.jp/dp/0525647414/
