文鳥だアァァァッッ!! /ショートストーリー
株式会社ナゾナゾーンの新人研修は奇妙なことで有名だ。
新入社員は、とある館に侵入させられ、数々の謎解きを成功させなければならない。
そして私は今まさにその館に足を踏み入れたところだ。
1つ目の小部屋に入ると、パジャマ姿の紳士が出迎えてくれた。
「ようこそ第一研修室へ。早速問題です。私のパジャマの中にいる干支は何でしょうか?」
……なぞなぞ、か
しかし大学時代「なぞなぞサークル」に所属していた私を舐めないでいただきたい。
紳士の着ているパジャマはシンプルなストライプ柄。…シマウマ、馬か…?
いやそれは納得できない。なぞなぞとしてレベルが低過ぎる。
寅?いや、これも同じだ。
発想を変えろ。画ではなく言葉に着目してみよう…
!
「ジャ、つまり蛇、答えは…『巳』です」
その瞬間、紳士の足元の床がバーンと開き、落とし穴に落ちるかのように紳士は下に落ちていった。
ドアが開くと階下へと続く階段があった。
落ち着いて降りていくと、第2の小部屋があった。
一応ノックを3回して中に入ると、
いちごの被り物をした紳士が出迎えてくれた。
私はすぐに違和感に気付いた。
…この紳士、さっきの紳士と同じ人だッ!
床が開いて下に落ちる演出は、どちらかと言えば1人でこの研修を回す為に便宜的に取り入れられた方法だったのだ…ッ!
部屋の隅にふかふかのマットレスと既視感のあるパジャマも投げ捨てられているし。
早着替え……か
その点において私は少しだけ彼を尊敬した。
「ようこそ、第二研修室へ。さて問題です。
私が被っている寿司ネタは何?」
…寿司ネタだと?被っているのはどう考えてもいちご、だ。いちご絡みの寿司ネタなんて聞いたこともない。
ということは、いちごの中に寿司ネタがあるってことか?いち、ちご、いご…
見当たらない…ということは英語ッ!
ストロベリー…スト、トロ!
「答えは…『トロ』ですッ!」
その瞬間、紳士は「今からまた衝撃に備えまーす」みたいな表情を一瞬見せた。
そして予想通り床がバーン!と開き、いちご頭は落ちていった。
もう省略して良いだろう。私は第3の小部屋に入った。
意外ッ!!
そこにいたのは…ッ あの紳士ではなくッ!!
文鳥だァァァッッ!!
アテレコであろう(聞き覚えのある)声がした。
「最終研修室へようこそ。
さて問題です。
私の中にある数字は何でしょう?」
…奇妙だ、もしや彼はこの文鳥を九官鳥と勘違いしているのか?
いや、ここまで演出にこだわっておいてそんなミスは犯さないはずッ!
となると、セオリーどおり、ブン、ンチ、チョ、ヨウ、…無い…見当たらない
ほんの少し額に汗が滲むのを感じた。
しかし、さっきまでいちごの被り物をしていた彼の方こそ、きっと汗をかいていたに違いない。
追い詰められているのは、彼の方だッ!
背筋を伸ばし、文鳥を真っ直ぐに指差しながら、私は告げた。
「答えは…兆だッッ!!!」
「おめでとう!合格だ」
目の前の扉が開き、
そしてそこには、あの社長っぽい椅子に腰掛けた紳士がいた。
ネクタイ締めるの、間に合ったんだ…
しかもこの社長、まったく息切れをしていないぞッ
…To be continued
はらとけいさんの「せりふ三題噺」に参加したくて書きましたが…
あー、これ誰か最後まで読んでくれる人いるのかしら
もう正直ノリだけで書き上げました。
To be continuedは嘘です。
第二部は始まりません。
