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イギリスの豪邸で、豊かさについて考えさせられた話

先日、ケンブリッジ近郊にあるWimpole Estateという、めちゃめちゃ広大なお屋敷に行ってきました。

なんと、敷地面積が「千代田区の約1.5倍」!

お客さんが実際に歩いて楽しめるエリアだけでも、東京ドーム100個分以上だそうです。広すぎる。

入り口に設置してあった地図

農地や牧草地、森林、湖、庭園などが広がっていて、一日かけて歩きながら楽しむ、まさに郊外の大豪邸といった場所です。

ただ、この日の最高気温は34度。イギリスで34度というのは、かなりの暑さなのです。

気温が心配ではありましたが、私たちは前々からケンブリッジに宿を取っていたこともあり、ちょっと前に建てた計画を変更せずに、Wimpoleへ来てしまいました。

なんとなく予想はしていましたが、この暑さの影響で、見学できる場所は限られていました。

以前、気温が30度になったとき、通っていた語学学校が午後から休校になって家に帰らされたことがあったんですよね。イギリスの建物って、だいたい暑さへの耐性は低いんです。

Wimpoleの建物は上階には上がることができず、比較的涼しい一階と地下だけ見ることができました。

Yellow Drawing Room

この建物で見どころの一つが、Yellow Drawing Roomです。もともと7つあった部屋を一つにつなげて、大きな空間にしたものだそうで、黄色い壁と大きなドーム型の天井、つくりつけの曲線的な家具などがとても特徴的でした。

コンサートやダンスなどを楽しむための部屋だったらしく、当時の貴族の暮らしの華やかさが想像できました。

Yellow Drawing Room

現在の建物の基礎が作られたのは1640年代。この家にはかなり長い歴史があります。

朝食を食べるための部屋

18世紀にWimpoleを所有していたPhilip Yorkeは、有力な法律家・政治家でした。彼は1729年に、

「植民地で奴隷にされた人はイギリス本土に来ても自由にはならず、洗礼を受けても自由にはならない」

という「Yorke-Talbot Opinion」を示したそうです。この見解は、その後のイギリスの奴隷制度に関する法的な考え方に長く影響を与えました。

Wimpoleそのものが奴隷農園だったわけではありませんが、当時のWimpoleの所有者たちは、イギリスの帝国、植民地経済、貿易、そして奴隷制度と無関係ではありませんでした。

そう考えると、「この大きな富や権力は、いったいどんな社会の仕組みの上に成り立っていたのだろう」と、少し複雑な気持ちにもなりました。

執事たちの作業部屋。銀器を手作業で磨いたりしていたそうです。

300年前といえば、そんなに遠い昔ではないような気がします。

Wimpoleの美しい館や見ながら、その時代にここで暮らしていた人たちと、同じ時代に自由を奪われていた人たちのことを思うと、歴史の重さを感じました。

でも、そうした歴史も含めて、都合の悪いことまで隠さずに伝えているNational Trustの姿勢は、とてもいいなと思いました。

Wimpole Estateは、もともと何百年もの間、貴族や裕福な家族が所有してきた場所です。最後の所有者だったElsie Bambridgeが1976年にNational Trustに遺贈し、現在は建物だけでなく、庭園や農場、広大な土地までNational Trustが管理しています。ちなみにNational Trustとは、イギリスの歴史的な建物や庭園、自然などを守り、未来に残していくための慈善団体です。

建物内にある教会

さて私は農場見学も楽しみにしていたのですが、ここも暑さのため大部分が閉まっていて、今回はpiggery(豚の飼育施設)だけ見ることができました。

生まれたばかりの豚の赤ちゃんもいて、小さくてとてもかわいかったです。

すやすやお昼寝をする子豚たち

実際に触ることもでき、その後にはちゃんと手を洗える場所も用意されていました。

でも、この子たちも大きくなれば食用になるのだろうと思うと、また少し複雑な気持ちになります。

連日の暑さで少し疲れていたせいでしょうか。それとも、ここで見てきた歴史のことを考えていたからでしょうか。いつもならあまり気にしないようなことまで、いろいろと考えてしまいました。

そして暑さのせいで、庭の植物もかなり元気がないように見えました。

訪れた8月中旬には、イングランド南部では水不足が深刻になっていて、ホースを使った水やりが禁止されている地域もあり(ジョウロならOK)、あちこちで自然発火の火事のニュースも報じられていました。

今年の暑さや水不足の影響が、この庭にも表れているのだなと感じました。

暑さの中、色鮮やかな南国風の植物は元気

最後に、帰りぎわに食べた地元産のイチゴアイスは本当に最高でした。

34度の暑さの中で食べたあのアイスのおいしさは、私の気持ちを救ってくれたように思います。

今度はぜひ、もう少し涼しい季節に、庭が元気で美しい時期にもう一度訪れてみたいです。

Wimpole Estate 基本情報

公式サイト:Wimpole Estate – National Trust
料金
 大人(18歳以上)£21.00 約4,200円
 子ども(5〜17歳)£10.50 約2,100円
 ファミリー(大人2人+子ども3人まで)£52.50 約10,500円
 ※5歳未満は無料です。
 ※日本円は £1=200円で計算しています。

実は私たちはNational Trustの無料パスを使ったので、入場料はかかりませんでした。無料パスは、「National Trust free pass UK」で検索すると意外といろいろ見つかります。

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