AIを捨てた私たちがぶつかった壁。最強の組織を作る「8:2の法則」と一枚の請求書。
■ 外(集客)に向かう前に、内側で起きた「衝突」
前回の記事では、AIが作った完璧すぎるデザインをすべてゴミ箱に捨て、「不器用でもいいから、自分たちの手触りを取り戻す」と決意したお話をしました。
しかし、いざ手を動かし始めると、私たち夫婦はすぐに「ある壁」にぶち当たります。
それは、「現場(妻)とバックオフィス(夫)の視点のズレ」でした。
「もっとこういう現場の温かみを伝えたい!」
という妻。
「いや、パッと見の分かりやすさや、情報の整理(効率)が優先だ!」
という私。
前回のnoteの最後で「インスタ集客の罠」についてお話しすると予告しましたが、実はSNSで外側へ発信するよりも前に、
私たちは「夫婦・組織としての内側のルール」を絶対に固めなければならなかったのです。
■ 「夫婦起業の死亡フラグ」と、世間のセオリーへの違和感
「夫婦で起業するなら、現場と経営で完全に役割を分けなさい。絶対に相手の領域には口を出さないこと」
法人設立に向けて動いていた私たちに、周囲の先輩経営者やビジネス書は
口を揃えてこうアドバイスしました。
プライベートの情を持ち込まない。
現場(妻)はケアに集中し、バックオフィス(夫)は数字と効率だけを追う。この「100:0の完全分業」こそが、夫婦経営がモメずに成功するための絶対のセオリーだと。
確かに、理にかなっています。
しかし、私たちはこのセオリーに強烈な「違和感」を覚えました。
もし完全に分断してしまったら、どうなるか?
現場は「会社の存続や利益なんて知らん」となり、
経営側は「現場の血の通った温度感」を忘れた冷徹なシステムマシンになってしまう。
結果的に組織は分断され、私たちが一番大切にしたい「温かいサービス」は死んでしまうのではないか?
そう危惧した私たちは、世間のセオリーを捨て、独自のルールを敷く決断をしました。
それが、「お互いの領域に、あえて2割だけ踏み込む(重なり合う)」という『8:2の法則』です。

■ 私の「8:2」:効率化の鬼 兼 家族目線のストッパー
一方、非医療職でありバックオフィス全般を担う私の役割は、こうです。
【8割:システムと効率化の鬼】 法整備、会計ソフトの構築、マニュアル化など、ビジネスを裏側から圧倒的なスピードで構築・効率化し、会社を守る。
【2割:家族目線のストッパー】 システム化をゴリゴリ進める中で、
「ここは効率化しすぎると、お客様(ご家族)が不安になるぞ」という
ポイントを見抜き、あえて「非効率なアナログの温かさ」を残すよう現場にアドバイスすること。
私たちがCanvaで泥臭くツールを作った本当の意味も、ここにあります。 この「私の2割(あえて非効率を残す視点)」が実際のサービスにどう反映されたのか。その最たる例が、「毎月の請求書」です。
■ 自動化を捨てた「一枚の請求書」の秘密
通常、バックオフィスの業務を極限まで効率化するなら、会計ソフトから「自動で請求書をPDF発行して、ワンクリックでメール送信」するのが
100点の正解です。
しかし、私の「2割の家族視点」がそれにストップをかけました。
介護や看護の現場において、お金のやり取りは一番冷たく、
機械的になりがちな部分です。
それを自動化システムの冷たいPDFで終わらせてしまっていいのか?
そこで私は、あえてオリジナルの請求書をデザインし、
右下に「観察内容・共有事項・次回予定・提案 など」という、
自動化できない独自の記入欄を設けました。
現場のスタッフは、ケアを終えた後にこの欄へテキストを入力します。
完全な手書き(100%のアナログ)にしてしまうと業務負荷が爆発するため、入力自体はパソコンで行います。
しかし、そこには必ず「担当スタッフの名前」が添えられ、
「今日のお母様はこんなご様子でしたよ」
「次回はこんなケアをご提案しますね」という、
ご家族に向けた固有のメッセージが紡がれます。
■ 「会社からの請求」が「あの人からの手紙」に変わる瞬間
想像してみてください。 深夜、親の介護に悩み、疲れ果てたご家族がこの請求書を見たときのことを。
そこにあるのは、冷たい「会社(みがる)からの事務的なお金の請求」ではありません。
今日、親に優しく触れてくれた
「あの人(担当スタッフ)からの温かい手紙であり、報告書」として
ご家族の心に届くのです。
業務効率(テキスト入力)を保ちつつ、現場の想い(スタッフの言葉と名前)を乗せる。
バックオフィスが意図的に作った「2割の非効率(余白)」に、
現場が最高の想いを込めて応えてくれた瞬間でした。
これが、ご家族の圧倒的な「安心感」と「信頼」に繋がっていきます。

■ 次回こそ!「SNS集客の罠」のリアルを語ります
「現場と経営の完全分業」という冷たいセオリーを捨て、
お互いの領域に2割の理解とリスペクトを持つ。
この「8:2の法則」があったからこそ、私たちは夫婦で変な衝突をすることなく、爆速の意思決定で法人設立まで駆け抜けることができました。
徹底的に効率化された強い経営基盤の上に、血の通った温かいサービスが乗る。これこそが、私たちが目指した組織の形です。
さて、デザインの方向性が決まり、組織の強固なルールも整いました。
次なる壁こそが、スモールビジネス最大の難関「集客」です。
お待たせしました。
「とりあえずインスタをやればお客さんが来るんでしょ?」 ……
そんな甘い幻想を抱いていた私たちが直面した
「SNS集客のリアル」と「メディアの役割分担」について。
次回の第5話で、今度こそ包み隠さずお話しします!
■【最後に】
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
「バックオフィス業務を効率化したいけれど、サービスの温かさまで失ってしまいそうで怖い」 「現場と経営の目線が合わず、組織づくりに悩んでいる」
そんなひとり社長や、スモールビジネスを展開する皆様へ。 「効率化」と「お客様への手触り感」は、正しい設計(デザイン)があれば両立できます。
私が実践してきた「ただ効率化するだけじゃない、血の通ったバックオフィス構築と組織の仕組み化」を、MENTAで直接サポートしています。
あなたのビジネスに最適な「8:2のバランス」を、一緒に見つけていきましょう!ぜひお気軽に覗きにきてください。
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