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イギリスで電車に乗るなら、知っておきたい運賃の話

思いがけず決まったロンドン日帰り旅

6月のある日、友達から突然連絡がありました。
「腰痛で行けなくなったから、私の代わりにロンドンに行きません?」

彼女が予約していた電車のチケットを、譲ってもらえるというのです。

思いがけず舞い込んできた、ヨークからロンドンへの日帰り旅。ものすごーく楽しかった。でも今回は、旅ではなくてイギリスの電車のお話をしようと思います。


ヨーク駅のプラットホームは、アーチ状の屋根が描く美しいカーブが印象的です。

さて、私の住むイングランド北部の町ヨークからロンドンまでは、電車で約2時間。実はけっこう近いんです。

でも私が普段ロンドンへ行くことは、まずありません。

そこには、イギリスならではのメンドクサイ電車事情が関係しています。


イギリスの電車は、料金が一定ではない

これ、最初に聞いたとき驚いたんですが、イギリスでは長距離列車の切符は定額ではありません。

昔は日本みたいに定額だったらしいですが、今は色々な値段の切符があります。

例えば、ヨークからロンドンへ行く場合、片道切符には主に以下の3種類があります。

・Advanceチケット:£20前後(約4,000円
・Off-Peakチケット:£60〜£100前後(約12,000円〜20,000円
・Anytime Singleチケット:£170前後(約34,000円

4,000円と34,000円。
3万円も差があることに驚きます。

そして、これって、
シンプルに在来線や特急のような電車の「速さ」の差ではないんです。

同じ区間を同じ時間だけ乗るのに、切符の値段がまったく違うことがあるということ。

ひとつの車両に乗り合わせているのに、隣の席の人と自分とでは払った金額が違うかもしれない。そんな不思議なシステムです。

ロンドンとヨークの間は畑が多く、町と田舎のコントラストが印象的です。

この料金は、購入するタイミングや利用条件によって大きく変わるのだそうです。たとえば、

そもそも、値段の違うチケットが混在している
 → 早く購入するほど、安いチケットが買える

変更や払い戻しの条件
 → 予定変更ができないチケットは、安い

利用できる時間帯
 → 通勤時間帯を避けると、安い

当然、条件の良い安いチケットから先に売れていくため、出発日が近づくと、高いチケットしか残っていないということになります。なので、

「パッと思い付きで旅行する」
というのは、ハードルが高くなります。


ちなみに、切符は3か月前くらいからオンライン購入できるので、イギリス旅行を考えている方は早めの購入をおすすめします。

鉄道予約サイト
Trainline
National Rail Enquiries
・各鉄道会社の公式サイト(例:LNERAvanti West Coast など)

安く買うコツ
・3ヶ月~数週間前に買う
・火曜〜木曜の日中などを狙う、通勤時間帯は避ける
・往復より片道ずつ検索すると安い場合がある
・Railcard(対象者のみ)を使うと約1/3割引になることがある


私が乗ったLNERの車両は、日本の日立製作所が製造した「Azuma」でした。
予約すれば自転車も乗せられるらしいです。

また、イギリスの鉄道は、運行そのものがあまり安定していません。

・遅延やキャンセルが全く珍しくない
・途中で急にルートが変更になることも多い
・代行バスやタクシーを利用しなければならないこともある

イギリスでは途中で電車に何かトラブルが起きた場合、最悪の場合、その日のうちに帰れなくなる可能性もあります。

しかも、そのトラブルがわりとしょっちゅう起こるのです。

「この先は、スタッフ不足のため運行できません」

そんな理由で列車が途中から運休になってしまうこともあり、
「それなら乗る前に教えてほしい……。というか、そんなことってある!?」
と思ってしまいます。


こういった不安要素を考えると、特別な用事がない限り、なかなか
「ちょっとロンドンに行ってみよう」
とは私には思えないのでした。

ロンドンのキングスクロス駅名物、ハリー・ポッターの記念撮影スポット。

ちなみに、長距離列車のチケットはオンラインで購入することが多く、購入後にQRコードがメールで送られてくる形式が一般的です。

今回切符を譲ってくれた友達からは、QRコードのスクリーンショットを送ってもらい、それを自分のスマホに保存して利用しました。

このQRコードは、駅の改札でスキャンしたり車掌さんに見せたりする必要があるので、スマホのバッテリーが不安な人はプリントアウトしておくと安心です。

あとバッテリーが不安な方は、長距離電車にはスマホを充電できるコンセントが付いていることもあるので、充電ケーブルとアダプター(プラグ)を持っていくのがおすすめです。

写真は、ロンドンの地下鉄。地下鉄は、ゾーン制で料金が決まっています。

ロンドンの地下鉄
ちなみに、ロンドンの地下鉄は長距離電車とは違い、ゾーン制(区域ごとに料金が決まる)のシンプルな料金システムです。

予約は不要ですし、クレジットカードのタッチ決済やOysterカードで気軽に利用できます。

さらに、これらのカードを使って1日に何度も乗る場合は「Daily Cap(1日の上限額)」が適用され、一定額以上は請求されません。同じゾーン内を何度も移動する場合は、とてもお得な仕組みです。


イギリスの電車は、日本のように「時間通りに来て、駅で買えば同じ値段」とはいきません。

駅の電光掲示板を見ても、自分の向かうべきプラットホームはギリギリまで表示されないし、ホームで待っていても、急に乗り場が変更されることなんてしょっちゅうあります。

便利さだけで比べると、日本の鉄道の素晴らしさを改めて感じます。

でも、予定通りにいかないハプニングも含めて、これもまたイギリスで暮らす面白さなのかもしれません。


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