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狭き門をこじ開けろ!/ショートストーリー

我々はみな、暗い場所でうごめき、彷徨っていた。

時に身体を削られ、時に混ざり合いながら、
うねり、波打つ、狭い道を進んできた。
その先に光は見えない。

けれども何か抗いきれない大きな力によって、確実に先に進まされているような、少しずつ落ちていくような、そんな感覚でいつしか袋小路に辿り着いてしまったようだ。

後続のものたちも次々とここに流れ着いてくる。
ただでさえ狭いこの場所が、いよいよ一切の逃げ場も無い状態になりつつあった。
押し潰されてしまうことを覚悟したその時、前方にわずかに光が見えた気がした。

確かにそこには小さな穴があった。
その狭き門をこじ開ける以外に道はなかった。

身を捩りながら、或いは踏ん張りながら、
兎に角全身に力を込めてその穴を必死にこじ開けた。
そうして我々はなんとか明るい場所へと出ることができた。

初めて見る自分たちの姿。
大きいもの、小さいもの、
丸みを帯びたもの、痩せ細ったもの、
色もまたそれぞれに違っていた。

じきに、それらに序列を付け出すものが現れた。
我々はみな、あの暗闇を必死で生き抜いた同士だというのに。

同じ穴のムジナ。
言ってしまえば我々はそういうことだ。
どれも大した変わりはない。

ほら、全てを流す水がやってきた。
この洪水で我々はみな、あっという間にまた一様に流されるのだ。

この眩しい世界に居られるのはほんの僅かな時間だけ。
だからせめて、敵同士としてではなく、
同じ苦しみを分かち合える友として、
また一緒に流されていこうじゃないか。

紙吹雪も舞いはじめた。
お別れの時間だ。



甘野充さんの「アマノ文筆クラブ」の企画に参加させていただきました。

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